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うみとわたしと安家川橋梁

明日は久しぶりのオフで、天気予報を見ると漕げそうな天気、海だ。
翌日は野田村で飲みニケーションを図るため、昼から夕方にかけて向かう予定だったが、天気がいいのでひとまず漕ぐことに。
今回の相棒は三陸ジオパークガイドのM氏

かれこれ、M氏とは4年?5年?の付き合いになるのだろうか。
北三陸で活動するに当たって心強い参謀である。
そう、北三陸のみんな大好きあのM氏である。
時にはパドルを持ち、時にはジョッキを持ち、時には筋トレも欠かさず、
2023年のうみねこマラソンでは涼しい顔してハーフを走り切り、
次なる目標はフルマラソンらしい。鉄人である。

余談だが、私も昨年うみねこマラソンのハーフに出場、チェックポイントに間に合わず、タイムアウトでバスに回収されゴール地点に涼しげな顔して帰ってきた。練習してない自分に胸を張れ、自分。そう言い聞かせて回収された。

今年の4月ぐらいから、岩手県野田村近隣の漁港では漁港に砂がたまりひどい、という話を聞いていた。実際現場を見ると、特に干潮の時間は漁港内でも水深50㎝もいかないぐらいまでになる。
漁師さんたちにとっても漁港が浅くなる、砂がたまるなんてことは死活問題だろう。
なんでも、今年の冬に来た低気圧で一気に砂がたまり、その砂が漁港内から出ていかなくなったとか。
今回の出艇場所は普代村のまついそ公園であったが、ここでも、あれ、こんなに浅い場所だったか?と感じるほど砂がたまっているのがわかる。
作業をしていた漁師さんに話を聞いていても、やはり同じことを言う。
砂がたまって出ていかなくなったと。
確かに、昨年の冬は厳冬期の1月、2月でも季節の変わり目を告げる南岸低気圧がよく通過していた印象がある。東北北部沿岸は湿り気のある雪が非常に多かった。
海水温の上昇とともに、風の吹き方も、雪の降り方も、海の生き物も、何よりも海を生業にする人たちの生き方も変わっていくのだろうか。

出艇前からそんなことを思いながら、漁師さんの話を聞く。

干潮の時間とはいえ、こんなに浅くなっているのは今まで見たことがない

しかし、想像以上にいい天気、海象。
こんな日ならどこまでも行ける気がする。
エメラルドグリーンの穏やかな海を見て、テンションが上がる。

しかしM氏、前日2時半まで吞んでいたとかどうとか。
こんないい海なのに。
なんだか調子がよくなさそうだ。
こんないい海なのに。
覇気がない。
こんないい海なのに。
絶対に二日酔いだ。
と心の中で思っていたのは絶対に内緒だ。

漕ぎ始めてすぐに見えてくるのは安家川橋梁

10分も漕ぎ進めば、安家川橋梁が見えてくる。
三陸鉄道、三陸道、45号線。三つの橋梁が渓谷にかかる。
海から見るこの景色は。
三陸随一の海からのビューポイントではないだろうか。
自然海岸のダイナミックさと険しい場所でしか見ることができない橋梁の造形美。
もう3年前になるだろうか、同業のガイドさんとこの海を漕いだ時、この景色を見せても何も感動させることができなかったのは私の語彙力が足りなかったせいだろうか。もしくは、相手側の感度不足か、、、(笑)
「え?何がすごいんですか??」と言われたのは記憶に新しい。

そんなことを言えば、きっとM氏はプンプンするに違いない。

ひとまず、玉川漁港までむかいましょうか。
そう言って漕ぎ出す。

ここまで近づくことができるのはカヤックだから、そして何よりも天気海況に恵まれたからだろう。5月の海は穏やかな日が多い。
この三角の岩は烏帽子岩と名付けられている。

しかし、この日は雲一つない快晴で、写真が映える

漕いでいると、途中で、
腰が、、、
と言い出すM氏。
それはきっと二日酔いのせいだろう。
さぁ、先に進みましょう。

三陸鉄道の通過時間に安家川橋梁を見れないか、そんな話が出てきて
海上の上で時刻表を確認。
海の上でも常にスマホを持っている、海の上でもサクサク検索、発信ができる、、もちろん、穏やかな海の場合、という前提条件は付くが、それでも陸の上と変わらないようにスマホに電波がとどいているのはいろんな面でありがたい。
もちろん電波が届かないエリアもあるので下調べは必要だ。

ということで心優しい私はいろいろな状況を配慮して引き返す。
12:41に三陸鉄道が堀内駅へ到着する。
頑張って橋梁まで漕いで戻るがちょっと時間がかみ合わず、
アングルが斜めからになってしまったが。

三陸鉄道に手を振る。電車の車窓からは私たちがどのように見えているのか、、

そんなこんなで2時間程度しか漕がなかったが、天気と海況がよかったおかげで気持ちのいい海上のお散歩ができた。

漁師さん方と話をしていると、海を取り巻く環境や状況、獲れる魚種など多くの変化を目の当たりにしている。もちろん、それに付随して私が海で遊ぶ、カヤックを漕ぐ、その意味も変わってきている。
太平洋のエネルギーをダイレクトに感じる北三陸の海岸線、そんな話を聞けば聞こえもいいが、もちろん海に出れない日も多い。
しかし、そんな海にでたからこそ味わえる想像以上の感動を是非とも味わっていただきたい。

岩手県北部沿岸のツアーは下記オーダーメイドツアーにて承っております。
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