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国立国会図書館の「図書館カレー」を懐かしむ

NDL(国立国会図書館)の食堂といえば、メガカレー。サラメシにも登場した巨大カレー。お盆のサイズギリギリの巨大な角皿に1500㌔㌍に達するのではないかと思われるカレーの海とご飯の岸壁。ちょっと迷ったけど絶対食べられないと思いノーマルサイズにした。

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食券を持って配膳口の列に並んでいると、「お子様ランチの方ー」という呼び声が。「えっ!」と思って振り向くとおっさんがお子様ランチを受け取っている。もちろん日の丸付き。

この「大人のお子様ランチ」は「メガカレー」に並んでNDLダイニングのイノヴェーティヴなメニューとして知られている(知られていない)。

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ここの先進性と革新性は1990年代、本館2階にあったカフェのパスタメニューにも見いだせる。「カルボナーラ」(なんとハイカラなんでしょう!)を注文すると、「はい、カルボ一丁!」との確認呼称が響き渡る。その作り方は、①ソフト麺を温める、②玉ねぎ、人参、ピーマン、スライスソーセージ、を炒めたものをのせる、③さらりとしたベシャメルソースをかける、といった工程をへる。 ローマ人が卒倒しそう。でもこれは「カルボナーラ」ではない、「カルボ」なのだ。日本、いやNDL糧秣シーンで独自に発展した食文化といえる。

そして、姉妹メニュー「ナポリタン」はどのようにしてアッセンブルするのかというと、皆さんご想像の通り、カルボの工程③をケチャップに置き換えるだけなのだ。素晴らしきマルチ・プロダクション・システムの実践がここにあった。

〈追記〉
国立国会図書館東京本館の食堂は、2020年10月20日をもって、惜しまれつつも営業を終えた。ついにメガ図書館カレーにトライできなかったことが悔やまれる。コロナを乗り越えたら、必ず復活してくれると願っている。


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