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肺胞出血闘病回顧録_はじめに

ダイジェスト

大病知らずで生きてきたウミネコ。しかし28歳のある日突然、大量喀血して呼吸困難に。 何が何だかわからぬまま人工呼吸器を付けられてそのまま緊急入院した。 

病名は肺胞出血。肺胞出血は、肺胞とそれを取り巻く血管の境目が何箇所も(びまん性に)破れて血液が体外に流れ出る稀な病態である。その中でもウミネコの場合は人工呼吸器を必要とする重症パターンだった。このような重症患者の生存率は50%と言われている。

ウミネコはステロイドの大量投与(ステロイドパルス)などの治療を受け、順調に回復した。

ウミネコは集中治療室に10日、そして一般病棟に約20日の計1ヵ月間入院した。初めて経験する入院生活・身体・精神状態に、それまで何不自由なく健康に暮らしていた立場として衝撃を受け、また医療系学問を学んだ立場として興味深いものを感じた。

肺胞出血の原因となる疾患は色々あり、本来はその疾患を特定して治療する必要がある。しかしウミネコには何の異常も見つからず、肺胞出血の原因は不明(特発性)という結論に至った。そうして診断書等の書類に書かれる病名は「特発性びまん性肺胞出血」ということとなった。

服用するステロイドの量は一年間かけて徐々に減らし、ゼロになった時点で肺胞出血の治療は終了した。喀血から2年が経った現在も、ウミネコに肺胞出血の原因となる疾患の兆候は現れていない。

入院1ヵ月、自宅療養3ヵ月、そして職場復帰から1ヵ月の計5ヵ月間で、ウミネコは以下を経験した。 

・人工呼吸器装着が原因の反回神経麻痺
・寝たきりによる全身の筋力低下(体が全く動かない)
・ステロイド大量投与と副作用
・ストレス性の円形脱毛症
・再発の不安→認知行動療法
・免疫低下中の水疱瘡成人発症

このマガジンでは、当時の手記や記録を基に、薬学の視点も交えながら、衝撃尽くしだった初入院と稀な病気の闘病体験を、時系列を追いながら綴っていこうと思う。


閲覧に際する注意点

このマガジンに掲載する記事は、一般的な闘病記ブログとは異なりリアルタイムでない点で情報が劣化している可能性があるため、「回顧録」という体にしている。

また、ウミネコ自身は医学等の専門家ではないため、知識面の情報を鵜呑みになさらないようお願いしたい。

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