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東大生の1Aから挽回する基本平均点向上テクニック



はじめに

 今日(2023/09/28)、東大の1、2年生の原評価が公開された。特に、1年生は入学して初めての原評価公開なので、自分の点数をどう捉えたらよいかわからない人もいるだろう。
 ネットで調べると、一般に東大生が進振りに臨む際の基本平均点は約75点とある。実際、私と同年度に入学したEzumi氏が書いた『詳説履修の手引き』には、

なお,2S 終了時点での基本平均点は平均して 72~74 点くらいになります.

『詳説履修の手引き』 

とある。

 これを見て、1Sの基本平均点(※0点参入なし)が平均点以下、つまり70点台半ば未満だった1年生は不安に思うかもしれない。ご存知の通り、東大の進学選択(いわゆる『進振り』)は基本平均点ないしそれに準ずる指定平均点により進学できる学部、学科が大きく変わるからだ。しかし、諦めるのはまだ早い。1Aと2S次第では、大幅に基本平均点を上げられる。

 実際、私も1Sの基本平均点が70点未満だった。しかし、1Aと2Sでうまく対処したことで、最終的に1Sから8.13点上がり、運にも恵まれ第一志望の理学部情報科学科に内定できた。ちなみに、各学期での基本平均点の推移は以下の通りである。

1S:69.2点→69.4点(追試合格によるもの)
1Aのみ:79.16点
2Sのみ:83.3点
1S+1A:74.32点
1S+1A+2S:77.33点

 また、私が聞いた話によれば、基本平均点は最大で10点程度上げられるらしい。実際、私の所属するサークルに、基本平均点をおよそ9点上げた先輩がいる。もしかしたら、人によってはさらに上げられるかもしれない。

 本記事では、主に1Sで基本平均点が60点台〜70点台前半だった1年生を対象に、2Sまでに基本平均点を上げるテクニックを、私の経験や他の東大生の体験をもとに解説する。
 ちなみに、60点未満の人にもかなり効果はあるはずだが、進振りには厳しい点数のままになると思われる。一方、75点以上の人に対しては効果はあまり大きくないと思われる。
 また、私は理科一類出身なので、同科類での履修をベースに書いていく。そのため、他の科類には当てはまらないかもしれない。
 さらに、正確な情報に基づき、正確な表現をすることを心がけるが、本記事をそのまま鵜呑みにするのではなく、各々で履修の手引きやシラバス、逆評定等を参照し履修を決めてほしい。


基本平均点を上げるためのテクニック

 ……を解説する前に1つ重要な心構えを記す。
 基本平均点を上げるためには、もちろん、各講義でなるべく高い点数を取るのが重要だ。ただ、最低でも前学期までの基本平均点を下回らないような点数を取るというのも同様に重要である。つまり、1Aでは1Sのみの基本平均点を下回らないように、2Sでは1Aまでの基本平均点を下回らないようにするべきである。実際にそれを達成できるかはさておき、このようにボーダーラインを設定することは、気持ちの面でそれなりに重要なことだと思う。


大鬼は回避せよ

 時代錯誤社が毎学期初めに発売する『逆評定』は履修を決めるにあたり大いに参考になる。そこで教員が大鬼あるいは閻魔と評価されている場合、教員と相性が合ったり、その科目が非常に得意だったりしない限り、まず高い点数は来ないと考えるべきだ。そのため、大鬼(あるいは閻魔)の教員の講義は、なるべく避けるべきである。

 そのような教員の講義が選択科目であれば容易に避けられるだろう。もしそれがクラス指定科目(いわゆる『準必修』)である場合も避けた方がいい。実際、私も当初2Sで準必修の基礎統計を取ろうと考えていたが、担当教員が大鬼だったのでやめた。その教員の基礎統計はサークルの同期からも『やめておいた方がいい』と言われるほどだった。

 しかし、『興味があり話だけでも聞きたい』などと思うことがあるかもしれない。その際は、聴講するのがいいだろう。その場合、成績がつかないので基本平均点にも反映されない。

