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創作大賞2024応募作品

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創作大賞2024に応募した作品の一覧です。
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#エッセイ

【エッセイ】そうめんと天ぷらと氷水

 ジイジイジイと蝉が鳴く季節、夏。毎年、夏になると母はそうめんと天ぷらを沢山作る。天ぷら…

有未
10か月前
8

【エッセイ】母のおむすび

 夏になると、母が作ってくれたおむすびのことを思い出す。私や弟が小学生の頃、夏休みになる…

有未
3週間前
10

【エッセイ】今日はスパゲティにしよう

 世界の底で朝焼けを待つ振りをしながら、本当は世界の終わりが来るまで此処でじっとしていた…

有未
3週間前
8

【エッセイ】父の焼きおにぎり

 昔、父が焼きおにぎりを作ってくれた。おにぎりを作って一度、トースターで焼く。白米の焼け…

有未
1か月前
16

【エッセイ】なんだかおいしい、母の料理

 母が作ったうどんを、ふと思い出した。煮込みすぎているのか、くたくたの柔らかいうどん。そ…

有未
3か月前
20

【エッセイ】蝉の姿に自分を重ねる

 今日の外は暑く、夏の気配がしました。割と風があったので、それは良かったです。  夏にな…

有未
1か月前
4

【エッセイ】帰り着く思い

 人の中に私はいつか帰りたいのだと思ったのは最近のことだ。私はずっと、自分を助ける者は自分でしか有り得ないと思っていた。何の根拠もなく、そう信じていた。自分あってこそ自分は光を見付けられるのだと考えていた。その考えも間違いではないだろう。自分自身というものが確立していてこそ得られるもの、気付けるものも多くあるだろう。だが、長いような短いような自らの人生をふと振り返って思うのは、私は隣に立ってくれる恋人や傍にいてくれる友人の中に自分を見出し帰りたいのだと気が付いた。私の言葉、私

【エッセイ】灯る明かり

 ――しばらく疎遠にしていたとしても、次に会った時に「やあ」と言葉をかわせることは、とて…

有未
3年前
7

【エッセイ】ひたむきに進め

 観測史上最高に暑い夏を記録したと言われる、今年、二〇一〇年の夏。買い物に行った帰り道、…

有未
3年前
1

【エッセイ】何処までも

 全てを捨てて逃げ出しても良かった。だけど、何処かで読んだ漫画にあったように月と影と自分…

有未
3年前
1

【エッセイ】時間の共有

 本来、基本的に自分の中にしか本当の自分はいないだろう。だが、私は不意に自分自身に連続性…

有未
3年前
7

【エッセイ】紅茶のある時間

 私は紅茶を飲むことが好きだ。けれど、紅茶を飲まなくても生きては行ける。それでも私は紅茶…

有未
3年前
2

【エッセイ】私の為の花

 全てを捨ててでも私は帰りたい場所があるような気がしていた。自分を押し殺してでも愛された…

有未
3年前
2

【エッセイ】庭を持つこと

 電車の窓硝子に赤いチューリップを植えることは出来ない。三日月の上に座ることは出来ない。ボールペンの黒インクを音符に変えることは出来ない。何事にも可と不可があり、向きと不向きがある。  良く、世の中の出来事は何もかも二種類に分けることが出来ると聞くが、あながち嘘でもないと最近の私は思う。  初めて、その言葉を聞いた時がいつだったかは忘れてしまったが、当時は間違いなく「そんなことはない」と思ったことはしっかりと覚えている。何もかもが二つに分けられるわけはないと、強い憤りすら