私の愛した200.96
博士の愛した数学を再読した。
毎年新潮社が夏休みに合わせてプレミアムカバーと称してシンプルで美しい装丁の文庫本を出してくださる一大祭り。今年はこの本が並んで、驚くやら喜ばしいやら、不思議な気持ちだった。プレミアムカバーは、明治から昭和にかけての近代文学を中心として、文豪による名作をピックアップするイメージが強いからだ。村上春樹もそうなのだけれど、その中に、今もなお生きて筆を走らせている現代の作家が入ると、なんだかすこし浮いているような、でも、そこに並ぶだけの力がある、愛さ