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初心者にも簡単だった「360度カメラ」 VR元年の予感

コロナ自粛で美術館も植物園も休業。動画や写真やVRを提供してくれていますが、それは撮影が上手なスタッフやプロがやっていることだと思っていました。VRとかARをテーマにしたパネルディスカッションでコーディネーターまでしたことがあるのだけれど、実はこれまで、自分で撮影したことはなく、その制作は専門家やオタクのものだと思っていたのです。

でも、世の中、全く違うレベルになっていたんですね。

今回、どうしてもリアルに中継したい!というモチベーションがあり、その実現のためのツールや撮影方法を探していました。目的は、「バラの咲いた庭を、その中を歩いているかのように見てもらうこと」です。

5月はバラが満開になる季節。私は毎年、友人を招き、一緒に満開のバラを楽しむ会を開いていました。ところが今年は、人をお招きできない。4月中旬から、一眼レフカメラやiPhoneで少しずつ画面を切り替えてバラを撮ったり、動画で庭の中を歩きながら撮影したり、試行錯誤していました。

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でも、どうしても、庭の全体像を把握したり、そこを「歩いているかのような」表現をしたりすることができません。

何かもっといい方法はないかと探すなか、初めて、リコーの360度カメラ「RICOH THETA」というものを知りました。初代モデルは2013年に発売され、その後、いろいろな企業が参入していたことも、わかりました。全く素人です。

私が購入したのは、昨年秋に発売されたエントリーモデル「RICOH THETA SC2」。
これを選んだ理由は、とにかく簡単そうで手が出せる価格だったから。


ゴールデンウイークが終わる5月中旬頃、バラは満開になり、見ごろを迎えます。それまでの1週間以内に使いこなせて、操作が簡単な機種がいい。高品質音声とか、手ぶれ補正とか、水中でも使える、といった高機能はなくて良い。

それでも、価格は3万6800円(税込)(メーカー発表時想定価格)と決して安くはないので、正直、ちょっと迷いました。

初心者にも簡単な操作性にビックリ

結果は、購入して大正解。こんなに満足度の高いガジェットを買ったのは久しぶりです。コスパが最高。
ここで言う「コスパ」は以下です。

設定がほぼ不要。箱から開けて、使い始められる。

マニュアルはあります。が、スマホに専用アプリ(THETA)をダウンロードし、製品固有のパスワードを入力するだけ。「どう撮影するの?」「何が撮れるの?」とも思いますが、とにかくシャッターボタンを押してみるが早い。「色々考える必要がない」とわかります。箱を開けてマニュアルを読んだ時間と設定、合わせて10分ほど。

シャッターを一度押すだけで、VR画像ができる。

最初は庭の真ん中に立ち、カメラ(THETA)を手に持って、電源ボタンを押し、WiFiボタンを押し、シャッターボタンを押しました。撮影はたったこれだけで完了。初めての360度画像が撮れました。庭に出てからわずか数分。

でも、360度なので、自分で腕を伸ばして撮ると、どうやっても自分が写ってしまいます。ましてや、カメラを持つ腕の太いこと、太いこと…。私は、「庭にいるような画像をつくる」ことが目的だったので、三脚にカメラを設置し、スマホで撮り直すことにしました。

スマホでの撮影も、ボタンを押すだけ。

三脚を設置後、家の中に入り、専用スマホアプリを立ち上げ、撮影ボタンを押すだけ。ただ、その日は曇り空だったので、曇り空モードを選びました。(*1)

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撮影後はスマホで確認。VRモードは「その場にいる」感覚

撮影が終わると自動的に、専用クラウドにアップロードされます。画像を見るためには、専用アプリ(THETA)の「デバイス(スマホ)内画像」ボタンを押すと、「通常画面」が開きます。
指でスワイプすれば、360度どの方向にも画像を見ることができるし、「VRビュー」(*2)を選ぶと、スマホを持った状態で自分が動けば、スマホでVRを体験できます。VRモードは、本当に「その場にいる」ような感覚です。

SNS投稿もワンボタンで。

自分で見るだけでなく、仲間に共有したい場合にも、「共有」ボタン(*)を押すだけ。

すでに当たり前に使っている人も多いのでしょうが、私にはとても斬新でした。リコーの回し者ではありませんが、これだけの「アウトプット」が、ワンボタンで設定もほとんどせずにできるなんて、すごい製品を作ったなと思います。

これだけ「先進的な」(だと思っていた)ガジェットが、こんなにも簡単に使えた感動は、初めてiPhoneを使った時を上回るものでした。

今後は、360度カメラを持つ人、増えるのではないでしょうか。

コロナで在宅を強いられたり、リアルな鑑賞活動ができなかったりするなか、「場」をリアルに伝えるツールとして、威力を発揮しそう。これなら、VRに全く関心がなかった人、私のような年代層やデジタル初心者にも広がる気がします。

ゴーグルつけてまで何かを見るのは、よほどのモチベーションがないとできない。スマホを使うにしても、その素材を作る側にはすごく技術がいる。まだまだ一般普及には時間がかかるのだろうなあ、と思っていましたが、今年は一般の人の「VR元年」になりそうな気がします

下記の記事によると、このカメラを開発したチームリーダーと一部が今春、リコーから独立し、さらなる小型カメラも作っているとのこと。確かに、初めて商品を売り場で見た時、「なぜ、リコー?」との印象がありました。こんな商品を出したメンバー、すごいと思います。突出した発想、チームだったのかもしれません。

「テクノロジーは嫌いじゃないけど、決してバリバリ使いこなす方でもない50代」の私の体験談を書きました。

バラを育てている70代の母は、このシーズンを迎えるまで日々、雑草をとり、水をやり、10種類以上のバラを育てます。
友達も楽しみにしてくれていたはず。在宅で気持ちが塞ぎがちな今だからこそ、私にも何かできないだろうか。

そんな気持ちを、満たしてくれた360度カメラ。在宅となった仕事も含め、次は何を「リアル中継」しようかとあれこれ考えています。「THETA」の公式ブランドwebページを参考にあれこれ妄想しています。

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