 さて、それがもし必修科目だったら? 死ぬ気でやるしかない。実際、私は1Aの線型代数学②で、大鬼の教員に当たった。同教員の1S2の線型代数学①で落単し、追試でなんとか50可になった経験から、死ぬ気でやらないとヤバいと感じた私は、毎回の講義後、家で3時間程度復習した。そのおかげか、線型代数学②では優を取れた。このように、必修の大鬼(閻魔)教員の講義は死ぬ気でやって失点を最小限にすべきである。

※自主留年(あるいは降年)すれば必修科目の教員が変わる可能性があるので、時間とお金に余裕がある人はそうしてもいいだろう。


スポ身と実験は狙い目

 東大の成績評価には優三割規定という原則がある。これは、

原則として優と優上の割合が3割程度(30%以上40%未満)となるように評価する。

というものだ。ただし、『原則』とあるようにこの優三割規定が当てはまらない『例外』の講義が存在する。それは、次のようなものである。

  • 実験や実習

  • 20人未満(注1)の講義

  • その他(シラバス等で要確認)

※注1 人数については様々な説がある。後期教養では20人以下のようだ。https://www.c.u-tokyo.ac.jp/fas/7-shinseisekihyouka.pdf
詳しくは教員に尋ねてみよう。

 以上のどれか1つでも満たせば、そのような講義に優三割規定は当てはまらない。そのため、理論上全員が優上になることもある。

 さて、その中には、点数の出る必修科目もある。理科一類の場合、その中でも狙い目なのは、次の2つだ。

  • 身体運動・健康科学実習(いわゆる『スポ身』)

  • 基礎実験I,II,III

 以上の講義は、あくまで肌感覚だが、普通に履修すれば、まず80点を下回ることはない。通常講義とは違い単位数は半分だが、誰でも優以上が望める数少ない講義だ。基本平均点がヤバい人はこれで低得点を取ることは絶対に避ける必要がある。次にそれぞれの講義を履修する際の注意点を記す。

 スポ身で一番重要なのは、遅刻・欠席をしないことである。とりあえず全部出席すればまず落単することはない。次に、課題をすることである。この2つを守れば、よほどのことがない限り、優以上は取れる。
 ちなみに、スポ身でスポーツを選ぶ際は、自分が得意なものを選ぶのがよい。なぜなら、スポ身で優上を取る人は、そのスポーツの経験者か運動神経のいい人にほぼ限られるからだ。その他の人は、優は取れても優上は取れないことが多い。そのため、高得点を狙いたい人は、迷わず自分の得意なスポーツを選ぶべきである。

 基礎実験だが、私は1Aで物理、2Sで化学を取った。そのため、生命科学実験には以下で述べることに当てはまらない可能性があることに留意してほしい。
 基礎実験も、重要なのは遅刻・欠席をしないことだ。そして、スポ身とは違い、毎回の課題をきちんとやって提出することも同様に重要である。この2つを守れば、基本的に優以上は取れる。
 ちなみに、化学の方が物理よりも圧倒的に(作業量的に)楽である。化学は教科書付属のワークシートに記入し、軽くノートに予習するだけなのに対し、物理はノートにボールペンで延々と教科書の内容を写経させられる。そのため、よほどの事情がない限り、1Aで化学、2Sで物理を履修することを強くお勧めする。私はこれを知らなかったため逆にしてしまい、たいへん苦労することになった。

※2Sにも総合科目D系列でスポ身が開講されているが、教員によっては良が来る場合があるらしいので、自信のあるスポーツでない限り受講はお勧めできない。逆に、得意なスポーツの講義が開講されているのなら受講するべきだと思う。

※2S2にも実験が開講されているが、点数が来るのかどうかは知らない。実際に受講した先輩に聞いてほしい。

☆追記:Xでフォロワーから情報をいただいた。その方によれば、化学の場合はかなり優が来やすいそうだ。ただし、任意選択の基礎科目として重率が0.1となるので、基本平均点が大きく上がることはないだろう。

※優三割規定が無いために、逆に基本平均点に悪影響を及ぼすこともある。詳しくは『優三割規定がない講義を選べ』で述べる。


興味のある講義を選べ

 選択科目を選ぶ際、興味のある内容の講義の方が、モチベーションが上がるはずだ。そのため、興味が湧かない講義に比べれば、きちんと講義を受けるので点数が高くなるだろう。

