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自作の文庫本ができました!

 おはようございます、こんにちは、こんばんは。小萩です。
 ネットの荒波を超えて、どこかの海岸線で開く、大体毎週日曜日に好きな本を紹介したりしている架空本屋「電子書房うみのふね」、今日はこちらにやってきました。
 かなり冷え込んでいる日々に気が折れそうになりながら、ぬくぬくと身を暖かくして飲む紅茶の味は格別です。寒くて嫌になりがちですが、寒いということはささやかなことに温もりを感じやすいともいえるかもしれなくて、手元に幸せを見つけていけたらいいなあなんて思ったり、そんなこと考えていられずとにかくがたがたと震えていたり、そんな毎日です。

 さて、年始初回は2020年ベスト本を紹介しようと思っていたのですが、タイミングがタイミングなので、個人的なことを二点。

 一つは、出展予定だった京都文学フリマが中止になったということ。
 もう一つは、京都文学フリマで出す予定だった文庫本がやってきた!ということです。


 京都文フリに関しては、情勢を考えると致し方なしかと思います。いずれ同人誌即売会のようなイベントに出ることは夢の一つで、それがもう少しで叶うというところだったので残念ではありますが。かなり状況が悪くなっているので、開催されていたとしてもキャンセルする線が実は濃厚になっていたものの。うーん。
 いつか、気兼ねなく本を手渡ししあえるような日がやってくるまで、粛々と感染対策を行う他にやれることはありません。


 しかしもともとは出る気満々でしたので、それに合わせて一週間前に納品されるように締め切りを設定してなんとか作り上げました。その本が、今日、ついに、やってきました。

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 題名は「どこかの汽水域」。三つの小説による短編集。126ページです。


 一作目は、noteの「朝の記録」で9月から10月頭にかけて時々休みながら書いていた「墨夏」という小説で、当たり前といえば当たり前ですが日常的な小話の後に付け足していた日記版とは違って地続きの小説になっています。
 残りの二作品は、未発表作品です。
 二作目は「魚たちの呼吸」。
 三作目は「いつか声は波を渡る」。
 どの小説も丹精込めて書きましたが、特に「いつか声は波を渡る」に関しては、いつか必ず書かなければならないと思っていた3.11を題材にした小説で、あまりこういう言い方をするのは良くないかもしれませんが、非常に思い入れのある作品となりました。
 今年、2021年は、あの震災から十年目を迎えます。その節目となる年になってようやく本という形で出せることには意味がある。それは、非常に独りよがりなことではあるのだけれど。
 三月を目前に控えたこの時期に出すことはタイミングとしては最適でした。

 京都文フリのことばかり考えていたのでその後のイベントをどうするかなんてまったく考えられていなかったのですが、一応、通販を考えており、まだほとんど準備できていませんが、来週の文フリが開催される予定だった1月17日にページを公開する予定です。
 kindleでの販売も考えていますが、紙の本として形を成しているこの状態を大切にしていたいので、ひとまずは本のみです。自分で言うのもなんですが、表紙の、表と、背と、裏の、それぞれで雰囲気・印象が違うのが素敵で、実物でないとなかなか伝わり得ない感触だと思います。
 そういうわけで通販ページの公開に合わせて、各作品のあらすじや、試し読みなどを公開する予定です。本来は今日、この場でやるべきなのかもしれませんが、つい先程本が届いたばかりの今は、本そのものに感動していて、冷静になれません。個人的に既に反省点は出ていますがそれはそれとして、今はただ、本の形になってくれた、そのことを喜んでいようと思います。
 もしご興味のある方おられましたら、試し読みで読んでみて、それでなんだか気になったら、買っていただけたら、嬉しいです。もう本の形になった今は、ほとんど私の手を離れています。あとはこの本がどこか誰かの手元に流れていくように、場を整えていくのが残された仕事。肌に合うかどうかはわからないし、受け入れられるかもわからない。でも、誰かには届くかもしれない。
 誠心誠意を込めて、準備いたします。

 そういうわけで、来週の「うみのふね」は、引き続き、自分の本についてです。架空本屋として好きな本を紹介し語っていました頼りない船ですが、ついに! 本物の本を乗せて出航します!!(きっと)


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 しつこくても、何度だって。
 文庫本、手のひらサイズ、かわいいかたち。

 今週は、おしらせまで。
 来週も良かったら、どこかの海岸線でお会いしましょう。

たいへん喜びます!本を読んで文にします。