『真面目な人』についての覚え書き

こんにちは。
初めての方、はじめまして。

この短編小説は、2011年の10月に20枚の初稿が完成し、2017年4月に改訂版を、そして今回の投稿という風に、三回の修正を加えて出来上がったものです。

地方紙の文学賞に応募(20枚)→ 講座に提出(25枚)→ noteに投稿(27枚)、という過程で長くしてきましたが、最初の原稿から大きく変えたのは、女の正体を匂わす部分の加筆と、車内のシーンを濃厚にしたくらいで、ストーリーの進み方や作品のエンディングに変更はありません。

賞は落選しましたが、当時の選評で「端正な文体とフェティッシュな身体感覚との結合が独特」と、褒めて頂いたこともあり、欠点は多いですがそれらを含めて私には思い入れのある作品となっています。

この短編は、一風変わった方法で作りました。
落語の三題噺のように、関連性がまるでない言葉(お題)をまず自分で三つ考えて、そこから物語を発想していくやり方です。
自分で自分にお題を出す、というのも間抜けな感じですが、それぞれの言葉に近接性がなければ良かったのです。「同窓会」「UFO」「フェティシズム」の三つが即座に思い浮かび、どれも繋がりのない言葉だと判断し、この三つから発想して「真面目な人」という作品を書き上げました。

途中から強引に「UFO」を出したりしているのも、そういう理由からです。ただ、「脚フェチ」を書いているときは意外にもすごく楽しかったのを覚えています。暴力を書くのは苦手な方なので、暴力が必要なシーンになったら、代わりに変態を書こう、などと半ば本気で考えています。

小説のネタに困ったらこの三題噺方式であれば短編が量産できるぞ! とこの作品を執筆中、そんな浮かれたことを思いましたが、完成まで苦労が多かったので、もうこの方式で作品を創ることはしないと思います。懲りました。

今回もWEBでの読み易さを考慮して、適宜、行空けを入れました。投稿の際に、三分割にしましたが、元はひとつにまとまった短編です。初稿のときは別のタイトルでした。

お読み頂いた方に感謝を申し上げます。

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