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海野まなみ
2022年2月28日 19:10
数日前、彼と一緒に、とあるアーティストのコンサートへ出かけた。チケットは半年前に取っていたのだけど、延期になってしまい、このタイミングになったのだ。彼と一緒に出かけるのは数ヶ月ぶりだった。久しぶりにきちんと化粧をして、少しだけオシャレする。彼のためというわけではないけれど、人の目は、多少なりとも意識する。すると、少しだけ気分が上がる。女って不思議だ。道中の電車では、もちろん無
2022年2月27日 17:12
感情には波があるから、今でも不意に「やっぱり離婚したくないな・・」と思う時がある。私が頭を下げれば、なんとかなるのではないか。今よりもっと稼いで、少しでも生活費を入れれば、彼も納得するんじゃないか。そんなふうに考える時もある。でも、それが叶ったとして。私は幸せ?多分、1年くらいは我慢して暮らせるだろう。もしかすると、3年くらいは持つかもしれない。でも5年後は?10年後
2022年2月26日 18:16
満月の時。私は現状に悲観的になり、悪いことばかり考える。集中力も無くなって、仕事も手につかなくなる。暴飲暴食に拍車がかかり、夕方からこっそりお酒を飲んでしまう。そして自己嫌悪するのだ。けれどそれも、満月を挟んで3日間くらい。4日目には自分を取り戻し、物事を理性的に考える。新月の時。予定よりも早く離婚しようかな、と思う。仕事だって生活だって、きっとなんとかなる。こんな生活を続
2022年2月25日 17:46
日々、強気になったり、弱気になったり。後悔することもあるし、しないこともある。感情は、その日その日でコロコロ変わる。今までのパターンを分析してみると、私はどうやら満月前後に、感情が大きくブレるみたいだ。先月は、離婚を考えるだけで涙が出てきた。彼への恨みと、自己憐憫が止まらなかった。反対に、新月の時はとても冷静になっている。離婚について情報収集をしたり、浮気の証拠の準備をした
2022年2月24日 17:02
彼と会話するのは、挨拶だけになってしまった。「おはよう」「行ってきます」「ただいま」「おやすみなさい」1日で、これしか話をしなければ、ケンカもしないし、モラハラもない。夫婦関係も変化のしようがなく、楽しいことがひとつもない生活に、こっちから根をあげそう。離婚して、ひとりになるのと、結婚してるのに孤独なのと、どちらがラクなのだろう。押し寄せる不安と孤独に、押し潰さ
2022年2月23日 10:49
当時、私は浮気相手の女に対して、慰謝料を請求する気で満々だった。実際に弁護士にも相談した。弁護士も「慰謝料は取れますよ」と言ってくれた。ただ、「その時は、離婚も視野に入れた方がいい」とも言われた。私が女に慰謝料請求した場合、女はすぐに彼に連絡を取るだろう。その時、彼はどうするか。土下座して、私に謝ることはありえない。むしろ、なんてことをしてくれたんだ!と逆ギレをして、
2022年2月22日 17:49
それからと言うものの、寝ても覚めても、お風呂に入っていても、浮気相手の女に対して、どう懲らしめるかばかり考えていた。そしてあっけなく、女のSNSを見つけた。この女も脇が甘いな。そんなことを思いながら、過去に遡ってチェックしていくと、そこには1枚だけ、とある温泉街の写真がアップされていた。「この構図、見たことある・・・」自分で言うのも何だけど、こう言う時の女のカンって、探偵よ
2022年2月21日 17:27
彼の浮気について書いた時、「相手の女を訴えればよかったのに」「女からも慰謝料取れる案件ですよ」「浮気相手の女を懲らしめてやった方がいいよ」と言うメッセージをいくつかいただいた。確かにその女に対して、ハラワタが煮えくりかえっていた。口説いたのは彼の方だろうけど、既婚者からの誘いに気軽に乗ってんじゃねえよ!その女が彼に送ったLINEの内容も覚えている。「会えなくて寂しい」「
2022年2月20日 18:09
例えば彼は、トイレの電気をよくつけっぱなしにする。それを注意すると、彼は「じゃあ、寝る前にマナミが確認して」という。うん、わかった。と、軽い気持ちで引き受ける。そして数日後。やっぱり電気はつけっぱなし。「昨日、また、つけっぱなしだったよ」と、彼にいうと、「それはマナミが確認することになってただろ。 俺のせいじゃなくて、オマエが確認をしなかったのが悪い」・・・。
2022年2月19日 17:45
はいつでも「今」しか見ない。だから反省もしないし、後悔もしない。同じ間違いを繰り返すのもそのせいだ。私だって、たいした人間じゃないから、もちろん同じ間違いを繰り返す。でも「原因」があるから「結果」がある。その結果が「今」なのだ。結果至上主義の彼は、その間の「過程」には全く興味がない。できたか、できなかったか。全てをそれで判断する。私ができなかった理由を言おうものな
2022年2月18日 17:43
こうやって、過去を遡って思い返していると、本当にひどいことをされたな、と思う。それなのに、彼の方から離婚を叩きつけられるなんて、どう考えてもおかしいでしょ。それに対して傷つく自分もおかしい。彼は、夫婦関係において、度重なるルール違反を犯したのだ。私はたくさん裏切られ、傷付けられてきた。もっと怒っていいはずだ。今までは、夫婦関係を続けるための努力として、何度も私が折れてきたけ
2022年2月17日 16:47
彼の携帯を盗み見た時、なんとなく予感はしていたが、さすがにショックで全身が震えた。それでも私は自分の携帯で、その画面を撮ることを忘れなかった。指が震えて、ピントが合わない。スクロールする手も震えていた。自分の中で「やっぱり」と「何かの間違い」とのせめぎ合いで、彼へ問いただしたい気持ちを抑えるのが精一杯。それでも我慢したのは、携帯を盗み見たことの罪悪感と、まだ、この結婚生活を
2022年2月16日 17:54
男の携帯を盗み見る、ということは、どういうことになるのかなんとなく分かっていた。それでも私は見てしまった。そして、予想通りの結果だった。浮気相手とのやり取りは、それはもう生々しかった。遡ってみてみると、最初は単なるコミュニケーションの延長線上にある、言葉遊びだったのだと思う。好きだよ。かわいいね。早く会いたいな。ただ、その言葉は加速的に、どんどん意味のあるものになって
2022年2月15日 18:22
彼の行動から異変を感じた私は、より注意深くなっていた。けれど、女友達の1人や2人はいるだろうし、いちいちそれを追求するのも無粋な気がした。しばらくは泳がせておこう。浮気をしているのであれば、どこかで絶対にボロが出る。その時にまた考えよう。あの頃は、呑気にそう思っていた。それからしばらく経った時、目の前にある彼の携帯が、アンロックになっていた。彼はお風呂に入ったばかり。あと2