【エッセイ】ハムちゅへ

 ハムちゅ。二年半の間、共にいたね。

 夢だった、ハムスターとの暮らし。ハムちゅ、君といた時間が懐かしい。背中に線が一本あって、チャームポイントだったね。私の手からひまわりの種を食べてくれて、レタスが大好きだったね。最初は背が小さくて、水を飲むのが少し大変そうだった。大きくなってからは首をちょっと上げるだけで、水が飲めていたね。朝も昼も夜も、一緒にいたね。

 君が病気になってからは、週に一度は一緒に通院になって。君は先生の前でも持ち前のマイペースさで毛繕いをしていたね。病気なんか、知らないよって言うように。

 ハムちゅ。君の命は長い休憩に入ったけれど。私は君が見せてくれたもの、教えてくれたもの、忘れていないよ。通院の道のりで見た、春の梅の花。夏の青空に白い雲。秋の星空。冬の冷たい空気。君の体温、毛並み、まるい瞳。全部、忘れないよ。

 ハムちゅ、ありがとう。

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