株価暴落のとき、かんがえること

以前、こういうことを書いた。


リーマンショックを予想して大儲けした実話をもとにした映画「マネー・ショート」のなかで、大暴落する市場を見て、逆張りしてたファンドの人たちが「やった!大儲けだ!」とはしゃぐ。そのときに一人のファンドマネージャーが真剣な顔で言う。

「失業率が1%上がれば四万人が死ぬ。二度とはしゃぐな」

数字のうしろには人間がいる。何でもかんでも数字や確率に還元していくと、そのことをわすれてしまう。

人はわかりやすい数字の前で、すぐに共感することを忘れてしまう。
経済や資本を否定するつもりはないが、数字を扱うまえに、その背後に体温を感じられるような訓練が必要なのかもしれない。


これは、昨日かいた物語と倫理について、とつながっている気がする。

ひとは簡単に数量や功利や損得でものごとをはかりがちで、徳というものをわすれてしまうと、たんなる計算機械になってしまう。
ほんらい、ひとは道徳的なものがすきなのだ。
もっとかんたんにいうと、ひとはがんばったひとが報われ、ずるいひとが罰せられるはなしがすきなのだ。
そして、混乱のなかでのヒロイズムや、たったひとりの高潔な人間に感動する。では、高潔さをつらぬいて、なにひとつむくわれず不幸になるひとがいたらどうだろうか。
それでもぼくはそれに感動するだろう。なぜならその物語は、究極的には、
「内発的な動機で生きよ。自分の倫理をつくれ」
というメッセージを発しているからだ。
そして物語はそれがいかに難しく、いかに複雑かをかたる。
物語における倫理というのはじつはそういう単純なことなのかもしれない。

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