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リモートワークでも心身の健康を保つためにいかに運動を継続するか

この記事はUMITRON Advent Calendar 2021 25日目、最終日の記事です。

はじめに

こんばんわ。UMITRONのCo-founder / CTOの岡本(@um_takuma)です。今年2回目の記事になります。Advent Calendar開始当初は空白がいくつかあったのですが、いつの間にか全日埋まりました。開始当初に手を上げてくれていなかった人も後から参加してくれたのは予想してなく、やってみないとわからないことでした。内容もエンジニアリングだけでも多岐に渡って個人的に読んでいても面白いなと思いました。

Advent Calendar 25日目はリモートワークでも心身の健康を保つためにいかに運動を継続するかという内容をお届けします。最初は最終日ということでもっと総括的な内容を書こうかなと思っていたのですが、2日分記事を書くなら1つくらいはすごく個人的な内容を書いてもいいんじゃないかと思ってこのような内容になりました。なので会社のAdvent Calendarとしてふさわしいかは人によって意見が分かれるところかもしれません。(書かなかったら枠が1つ空くだけなのでマイナスにはならないと信じてます)

リモートワーク

ウミトロンのリモートワーク

弊社も今回の感染症対策として全面的にリモートワークに移行し、今後も継続していく予定です。ただし事業ドメインが水産養殖であるということ、扱うプロダクトにハードウェアがあるということで完全なるリモートワークにはできないというのが現状です。そこでウミトロンではリモートワーク+出張というハイブリッド形式で業務を行っています。出張で実際に養殖場へ行ったり、ハードウェアの生産で工場に行ったり、スーパーなどの魚の売り場に販促として行ったりして、そこでオフラインのコミュニケーションが生まれます。オフィスに行くより現場へ行こう、というやつです。

このようなリモートワーク体制への移行ですが、もともと日本とシンガポールの2拠点にオフィスをもって事業をしていたこと、頻繁に出張があってオフィス以外の場所で作業することがあったことから業務において何から何まですべて変えなければいけないというわけではありませんでした。もちろんコミュニケーションの設計などで変えたことはたくさんありますが、他の会社と比べてすごく特別なことをしているという訳ではありません。またこのような事例はいろいろとノウハウがオープンにされているので、参考にしつつ少しずつ対応していきました。

個人としてのリモートワーク

個人としても初めてのリモートワークになり、いかに適応するかいろいろと試行錯誤しました。自分は今までスポット的に家で仕事をすることはあっても長期のリモートワークというのはしたことがありませんでした。業務においてはもともとソフトウェアエンジニアとして自宅でも対応できる環境は整備されていたのでそこには問題はありませんでした。課題として現れたのは仕事内容よりもリモートワーク下での心身の不調が一番の問題でした。なぜ不調が起きたのか、どう対応したのかについて運動という側面から書いていきたいと思います。

いかに運動を継続しようとしたか

リモートワーク前の運動

自分はもともと健康には気を使っていて定期的に運動する習慣がありました。もともとは過去に健康診断に引っかかった経験やダイエットのために始めたものですが、運動には人間のメンタルを安定させる効果があると知ってからは肉体的には異常がなくても継続するようにしました。スタートアップのようなストレスがかかる環境にいるのもあり、運動は仕事のパフォーマンスを保つためにも欠かせないものだと考えています。

リモートワークが始まる前の運動で一番継続していたものは、ウォーキングとランニングです。平日はオフィスに徒歩で40分かけて通勤していました。休日も土日どちらかは5km程度のランニングを行うという生活をしていました。自分はもともと運動が苦手な方で学生時代はクラスで下から数えて2,3番目くらいの位置にいました。なのでジムにいって筋トレを人目のあるところでするということにはかなり苦手意識があります。なので心身の健康を保つという意味ではこれくらいの負荷のものを続けるのが一番あっていると思っていました。(筋肉をつけたいわけではなく、健康でいたい)

しかし、コロナ下でリモートワークになりこれらが以前のように続けることが困難になってしまいました。通勤でのウォーキングもなくなり、ランニングを行うハードルも高くなってしまいました。(マスクをつけてランニングをしたこともありましたが、単純に呼吸がきつかったのと他にもランナーがいたため積極的に行おうという気持ちにはなりませんでした)

このように継続して行っていた運動習慣が全くなくなってしまったことにより、暫く経つと心身に不調が現れてきました。なんとなく仕事に集中できない、夜もなかなか眠れない、生活リズムがどんどん崩れていく。これにかなりの危機感を感じ、運動の習慣を取り戻すためにいろいろと試行錯誤を始めました。


RFA(リングフィットアドベンチャー)