 ちなみに私の場合、A〜D系列を埋める際、近代の歴史が好きだったので、1Aでは国際関係史、2Sでは近現代史を選択した。また、E,F系列は、宇宙系に興味があったので、1Aでは惑星地球科学I(理科生)、2Sでは宇宙科学I(理科生)を選択した。その結果、重率1の総合科目はすべて80点以上に揃えることができ、非常に満足のいく結果となった。


1限はやめとけ

 中学・高校までは余裕だったのに、大学生になった途端に大半の人ができなくなるのが1限への出席だ。ただ、東大の場合、1限の開始時間が8:30とかなり早いのでやむをえない側面もある。実際、私の母校よりも1限の開始時間は早い。しかも私の場合、通学時間が長いので5時半起きとなってとてもつらい。

 大半の人は私ほどではないと思うが、1限に出席するのがつらいと感じる人はやはり多いと思う。その結果、1限に遅刻、欠席してしまったり、出席できても眠くて授業に集中できないなどの弊害が起こりうる。さらに、もしその講義が期末試験を実施した場合、ほぼ確実に同じ曜日の1限に試験が入ることになる。そのため、朝が得意でない限り、1限に抗議を入れるのはやめておいた方がいいだろう。


優三割規定が無い講義を選べ

 先に説明した通り、優三割規定には例外が存在する。もう一度確認しよう。

  • 実験や実習

  • 20人未満の講義

  • その他(シラバス等で要確認)

 先ほどはスポ身と基礎実験のみ説明したが、他にも優三割規定の例外となる講義は存在する。例えば、実習であれば総合科目E系列の宇宙科学実習や惑星地球科学実習などが該当する。また、少人数になりやすい講義はD,E系列に多い印象がある(実際にどの講義が少人数になるのかは、シラバスや逆評定等を参照してほしい)。
 優三割規定が無いということは、極端な話、受講している人全員が優上を獲得できる可能性があるということだ。そうでなくとも、出席してリアクションペーパーを毎回書くだけで優がもらえる、という講義は存在する。そのような講義を選択するのも1つのやり方だ。

 ただし、1つ注意してほしいのは、『優三割規定がない』≠『楽に優以上をもらえる』ということだ。優三割規定は、『優以上を30%以上40%未満に制限する』と捉えられがちだが、『優以上の人数が30%以上40%未満になることを保証する』と捉えられる。つまり、極端な話、優三割規定が無いため、全員不可になることもあるわけだ(もし実際にやったらその教員は当局に怒られるだろうが)。そうでなくとも、優三割規定が無いのに良や可しか取れなかったという事態は起こり得る。そのため、優三割規定が無いからといって安易に受講を決めるべきではない。


過去問のある講義を選べ

 成績の評価方法は講義によって様々だ。出席、レポート、中間試験、期末試験、発表など多岐に渡るが、この項では主に試験で評価される講義の話になる。

 基本的に、試験の出題形式は教員に依存するといってよい。そのため、その教員が担当した同講義の過去問をどれだけ手に入れられるかというのも重要な項目だ。当然、過去問が出回っている教員の講義を履修するのが望ましい。一方で、テストの解答欄を問題用紙と同じ紙に載せるため、試験の時に問題用紙が回収されてしまい過去問が存在しない、という教員もいる。そういった教員の講義はできるだけ避けるべきだと思う。

 ちなみに、過去問が存在するかどうかの確認は、学生会館315号室の学生自治会で確認できる。試験前にしか行かないという人も多いだろうが、それ以外の時期にも開室しているので、時間があれば調査するのをお勧めする。

https://todaijichikai.org/利用案内/窓口サービス/

 また、もし学生自治会に過去問が無くても希望を捨ててはいけない。同クラやサークルの先輩や同期、同じ高校出身の先輩などに尋ねてみよう。また、フォロワーが多い人であれば、Xで呟くと心優しい人が過去問をくれる場合もある。


