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薬をもらった安堵で大号泣した話
私にはアーモンドアレルギーがある。
絶対に食べられない。
アーモンドは豆粒のままなら避けられる。
砕いたアーモンドやアーモンドスライスも目視できれば避けられる。
ただ、アーモンドプードル。これだけはたまに避けられないことあるがある。
年度末、職場では別れの季節。
菓子折りが飛び交い、差し出されたのは包装も何もされてない、箱に入った生身のカヌレ。
これがダメだった。
カヌレは食べたことがあったので、大丈夫だろうと思って食べた。
大丈夫じゃなかった。
その店のカヌレにはアーモンドプードルが使われていたんだなあ。
食べて飲み込んですぐくらいに口の中が痒くなった。
やばい、と思った。
退勤時間まで2時間。
症状に耐えることは不可能。腹部を激痛が襲う。
速攻で上司に事情を説明し、退勤した。
そして職場から1番近くのアレルギー専門内科に飛び込んだ。
これまで私は病院でアレルギー検査は何度も受けていたが、症状が出た時の薬を処方されたことは一度もなかった。
大学生の時にアーモンドを食べてしまい苦しんでいたところ、周りが慌てふためいて救急車を呼び、大病院に運ばれたこともある。
そこでも点滴を受けただけで、薬については何の説明もしてもらえなかった。
どこに行っても薬がもらえない。
今まで症状が出るたびに、耐えるしかなかった。
死にそうになるのに。
診察の時、そうした経緯と、ずっとどうしたらいいのかわからなかった。という話した。
この後先生は薬を出してくれた。
初めて薬を処方された。
症状が出た時に飲む薬だ。
薬局で薬をもらって家に帰る時、私は車を運転しながら泣いた。わんわん泣いた。号泣した。
やっともらえた薬。
安堵で涙が止まらなかった。
そして、これまで自分がこんなに心を擦り減らして耐えていたことに初めて気づいた。
こんなに涙が出るなんて思わなかった。
生まれてこの方ずっと、我慢するしかなかったから。
それ以来、症状が出たことはない。
今までどおり、細心の注意を払って生活している。
でももし、また症状が出てしまっても薬があるから大丈夫。
ありがとう、お薬。
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