【夏の寝室環境は重要】
Umito / カラダ・コンサルティングの山本健太です!
理学療法士の資格を持って地域で予防の活動に取り組んでいます!
・睡眠について最低限知っておいてほしい情報
・睡眠習慣を見直す情報 を発信します!
前回は、季節による睡眠の変動についてお伝えしました。今回は、寝室環境が身体に及ぼす影響についてお伝えします!
睡眠中の体温調整
体温と睡眠の関係が深いことは、前回を含め何度もお伝えしてきている通り、睡眠が深くなるについて深部体温は低下していき、体温の上昇とともに目覚めていきます。夜間は、深部の体温を放熱するために手足の毛細血管における動脈と静脈の入れ替わり部分である「動静脈吻合」の血管が拡張し、皮膚温を上昇させることで外気温の熱で体温を下げようとします。
深部体温の下げ幅が大きいほど睡眠は深くなりやすいですが、夜間の寝室の気温が高いと放熱に時間がかかり体温が下がりにくくなってしまいます。また、夜間は発汗によっても体温を下げようとしますが、暑い寝室環境で汗をかきすぎるとさらに睡眠の質が下がる恐れがあります。
電気代が高騰する最近では、扇風機で乗り切ろうという方もいるかもしれませんが、扇風機の風が直接肌に当たるのはNGです。皮膚温が低下しすぎてしまい血管を狭くして放熱を避けようとする反応が起きかねません。冷房温度を高めに設定して、扇風機で空気を循環させることをお勧めします!
メラトニンへの影響
高温高湿環境と冷房環境下における睡眠の質を調査した研究があります。高温高湿環境では冷房環境下に比べて発汗量が2倍となり、直腸温(深部体温)が低下しなかったと報告されています。また、睡眠段階では段階4と段階2が優位に短くなり、睡眠段階1と覚醒の割合が有意に増加したとのこと。眠りは全体的に浅くなり、深いところまで行けない状態です。そのため睡眠効率は冷房環境下では93%なのに対して高温高湿では78%と引くい値となったようです。
そして、最も懸念されるのは高温高湿群では、起床時の尿中メラトニン排出量が有意に低くなったとのこと。夜間のメラトニン分泌が少なくなっているということであり、それによる身体への影響はこれまでにもお伝えしている通り、計り知れない恐ろしいことです。
体温をコントロールして、夏バテしない身体を目指しましょう!
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