元彼を忘れなかった2年間

人生の転機となった失恋だった。

10代後半の頃、4ヶ月だけ付き合ってフられた。
でも実際付き合い始めてから会ってたのは1ヶ月半ほどそのあとは音信不通だった。

彼とはバイト先で知り合った。彼は既にそこのバイトはやめていたが、店長が「人いなさすぎて困ってるから1日だけ手伝って!」と言われて仕事しにきた人でたまたま時間が被った。
わたしは最初彼のことが好きではなかった。
相手は最初からタイプだったみたいで、そこから好き好き攻撃が始まって、最初は困るなぁ・・・と思っていたわたしの心を一転させて付き合うことになった。

彼は若くして実業家で、仕事が大好きだといつも言っていた。
彼のことが好きではなかった頃は仕事の話ばかりする彼に対して
「自分の話多すぎてしんどいなこの人・・・興味ない・・・」
と思っていたけれど、好きになってからは「仕事が好きなあなたが好き♡」と思った。

付き合ってからも好きだ好きだと愛情表現してくれたことがとても嬉しかった。
毎日LINEも電話もしてくれて嬉しかった。

嬉しかったのに、わたしはそれに対してひどい態度ばかり取っていた。
せっかく好きだ好きだと言ってくれるのに、特になにも感じていないような態度をしていたのだ。

だから彼は徐々に連絡をしなくなって、でもわたしは内心では彼のことが大好きだから「どうして連絡くれなくなったの・・・?」と長文で自爆した。

ごめんね。と一言きて、そこから2ヶ月ほど、連絡がくることはなかった。

あの時のわたしはどこかで「最初に好きになったのはあなただから」という理由で相手が好きでい続けてくれることも連絡をしてくれることも当たり前だと思っていた。

連絡がなければこちらからすればいいのに、いつも連絡をくれたのは彼のほうだったから自分からすることができなかった。

そこからネットで「彼氏 音信不通」とか「音信不通 気持ち」とかとか調べまくった。
今の自分が当時の自分を見たら
「シンプルにお前のことが好きじゃなくなったから連絡しないだけだよ」
と言うけれど、当時のわたしはネットにある都合のいい情報を信じて
「彼は今仕事が忙しくて女にかまう余裕がないだけ。仕事と恋が両立できないタイプなの。仕事が落ち着いたらきっと連絡をくれるはず。だから連絡がくるのを待っていよう」
と思っていた。

そう思い込むまでに時間はかかったけれど、そう思い込むようになってからは作為的に前向きだった。
でもやっぱり夜になると不安になったりしたけれど。

そして、健気に連絡を待って2ヶ月半後のとある日の朝に連絡がきていた。

「連絡しなくてごめんね。別れよう。今までありがとう!」

「わたしたちの愛が本物ならきっと連絡してくれる・・・」
なんてものは幻想だった。

数ヶ月会ってないのにこの一文がきて一瞬で目が覚めて
「え?なんで・・・」と返信したり電話したりしたけれど応答なしだった。

気が動転して会ってなくてもずっと手首に付けていたお揃いのブレスレットを外して捨てた。
そしてラインの連絡先も消した。

失恋あるあるだと思うんだけど、フられたその日には「意外に大丈夫かも?」と思うけれど、次の日の朝が現実を突きつけられてやばい。死ぬ。

どんだけクソなわたしでも「別れないで!!考え直して!!」と命乞いすることはできなかった。
別れたいと思っている人にそんなことは言えなかった。

そこから数ヶ月は彼を忘れたくて必死だった。

「わたしはこれからの人生一生ひとりだ。わたしを愛してくれる人はいない」と悟ったわたしは、
「ひとりで生きていくんだ。手に職をつけねば。」
となって周りのみんなが夏に終えていた就活をやっと始めたのだった。

そんな風に過ごしていても、3ヶ月くらいは毎日泣いていた。
彼にフられたことよりも、最初からわたしが素直になっていたらこんなことにはならなかったかもしれないのにという後悔がすごかった。

秋冬だったので就活もなかなか終わらず、死にたくて仕方がなかったけれど、なんとか就職先が決まった頃。

当時やっていたアルバイト先に彼がいたのだった。
店長が研修でいなくてどうしても変わりがいないからということで彼が再び借り出されたらしい。
しかも二人きりのシフトだった。
え?死ぬ・・・