得点期待度に注目

 ここまでに何度も登場している時代錯誤社の『逆評定』だが、教員の『鬼仏度』やコメントに注目しがちで、他の評価項目を見ていない人も多いのではないだろうか。実は、基本平均点を上げたい人にはぜひ注目してもらいたい項目が、右上のA〜D評価がついているところに存在する。

 それが『得点期待度』という欄だ。逆評定の最初のページの凡例の⑥(上部の小ボックスの右から7番目)に当たる項目である。凡例には次のように記載されている。

A:優が押し寄せる
B:優が狙える
C:良がやっと
D:可しか来ない

逆評定(2022Aセメスター版)より

 個人的にはD評価がついている教員は受講をやめておくべきだと思う。C評価もできれば避けるべきだと思う。少しでも点数を上げるためには、A評価やB評価の教員の講義を選ぶのがよいだろう。


履修点を獲得せよ

 一部の学部学科では進振りの際に『履修点』なる加点制度を導入している。これは、文字通りその講義を履修するだけで基本平均点あるいは指定平均点に一定の点数が加算されるというものである。つまり、50点以上で得単すれば、原評価の他に無条件に加点されるのだ。もし自分の進学したい学部学科がある程度決まっている場合は、履修点が加算される講義を受講することを強く推奨する。その中には、Aセメスターにしか開講されない、すなわち1Aにしか履修するチャンスがないものも含まれているので要注意だ。

 例えば、工学部の以下の10学科

  • 機械工学A

  • 機械工学B

  • 精密工学

  • 電子情報工学

  • 電気電子工学

  • マテリアル工学A

  • マテリアル工学B

  • マテリアル工学C

  • 応用科学

  • 化学システム工学

では、進振りの全ての段階において、以下の4つの総合科目

  • D系列『現代工学概論』

  • D系列『環境・エネルギー工学概論』

  • E系列『物質・生命工学概論』

  • F系列『情報システム工学概論』

の修得に対し、いずれか1科目を履修点として(工学部平均点に)0.1点が加点される。しかも、これらの講義はAセメスターにしか開講されない。実際、私は1Aの履修登録直前にこのことに気づき、慌てて『環境・エネルギー工学概論』を受講した。この講義は金曜2限のオムニバス形式の講義で、全て出席しレポートを3本提出するだけで優がもらえたので、個人的にはお勧めである。

 他にも教養学部や理学部の一部学科にも同様の履修点の加点制度があるので、それらを志望する人は『履修の手引き』を参照しこのような講義を履修するのがよいだろう。


無理そうならすぐ切れ

 1Aが始まっても履修登録まではしばらく猶予がある。そのため、週1の講義であれば2回、週2の講義であれば4回程度までは履修登録をせずとも講義を受けられるだろう。

 この期間でやるべきなのは、『本当に自分はこの講義でやっていけるのだろうか?』と自問自答することである。教員のやり方は自分に合っているか? 内容は難しすぎないか? 前評判の通りの授業か? 課題が難しすぎないか? など、少ない回数だが、その講義で本当にやっていけるかよく吟味することが重要だ。そして、無理そうだと判断したら、迷わずに切るべきだ。基本平均点に余裕があるのなら受けてもいいだろうが、それが低いのなら、点数を少しでも落としそうな行為は慎むべきである。一度出席した講義を切ることに抵抗がある人もいるだろうが、ここは強い精神力をもって決断することが大事だ。

 私の場合はこれができなくて失敗した。1Sの記号論理学I(理科生)で、初回からよくわからない話を聞かされて無理そうだと思ったのに、ずるずると受講を続けた結果、切る機会を逃して履修登録をしてしまい、期末試験で何もわからず不可を取ってしまった。

 ちなみに、聴講という選択肢があることも再度強調しておきたい。


2Sには入れすぎるな

 1Aが終わると、ほとんどの人は必修科目を除けば『進振り可能条件』を満たしているだろう。もしかしたら、『前期課程終了要件』をも満たしているかもしれない(この2つは異なるので注意すること。詳細は履修の手引きを参照すること)。そのため、取るべき総合科目の数もかなり少なくなっているはずだ。さらに、2Sは一般的に必修があまりない。実際、理科一類は必修が2S1では週5コマ、2S2は0コマである。

