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【映画】リリィ・シュシュのすべて

私の観たい映画リストにいた『リリィ・シュシュのすべて』を観たので
(考察とかじゃなくただの私の感想だし関係ない私の話もしてます)

余談ですけど,『⚪︎⚪︎のすべて』という題名の映画を観たのはこれで3作品目です
『リリーのすべて』(The Danish Girl)と『オールアバウトマイマザー』(Todo Sobre Mi Madre)
(2個目はAll about・・だったけど頭の中で勝手に同じ分類にしてたっぽい)
どちらもとてもよかった

いじめ,暴力,万引き,レイプ,援助交際,殺人
日本における陰湿な社会問題の全てがこの作品に組み込まれてて,見てて心が苦しくなった。
日常に組み込まれてるからさらに余計に。2001年の作品ということもあり,(私の生まれた年)今よりもこういった問題が問題としてきっとあまり露呈していなかった頃で,だからこそ日常と一体化してる。普通に楽しい時は楽しいし日常は送れているのに、それと並行して問題も起きている。でもその問題が何割か自分を占めていることで段々と心が崩れていくことがあると思う。それがきっと津田さんの行動に現れているんだろうと思った。心の支えになってたものが,なんらかの理由で弱まっちゃった時に,いつもなら耐えていたものが耐えられなくなって。

小学校とか中学校とか,そこが世界の全てで,そこにしか人生がないから
抜け出せなくて,
だから,少しでも外を見て,助けを求めれば抜け出せる状況だったとしても
外に居場所はないから逃げることができない,と思ってしまう。
から,自分がルールだと思い込んで
全てを手に入れた気になれて,なんでもできちゃう人がいる。
その証拠に先生とか大人には別に逆らわない。

あとは,地域格差というか
田舎の閉塞感をすごく感じた。

~~~
よくニュースで聞くような,耳を塞ぎたくなるようなものではないけど
10年以上経った今でも私の中に残ってるほどには辛かったくらいの
いじめを受けた時期もあった小学生
されたことといえば,本当にしょうもなくて今だったら鼻で笑って無視できるくらいのことだけど
それは今私には友達とか家族とか自分が信頼して安心していられる居場所があるからで
その頃は,その小学校が,というより,自分のいたクラスだけが世界で
そこに居場所がなければ この世界のどこにも自分の居場所がないのと同じで
今思えば結構精神的に辛かったと思う。
どこにも書いたことないし,言ったこともないけど,
まぁ1ミリも勇気はないし本気じゃなかったけど 
ここからいなくなった方が幸せなんかな〜とか思ったりしてた。
(直接的な表現は心が痛くてできない)
そう思ってた時期を超えた頃には,
“人はみんな嫌なことがあったら消えたいと思うことはあるだろうし,
ちょっとかわいそうな自分に酔ってたんだなきっと”
くらいに思ってたけど
10年経った今考えると
それから,消えちゃいたいなんて頭によぎることなんてなくて
すごく辛い,悲しいこととか,忙しくてきつい時とか
たくさんあったけど,そんなこと一回も考えたことなくて
あの時の私の精神状態は思ったより大丈夫じゃなかったのかもしれないと気づいて
今自分が人生を楽しく過ごすことができていて
本当に良かった。
あの時私をいじめてた子は何も覚えてないだろうし,
インスタで恋人と幸せそうな写真載っけてるけど
綺麗事じゃなくてなんか,不幸になればいいのに!とかは思わなくて
でもただなんか,なんで勝手に幸せそうになってんだろって思っちゃう。
別に同窓会とかで会っても話しかけられれば普通に話すし
いじめといっても一瞬だったし,もっと辛い思いをした人はたくさんいると思うけど
私の心に消えない傷を残したことは多分一生忘れないと思う。
~~~

話は戻って,いやまた私の話なんだけど,地域格差ってやっぱりすごくて
私は学びたいことがあって地元から上京して,留学にも行かせてもらって
周りの人に感謝しかないんだけど,
違うのが当たり前と分かって海外に行った時より,
同じ日本なのにこんなに違うのか,って
上京した時の方がカルチャーショックを感じたのを今でも覚えてる。
もちろん地元にいて何もできないかと言われればそれは違うけど
東京には本当にいろんな人がいていろんなものを追いかけてて
いろんな色が個性として輝いてて
私は周りに合わせて,あまり自分を出すことができないから
東京に来て自分を自分だと思えたから,東京に来てよかった。

沖縄のシーン
私の中の沖縄は,沖縄というか南国は
現実を過ごしているんだけど,現実とは違う,静かで温かな幸せがあって
多分吉本ばななとかさくらももこが提供してくれる南国のイメージから来てるんだろうけど
そういう,絶対に壊れない,確かな安心の場所なんだけど
でもこの映画ではその沖縄で,幸せのイメージとはかけ離れた出来事が起きちゃって
かなり衝撃だった。
私の中の沖縄のイメージが(私が勝手に作り上げただけだけど)崩れてしまった。
そうだよね現実はそんな綺麗なことだらけじゃないよね。
全く関係ないけど,沖縄語の授業とったことがあって,島のおじいちゃんの話してるの
すっこーーしだけ分かったから,こんな時に学びが活きるなんて!と感動した。

あとは,有名な役者さんたくさん出てるのに全然最初気づかなくて,
途中ずっと,市原隼人に似てるな〜高橋一生みたいな顔だな〜とか思ってたら
みんな本人だった笑
市川美和子さんが醸し出す雰囲気が恐ろしく美しい。

もう一度観ますか。と聞かれたら,はい!と元気よくは言えないけど
確実に人生の中で出会えてよかった映画だと思います。

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