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肺胞出血闘病回顧録_Day 1 ②救急外来で風邪診断、一旦帰宅

休日の午前中、自宅でいきなり鮮血を吐いたウミネコ(前回の記事はこちら)。
その後の対応を記す。


Day 1, 午前・喀血直後 救急安心センター#7119に電話

血は(見た目上は)止まった。血を吐く前後で体の異変は特に感じられない。もしも健康なヒトが頻繁に血を吐く生き物だったなら、この出来事もスルーしただろう。しかしヒトはそういう生き物ではない。ウミネコは今まで血を吐いたことなどなかったし、片頭痛以外の持病がなく30歳にも満たない若者だ。体内で何か急激な異変が起こっているのではないだろうか。これはすぐにでも診察を受けるべきではないだろうか。今日、すなわち土曜日にやっている近所の内科を調べるべきか?そもそも診療科は内科で良いのか?今は何ともないが、後から激しい症状が出ないだろうか。救急車を呼ぶべきか??初めて血を吐いたウミネコは、適切な対処法を何も知らない。血を吐く病気に何があるのかすら、薬学部では習わない。

以上の思考が一気に脳内を駆け巡り、ウミネコはとりあえず夫を呼んだ。しかし夫にもこの先どうすればいいのかはわからないようだった。

平時なら、夫とウミネコの両方、最低でも片方がどうすべきか「ググって」いたはずだ。だがこの時は両方がそれをしなかった。二人とも表面上はまだ冷静だったが、動揺していたのかもしれない。とはいえウミネコのケースに限って言えば、下手に検索しなくて正解だった。肺胞出血という稀な疾患名を狙って検索しなければ、「命に関わるので直ちに受診する(肺胞出血かつ喀血の場合119番)」という正解に辿り着けないような特殊な事例だったからだ。

そのような若干の混乱の中、「救急車を呼ぶべきか迷ったらとりあえず#7119」をウミネコは思い出した。#7119とは、「救急安心センター」という行政サービスに繋がる電話番号である。救急安心センターでは、自動音声ではなく相談員との会話により、怪我や病気の症状に応じた適切な対応方法をその場で知ることができる。便利なサービスではあるが、対象地域は限られている。(救急安心センターのサイトはこちら

ウミネコはこの救急安心センターへ電話することにした。

別記事に改めて書くが、肺胞出血を起こす前後数日間のウミネコの記憶はおかしくなっている。実際に救急安心センターへ電話したのが自分だったか夫だったか、ウミネコは覚えていない。ただ、休日の土曜日だし繋がりにくいのではという予想とは裏腹に、救急安心センターにすんなり繋がったことは覚えている。

ウミネコ(または夫)は症状・住所・氏名・電話番号を相談員に伝え、更に症状についての相談員からの質問に答えた。すると電話が暫時保留された後に、「救急車を呼ぶ必要はない。今から○✖️病院に行くように」と指示が出された。救急安心センターでは、行動の判断だけではなく、病院へのアポイントメントも取ってくれるらしかった。

ウミネコはすぐに出発の準備をした。半袖半ズボンから、冷房対策として丈の長い別の服に着替え、ポシェットに最低限の荷物を詰めた。この時着て行ったお気に入りの部屋着は後に血まみれとなり、緊急処置のためにハサミで裁断され脱がされ捨てられることとなる。


Day 1, 午前・#7119電話後 近所の救急外来を受診

ウミネコは夫に付き添ってもらい、救急安心センターで指定された○✖️病院へタクシーで向かった。ウミネコは移動中、今また血を出して運転手を驚かせてはいけないという事をやけに心配していた。そして再度の出血に備えて持参したレジ袋をひたすら握りしめていた。

○✖️病院は自宅から車道を15分北上したところにある総合病院である。通常は初診で紹介状が必須だが、ウミネコ(もちろん初診である)の場合は救急安心センターからのアポイントメントが紹介状代わりになったようだ。

時間外診療のための狭い入口を抜け、すぐそばの簡素な場所で受付を済ませ、その向かいの長椅子で待機した。診察室も入口・受付のすぐそばにあり、数分で中に呼ばれた。

医師は女性の研修医で、当直のためか若干気怠げだった。ウミネコは血の状態や量、咽頭痛や咳、胃の調子などを話した。問診の他にも、聴診器で胸の音を聞かれたり、喉を懐中電灯で見られたり、診察室内の簡易ベッドでお腹を押されたりと、よくある感じで診察を受けた。医師はブラインドタッチが出来ないようで、キーボードのキーを見ながら人差し指と中指だけでポチ…ポチ…とゆっくり打っていく様が妙に印象的だった。

予想通りと言うべきか、上記の診察だけでは何も見つからないようだった。そこで胸部レントゲン撮影と基本的な内容の血液検査が行われた。しかしそれでも異常は見つからなかった。

結局下された診断は、「風邪症状で喉が切れたことによる出血」であった。「咳き込んでないし喉の痛みも弱いのに喉が切れるか!?あんなにダラダラ血出るか!?」と言いたかったが相手は医学の専門家である。研修医を世話していると思われる別の医師も登場し、同じ見解をウミネコに語り、ウミネコは何も言えず、診察は終了した。(※○✖️病院での検査内容や導かれた診断内容はこの時点では妥当であり落ち度は無かった、と後の主治医P先生が語っていることを付け加えておく)

診察後、風邪の治療および喉の炎症・出血を抑えるための薬を院内処方され、会計ののち、タクシーにて帰宅した。この後、二回目の喀血に見舞われることとなる。


(Day 1 ③二回目の喀血 へ続く)

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