投資#40 自分の感情を傍観できるようになりたい
書籍の情報
タイトル:群集心理
著者:ギュースターヴ・ル・ボン
出版社:講談社
発行日:1993年9月10日
書籍の要約
わずか1世紀前までは、諸国家の伝統的な政策や帝王たちの抗争が社会変化の主要な要原因であった。だが今日では、君主の意向や、その抗争などはほとんど重きをなさない。群集の声が優勢になったのである。
ある状況において、人間の集団は、個人の感情や観念が同一方向に向き、1つの集団精神を具える。「心理的群集」とでもいうべきこの集団では、個人の感じ方や考え方、行動の仕方が、各自孤立していた時のそれとまったくことなってくる。
群集の特徴や行動は、次のようなものである。
衝動的で、動揺しやすく、昂奮しやすい。
暗示を受けやすく、物事を軽々しく信じる。
感情が誇張的で、単純である。
殺人や放火などの犯罪を行いかねない一方、単独の個人よりもはるかに高度の、無私無欲な行動も行い得る。
群集の想像力は、非常に刺戟されやすい。そして、群衆は、心象(イマージュ)によらなければ物事を考えられず、心を動かされない。群集の想像力を動かすのは、事実そのものではなく、その事実の現れ方である。
感想
直近の本ばかり読んで社会をとらえるのではなくて、一歩引いてみて、社会をとらえてみたいなと思い、読んでみました。
現代が激動の時代と言われるのはよくわかる気がしますし、群衆の声が優勢になってからは、いつでも激動の時代だったのではないかと思います。
君主や皇帝がおおきな力を持っていた時代は、変化こそあれ、その原因の数がたかがしれていますから、現代ほどにカオス的なことにならないのかと想像します。
ですが、群衆の声が優勢になってからは、原因が群集の数だけあり、しかも、原因は群集のうちの1人につき1個ということもないですから、原因の数が桁違いです。
そして、ここ30年の技術の進化で、群衆一人一人がメディアのように発信することができるようになりましたから、さらに、混沌を深めることになっているのかなと思いました。
また、群衆の特徴や行動も挙げられていますが、群衆が優勢になったとはいえ、施政者は、群衆をうまく利用するために、これらをよく理解して利用しているように思います。
うまーく利用されないためには、昂奮したら一度立ち止まる。物事を軽々しく信じない。誇張的な表現に警戒する。でしょうか。
どれも、言うは易し行うは難しと言いますが、失敗せずにうまくなることはありませんから、おおいに失敗をしながら、昂奮したら一度立ち止まる。物事を軽々しく信じない。誇張的な表現に警戒する。を実践したいなと思いました。
昂奮したら一度立ち止まる。これ、難しそうだなと思います。
「殺人や放火などの犯罪を行いかねない一方、単独の個人よりもはるかに高度の、無私無欲な行動も行い得る。」の部分に関しては、前半は海外のイメージ、後半は日本のイメージです。これも何かに洗脳されているかも・・・。
あと、群衆の想像力は刺激されやすいとあり、イマージュでなければものごとを考えられないとあります。
これちょっとムカッと来ますが、きっと、施政者はそう考えているのでしょう。
バカにされている気がしますが、事実だからムカッと来るのだと思います。すぐに出てきた自分の感情を、ちょっとでも傍観できるようになりたいなと思いました。
まとめ
群集の想像力は、非常に刺戟されやすい。
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