 ここで、せっかく暇になったのだから総合科目をいっぱい入れようと考える人もいるだろう。しかし、基本平均点を上げるという観点から、その行動は悪手だと私は思う。

 初めに書いた通り、高得点を取るのと同じくらい、前学期までの基本平均点を下回らないような点数を取るということは重要だ。そのため、むやみやたらに総合科目を取ってしまうと、これまでの基本平均点を下回る点数を取る可能性が高くなり、たとえ追い出せたとしても足を引っ張る可能性も高くなる。

 そのため、2Sでは総合科目を少なめに取って、その分勉強に注力して高得点を狙う、という戦略をとるべきだと私は思う。理科一類の場合、進振りに参加するには総合科目のA〜F系列は合わせて12単位以上を取る必要がある。単純に2Sでそれらを全て追い出すとしても6コマ程度になる。2Sでは多くても総合科目はこれくらいに抑えるべきだと思う。

 私の場合、2Sで取得した総合科目は3コマだけだった。そのうち2つは優で1つは良だった。いずれも1Aまでの基本平均点を下回ることはなかったので、戦略通りの結果だった。


成績を上書きせよ

 これも主に2Sの話になる。
 もしかしたら、1年生の中には、1Sの英語中級(あるいは上級)で、1年生ばかりの教室に2年生がいることを疑問に思った人がいるかもしれない。これは、おそらく英語中級(あるいは上級)の成績を追い出そうとしている人だと思われる。

 実は、英語中級と英語上級は、『追い出し』が可能である。つまり、英語中級や英語上級は、別の英語中級や英語上級の講義で追い出せるのだ。

 詳しくはUT-BASEの以下のQ&Aを見てほしい。

 また、1Sで不可あるいは欠席(いわゆる『撤退』)により単位が取れなかった総合科目A〜F系列は、1A以降の同名の講義を取ることで100点を上限とした再履修ができる。この場合、点数を上書きできるので、追い出すことなく点数を上げられる。別の講義で追い出してもよいが、その場合、元の講義が重率0.1がかかった状態で残るので、よほどの事情がない限りは再履修することをお勧めする。

 ただし、L系列は追い出しや上書きの条件が複雑なので、各自で履修の手引きやUT-BASEの質問箱などを検索して理解してほしい。

 ちなみに、私は先ほど1Sで記号論理学I(理科生)が不可だったと書いたが、もはや自分には記号論理学は向いていないと悟り、再履修はしなかった。


最終手段・自主留年

 これは最終手段として考えてほしいのだが、どうしても成績が振るわない場合は、1Aが終わった後に自主留年してもう一度1Sからやり直すという手段もある。その場合、同じことを事前知識ありの状態でまた最初から学ぶ、いわゆる『強くてニューゲーム』な状態になるそのため、いい点数を取れる可能性は高くなる。

 ただし注意してほしいのは、点数がリセットされるわけではない、ということだ。あくまで、留年・降年前に比べてよい点数をとった場合は、同一名称の科目の点数の上書きができる、というだけで、1年目より低い点数を取ってしまったら点数は上がらない(注2)。また、自主留年した結果、必修で大鬼に当たってしまうこともありうるので、かなりリスキーな手段であることを頭に入れておいてほしい。

※注2 履修の手引きには次のように記載されている。

留年・降年した場合、それ以前に履修科目登録していた展開・総合・主題科目のうち、成績評価が『欠席』の科目は基本平均点・指定平均点に参入されない。

令和4年4月版 東京大学教養学部前期課程 履修の手引き P57

 ちなみに、自主留年する人は少なからず存在する。私のクラスにも1つ上の代から自主留年してきた先輩がいた。また、自主留年して1Sで無双しているサークル同期もいるので、うまくいけば基本平均点をかなり上げられると思う。時間的にも経済的にも余裕がある人は検討してもよいだろう。


おわりに

 これまで様々なテクニックを紹介してきたが、その中には納得できるものもあれば、納得できないものもあると思う。いずれにせよ、本記事が基本平均点の振るわない1年生の、これからの履修の指針の一助になれば幸いだ。


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