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2021年09月26日 "小坂忠 with Friends" セットリスト

忠さんの地元ということもあり、幕間では忠さんがMCを務められた「小坂忠 with Friends」 --- コロナ終息の気配が見えない中、当初は屋外開催予定だったフェス「空飛ぶ音楽祭」を2020年に続いてやむなく中止し、客席を半分以下(800席)に減らして屋内のコンサートに変更して行われたイベントでした。しかも忠さんは4年以上にわたり闘病生活を続けながらのステージ。直前まで杖をついておられたそうですが、ステージ上ではしっかりとした足取りと明るい立ち振る舞い、そして変わらぬ力強いボーカル。情報が無ければ、闘病されているとはとても思えないほどでした。

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所沢の教会で牧師、そしてゴスペル歌手としても活動してきた忠さんらしく粟野めぐみさんと粟野貢司さん、そしてコーラス隊によるオリジナルのゴスペルナンバーからイベントはスタート。2曲終わったところで忠さんが登場し、「どーも小坂忠です」。予想以上にお元気そうに見える。

忠さんは何年か前に誘われて出演したイベント「うたの日コンサート」の想い出を語り、素晴らしいイベントだったと主宰するBEGINを紹介。コロナ禍で声は出せないが拍手して欲しい旨、そして比嘉栄昇さんが出られなくなってしまったが、他のメンバーとゲストで更に盛り上げるから期待して欲しい旨述べてメンバーを呼び入れる。

そのBEGIN。どうやら比嘉栄昇さんは濃厚接触者になってしまい石垣島から出られなくなってしまったとのことで、この日はデビュー31年にして初めての「2人BEGIN」+途中からゲストボーカル前川真悟さん。比嘉さんのボーカルが目立つが実は島袋さんも上地さんもメチャクチャ歌が上手い。そして比嘉さんのメッセージが代読され、とても元気であると分かると会場は和やかな空気。セットリストは代表曲をちりばめたフェス仕様、レアなBEGINもこれもまたよし。

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三番手は宮沢和史さんと高野寛さんのデュオ。冒頭、忠さんが登場し「アウトドア好きの友達が多いんですよ」と宮沢和史さんの趣味でもあるフライフィッシングの話を始めると「彼もフライフィッシングが好きでいつか一緒に行きたいなとおもっていて…フィッシュフライじゃないですよ」と笑わせる。更に2001年頃からの付き合いと語る高野さんについては「主宰している所沢でのピースコンサートにも何度も来てもらって」と謝意を述べて、いよいよ二人を招き入れる…優しいよね、忠さん。

さて、そのMIYAと高野さん。今年2‐3月のMIYAのツアーは高野寛さんがギター参加されていましたが、自分は行くことが出来なかったため、この2人を生で拝見するのは2年ぶり。「長い付き合いだけどこういう形は無かったね」と話し、「アウトドアのミヤザワです」「インドアの高野です」とのっけから鉄板のコンビネーションを見せた二人は、事前に予想された(二人が参加する)GANGA ZUMBAの楽曲主体ではなく、各々の代表曲を持ち寄る珍しいセットリストで展開。

MIYAのハーモニカソロから始まった「中央線」に続いては、「虹の都へ」のショートバージョンからメドレーで「夢の中で会えるでしょう」と、高野寛さんのライブでも終盤に歌われる人気曲連発でいきなりのクライマックス。
ここでMIYAが空から見たジャマイカの美しい海と、降り立ったキングストンの街並みのギャップに驚いた話を繋いで「神様の宝石でできた島」を、そして「今日は(比嘉)栄昇がいないから、全員栄昇の格好で出ようかと」と笑わせてから「島唄」へ。最後は高野寛さんプロデュースによるTHE BOOMの「24時間の旅」を前半は高野さんのリードボーカル、中盤からMIYAのリードボーカル+高野さんのコーラスというこの日ならではのアレンジで。

もっとやっても…と思うくらい、あっという間の40分弱のステージでした。予定通り「フェス」として開催されていたら、もう少し尺は長かったんだろうなあ。でも十分に濃縮された充実した6曲でもありました。このデュオ名義、また観られたらうれしいですね。

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そして忠さん。Connectedの時とも最近のライブとも違う組み合わせのバンドは、ダージリン+ハーフSKYE。アンサンブル、グルーヴ…もう何もかもが素晴らしい。

「コロナ禍で多くのことを奪われてしまった。でもそんな時だからこそ夢を見るべきだと思いませんか?」とコメントしてから歌われた「夢を聞かせて」、そして「Hot or Cold?」の後には「どんなにクールでも心だけは熱く、どんなに年をとっても熱いハートをもっていたい」と語り喝采をあびた忠さん。「僕は友達に恵まれている」としてメンバー紹介を行うと、小原礼さんと林立夫さんが(鈴木茂さんや松任谷正隆さんと)結成したSKYEの話題に。「こんな年齢になってもまだ新しいことをしようとしている」と誇らしげに語り、「向きを変えて」「ほうろう」「機関車」と畳みかける。

「今日集まってくれた仲間…信じあえる仲間がいるのは本当に幸せ」と出演者全員に謝意を示してから歌われた「I Believe in You」に続き、1984年のロスオリンピックの女子マラソンをテーマに作ったという「勝利者」では「諦めないで前に向かって進みましょうよ」とコロナ禍に喘ぐ観客一人一人に語り掛けた忠さん。約50分の持ち時間は、病魔に冒される前と変わらぬ力強いお姿に新しい奇蹟が生まれつつあるようにさえ感じられたものです。

アンコールは全員そろってのゴスペル。所沢で牧師ともしても活動する忠さんらしいライブ構成でした。

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小坂忠 with Friends
(26 Sep 2021 / 所沢ミューズ ホール)

Meg & Piano Koji set:
01. 主を仰ぎ見て
02. 聖なるかな

粟野めぐみ: Vocal
粟野貢司: Piano
ゴスペル・クワイア: Chorus


BEGIN set:
03. 海の声
04. 朝焼けの情景
05. アンマー
06. ハンドル
07. 三線の花
08. 島人ぬ宝
09. 恋しくて

上地等: Vocal, Keyboards
島袋優: Vocal, Guitar, 三線
前川真悟(from かりゆし58): Vocal, Guitar (M05 - M09)


宮沢和史+高野寛 set:
10. 中央線
11. 虹の都へ
12. 夢の中で会えるでしょう
13. 神様の宝石でできた島
14. 島唄
15. 24時間の旅

宮沢和史: Vocal, Guitar, 三線, Blues Harp
高野寛: Vocal, Guitar
米田直之: Keyboards
楠知憲: Bass
伊藤直樹: Drums


小坂忠 with Friends set:
16. 夢を聞かせて
17. Hot or Cold
18. 向きを変えて
19. ほうろう
20. 機関車
21. I Believe In You
22. 勝利者
- encore -
23. Oh, Happy Day

小坂忠: Vocal, Guitars
佐橋佳幸: Guitars, Chorus
小原礼: Bass
Dr.kyOn: Keyboards, Chorus
林立夫: Drums
宮沢和史: Chorus (M23)
高野寛: Chorus (M23)
島袋優: Chorus (M23)
上地等: Chorus (M23)
前川真悟: Chorus (M23)
粟野めぐみ: Chorus (M23)
粟野貢司: Chorus (M23)
ゴスペル・クワイア: Chorus (M23)

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