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一枚の絵


『春の窓』を読んでから
すっかり安房直子さんの世界にはまり込んでいます。

どのお話もまるで絵本を読んでいるかのよう。
情景がありありと目に浮かび
花の香りや風の感触まで感じられるのです。

『春の窓』の文庫本を手にして
文章を読んでいるのに
こんなに情景が胸に迫ってくるのはどうしてなのだろう
と思っていたら

『なくしてしまった魔法の時間』の中のエッセイに
その答えがありました。

ところで、新しい作品を書くとき、私はよく、一枚の絵を ー完全に視覚化されたものを、思い浮かべます。そして、そのあとから、このイメージを、他人の目にも、ありありと見えるように、言葉を使って、描き上げてみたいという情熱が、わいてくるのです。
なくしてしまった魔法の時間


ああ、絵を言葉にしているからなんだ!

と思うと同時に涙がとまりませんでした。

安房直子さんが思い浮かべた一枚の絵を
見ることができたということ、
言葉を通してこんなにも伝わるということに

そして
「言葉を使って、描き上げてみたいという情熱」に
心を揺さぶられたのです。

5日前に
本屋さんで偶然出会った文庫本が
安房直子さんの世界への扉でした。

これからたくさんの作品を読めるなんて
ほんとうに楽しみです。




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