コロナ化で外へ出るのがためらわれる中で室内で継続してできる運動はないかと考えたところ、コロナ前に購入していたNintendo Switch用のゲーム、RFA(リングフィットアドベンチャー)を毎日やることにしました。もともとゲームとして興味を持って購入していて、一番興味を持っていたのはゲームなのにめちゃめちゃしんどいというところです。実際にやってみるとかなり負荷が高く十分に運動として成り立つものでした。

しかし、これは長期間継続することはできませんでした。理由としては2つあって、1つは毎日継続するには時間がかかりすぎること。ゲームを始めるためにコントローラをセットしてゲームを起動して、と運動に取り掛かるまでに時間がかかります。2つ目はゲームを進行することが目的になってしまい、運動にとって最適でない行動をする用になってしまったことです。このゲームでは進行上、自分で行う運動を選べるのですが、その運動の種類によって負荷が全然違うため、ゲームの進行を意識すると自分のスタミナを温存するために楽なものを選んでしまうインセンティブが発生してしまいます。(個人的にスクワットが他の運動に比べて異常にきつい)このようなことから運動負荷という意味では十分でしたが、運動を継続するという目的に対しては自分にとっては適切ではありませんでした。

プリズナー・トレーニング

純粋に負荷の高い運動が室内でできる方法はないかなと探していたときにプリズナー・トレーニングという本を発見しました。この本はアメリカの監獄で囚人たちが自分の体を鍛えるためにやっていた自重トレーニング(器具を使わない自分の体重だけで負荷をかける筋力トレーニング)について書かれている本です。運動の種類は腕立て伏せ、懸垂、スクワットなどの6種類のトレーニングがそれぞれ10段階のステップについて書かれています。ステップ1が一番負荷が低く、そのステップのトレーニングが十分できるようになったら次のステップのトレーニングを行うというように段々とステップを上げていき最も負荷が高いステップ10を目指すというものです。例えば腕立て伏せでいうとステップ1は垂直な壁に向かって腕立て伏せをするという誰でもできるようなものですが、最終ステップは片手で腕立て伏せをするというとてもハードなものになっています。

このトレーニングはかなり継続することができました。6種類のうちの最初に取り組むべき4種類を毎日1種類ずつ順番に行っていきました。段々とステップが上がっていくのも楽しく、負荷も十分でした。しかし、このプリズナー・トレーニングを継続するには大きな問題がありました。それは懸垂です。このプリズナー・トレーニングは自重トレーニングであるため基本的には器具を使用しません。しかし懸垂ではぶら下がることができる場所が必要になります。これは自分の室内にはなかったため、近所の公園の鉄棒を使って行っていました。自分の筋力ではステップ2の斜め懸垂がかなりきつく長期的に行うことになるのですが、やはり人目が気になるため人の少ない夜を狙って行っていました。それでも公園に行って人がたくさんいたり、他の誰かが鉄棒を使っていたりすると今日はトレーニングやめようと思ってしまいます。他にも雨が降ったりした場合もトレーニングができない理由ができてしまったりとして段々とローテが崩れていき気づいたらやらなくなってしまいました。

散歩(ウォーキング)

運動を継続することがいつも課題になるのでここは原点に返ってウォーキングをすることにしました。もともと通勤で行っていたことなので続けられるはず、ひと目を気にする必要もなく始めるためのハードルも低く継続するのには問題ないように思えました。

課題は運動負荷でした。リモートワーク前は一日合計80分間歩いていたわけですが、これを強制力のない状態で毎日同じだけの時間を捻出するのは至難の業です。朝10分、昼10分しかできないとなると夜に1時間以上歩く必要があります。リモートワークに慣れきった状態ではこの時間をウォーキングに割くのはもったいないという意識が強く、長時間歩くことを継続することはできませんでした。またコロナ化で外出するときはマスクを着用する必要があり夏場に外に長時間出歩こうというモチベーションを大きく削がれます。(冬場は特に気になりませんが)

しかし、散歩は運動というだけではなく、日光を浴びるといった効果などでメンタルの安定に非常に高い効果があるため、1日2回合計20-40分程の短時間は行おうと考え、現在も継続して続けることができています。(時間は気候によって変わります。) 散歩は短時間にとどめ、それ以外の別の運動を併用することで運動負荷を保とうと考えました。

エアロバイク

ウォーキングをしている時間にウォーキング以外のことが同時にできたら時間が捻出できるのではないか、夏場でもウォーキングのような運動が室内でできる方法はないだろうか、と考えた結果、エアロバイクを試してみることにしました。私が購入したのはデスクがエアロバイクについたものでデスクの上にMacbook ProやiPad Proを置くことができるものです。これを使えば仕事中や休日に他のことをしながらでも有酸素運動ができると思い始めてみました。