そういう時に限って暇で、気まずすぎて死ぬかと思っていたら
彼の方が沈黙を破ってきた。

「久しぶり。元気だった?」

そこからは付き合っていた頃と同じように普通に楽しく話せた。
夜まで一緒だったので、一緒に上がって焼肉を食べに行った。

すごく楽しくて、やっぱり好きだ、と思った。

付き合ってたときと何も変わらなかった。
もちろん手を繋いだりはなくなったけれど、肩を抱いてきたり頭を撫でてきたり、全部が嬉しかった。
一度手出ししたものはいつでも俺のもんだと思っていないかい?
期待させるようなことすんじゃねえ〜〜
とは思ったね。

一緒に駅まで歩いていて、寒そうにしていたらマフラーを貸してくれた。
あの時と変わらない香水の匂いがするマフラーにときめいて苦しかった。
駅で別れるときにマフラーを返そうとしたら「今度でいいよ」と言って拒んできた。

それえってオイラとまた会いたいと思ってるんじゃないのお〜???!!!

電車に乗った瞬間、たまらず泣いた。
やっぱり好きだ・・・とどうしようもく思ってしまったから。

でも彼にとってわたしはただの昔の女で、それ以上でもそれ以下でもないのはわかっていた。
期待しちゃいけない期待しちゃいけない期待しちゃいけない期待しちゃいけない期待しちゃいけない期待しちゃいけない期待しちゃいけない期待しちゃいけない・・・と念じた。

念じていたら彼から「今日ありがとー!」とラインがきた。

わたしは別れた日にすぐに連絡先を抹消したのに、また連絡先が戻ってきてしまった。
もしも神様がいるならばこう言いたい。

神様へ
忘れる努力真っ最中で頑張ってきたんですけど、また再会させるってどういうつもりですか?
わたしより

そんなわけでまんまと「やっぱり好きですううううう」モードになってそこから自分の恋心との長い戦いが始まった。。

目標は「また好きになってもらう」

なぜか彼もたまにバイト入っていて、かぶることがあったのでその帰りにはよく飲みに行った。
それ以外でも、定期的に飲み行こうとか誘ったりしたけれど、最初のほうは乗ってくれたけれどだんだんと返信がこなかったりドタキャンされることが多くなった。

それでも諦められなかった。

彼は仕事が好きだったからビジネス系のセミナーに誘ってみたり、
彼が今後持ちたいと思うかもしれない電子タバコをプレゼントしたり、
リラックスできるかもしれない温泉に誘ってみたり。

あの手この手で誘って、たまに会えたときは嬉しかった。
今日楽しんでもらえたら見直すきっかけになるかもしれない、なんて会う前はいつも思っていたのに

わたしはどんどん喋れなくなっていった。

彼と対面する時間はずっと話題を探していた。
彼はよく喋る男だったけれど、それでも沈黙が多くなっていった。

緊張して萎縮して、何か話さなきゃ・・・と思ってもなにも話せない。
会えて嬉しいのに、会うたびに全てが裏目に出ていた。

わたしたちは合わない、話題も見つからない、好きになってもらえない、と思っているのにどうしても諦められなかった。
気持ちが自然になくなるまで、諦めたくなかった。

しかしそこでメソメソしているわたしではない!!
彼への片思いセカンドシーズンをしつつも、並行して新規の出会いも探していた。

彼への片思いがはじまって1年半経つ頃、出会った男と徐々に恋仲になっていった。

恋仲になるとは思わなくて、元彼がまだ好きだということは話していたけれど、徐々に話さなくなった。

新しく出会った彼への気持ちが「大好き」に変わったときも、
やっぱりどこかで元彼のことも諦め切れていなかった。
というか、考えることが癖になっていた。

そう思っていても、結局半年以上会えずにいつの間にか元彼のことは考えなくなっていった。
そこでやっと、わたしの片思いは終了したのだった。

あの時のふたりがダメになって神様がチャンスをくれた期間も、二人の相性もあるけれどほとんどわたしのせいだった。
あの時のわたしと今のわたしは180度違う。
彼にしてあげられなかった後悔を、今の恋人で成仏させている。

今思うと、彼のことを考えるたび苦しくて泣いてばかりだったあの日々はフられたことでプライドが傷つけられて、そのせいで執着していたんだと思う。
自分的には復縁!!というよりは「また好きになってもらお♡」っていうスタンスだったけど、きっとどこか作為的だった。

あの失恋、片思いの経験があったから今の恋人に愛されている。
あのままフられなければきっと就活も始めていなかったし、将来のことも考えていなかったかもしれない。

だからあの経験があってよかった・・・・・

とはならない。苦しい思いはするもんじゃない。
今がどんな風だとしても経験したくなかったNo.1です!!!!

結局、好きなのに無理に諦めようとしても苦しいなら
好きなことを認めてまた好きになってもらえるようにがんばる
のが一番明るい復縁への道のりだと思う。(新規出会いゲットの同時進行は忘れずに)

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