試してみると思惑通りにいった部分とそうでなかった部分が見えてきました。有酸素運動をする時間の捻出ですが、仕事中においては仕事によってできるものとできないものがありました。コードを書いたり文章を書いたりといった作業をするときはすべてできませんでした。自分がキーボードになにかを打ち込むという作業とペダルを漕ぐという作業はなかなか同時にできません。一方、ミーティングなどで喋ったり、人の話を聞いたりということはペダルを漕ぎながらでも案外できることがわかりました。ただそれでも深く考え込んだりするとペダルを漕ぐ足は自然と止まっていたりするので実際に漕いでいる時間はそこまで多くなかったりします。
夏場のウォーキングの代わりになるという部分もそのとおりでしたが、実際には夏場しかやる気にならないということでした。夏に冷房の効いた部屋で漕いでいると激しく漕がなくても時間が経てばかなり汗が出てきて運動したなという気になりますが、冬場の暖房の効いた部屋だとなかなかやろうという気には慣れませんでした。逆に冬場は外に散歩に行けばいいだけなので、ここは季節によって使い分けていこうと考えました。


HIIT (High Intensity Interval Training)

散歩と併用して短時間で高い運動負荷を得る方法はないかなと考えて以前もやったことのあるHIIT (High Intensity Interval Training) をすることにしました。HIITは高強度インターバルトレーニングのことで負荷の高い運動を短時間行い、その後短時間の休憩をする。これを1セットしてこれを繰り返し行うというものです。やる負荷の高い運動はいくつか種類がありますが、自分が以前やっていたのは一般的なバーピージャンプを20秒行い、10秒休憩する。これを8セット繰り返す合計4分間の運動でした。運動をするのに必要な器具もなく、4分間という短時間でかなり高い運動負荷を得ることができます。この記事に上げたすべての運動の中で一番負荷が高いです。(ランニングするよりもキツイ) ただこの運動は負荷が高すぎるゆえに毎日継続するという意味では難易度がかなり高いです。以前と同じように始めても継続できないのは目に見えています。

そこで今回は毎日継続することを唯一の目的として設定することにしました。毎日行うというのが大事なポイントです。やらない日を作るとやらない理由を作る事になり、いずれその理由が拡大され、やらない日が増えていき、全くやらなくなってしまうのが過去の経験からわかっています。そのため、回数のセットを半分の4セットを最大にすることにしました。この回数が運動負荷を十分得られて、かつ、毎日無理してでも行える上限だと判断しました。またどうしてもやる気がでない場合は4セットやらなくてもいいというルールを設けました。実際HIITでも1,2セット目は特にきつくないため、単純に行う心理的ハードルは下がります。また4セットよりも多くはやらないということも定めました。段々とセット数を増やして負荷を上げていくと向上しているという達成感は得られますが、回数を減らしづらくなるという心理が働き、減らすくらいならやらないという理由を作ってしまうことになります。

これらのルールを設定した結果、現在も毎日継続して行うことができています。

運動しているということを共有すること

運動を継続するのに別のアプローチ方法はないかと考えていたときに、比較的長く続いてたプリズナートレーニングはどの種類のどのステップをいつやっていたのか記録していたことを思い出しました。記録を付けることで自分が継続できているということが把握でき、その記録を伸ばしたいという欲求が出てきます。そこでHIITについても記録を付けることにしました。そしてさらに強制力を持たせるために、それを社内のSlackチャンネルに投稿することにしました。社内のSlackには運動を趣味とする人が集まるチャンネルがあります。そこに「今日もHIITをやりました。」と毎日投稿することで他の人に監視される状態を作り強制的に継続せざるを得ない状況にしました。ここで大事なのはHIITをやったという事実だけを書くことで何を何セットやったかということは書かないことです。自分の中で継続のためにセット数は妥協するというルールを設けたので、そのルールを崩すほどの強制力は持たせる必要はありません。

おわりに

このような試行錯誤を2年弱の間行い、現在では運動を継続するができるようになりました。著しい生活リズムの乱れが続くこともなく、仕事のパフォーマンスもリモートワーク前と同等のものがキープできているように感じます。

実際には運動以外にも睡眠や食事、住居環境などリモートワークに適応するために試して変化したことはたくさんありますが、全てを書こうとすると膨大な量になってしまうので今回は運動についてのみ書きました。

今後、何かの拍子で運動が継続できなくなりまた不調が現れることも十分考えられますが、そこでその状態を良しとせず、そのたびに試行錯誤し工夫していき変化し続けることが、生物が環境に適応してくことなのではないかと思います。

この記事の内容にどれだけの人が理解、共感してくれるかはわかりませんが同じようなことで悩んでいる人の助けになったら幸いです。


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