海茶式コード表記法 ③3rdや5thの変化,7thの書き方
はじめに
こんばんは。海茶です。
今回は海茶式コード表記法について、Majorとminorの切替などの3rdや5thを変化させる際の書き方と、7th類の書き方について解説していきたいと思います。
今回は7thの表記についての改定も兼ねていますので、私のTwitterで紹介していたものとは少し書き方が変わります。
できるだけ拙作『クモヒトデのうまる砂の上で』で使用したものからズレないように気を付けていますが、ところどころ変化があるかもしれませんのでご了承ください。
Majorとminorの切り替え
基本の書き方
まずはMajorとminorを切り替える方法について説明します。
まず3rdに手を加えて別のコードを作る際には基本的に線の中央に何かを付け足す、ということにしています。
前回説明したダイアトニックトライアドにおいてMajorのものをminorにしたり、minorのものをMajorにする際には、コード線(通常のダイアトニックトライアドの線のことを次からこう呼びます)の中央に短い縦線(厳密に言うと、コード線と直行する短い線分)を書きます。
こんな感じで。
必須のルールではありませんが、真ん中に引く縦線は気持ち少し太目に書くと見栄えが良いと思います。
海茶式コード表記法では「より複雑な存在には複雑な外見を」という考えを採用しているので、一目見ただけで通常のコードとは違った響きを持っていることが分かるようになっているかと思います。
ⅦのMaj/minトライアド
Ⅶdimについては元がdimなので、少し扱いがトリッキーです。この後で登場するノンダイアトニックスケールのルートを持つコードにも共通しているので先に説明すると、「元がdimのコードをMaj/minにする場合はコード線の終端にループを付加したものをMajとして扱う」ということにします。
つまり、ⅦのMaj/minコードは以下のようになります。
sus2, sus4
sus2の書き方
次にsus2とsus4についてです。これらのコードはトライアドの3rdの代わりに2度や4度の音を使用します。3rdに何か手を加える場合はコード線の中央に書く、が原則なので、こちらも同様の書き方をします。
まず、sus2はコード線の中央下に1つ点を打ちます。
こんな具合に。
sus4の書き方
続いて、sus4はsus2と同じように、上に点を打ちます。
つまり、こういうことです。
sus♭2とかsus♯4とか
さて、一応susコードにはsus♭2やsus♯4のようなものもあるのでこれらの書き方についても定義しておきましょう(めちゃくちゃ不協和音なのでほとんど登場することはないと思いますが…)
それぞれ、sus2やsus4の点の代わりに短い縦線(厳密にはコード線に垂直な縦線)を書きます。
以上がsus系のコードの書き方でした。
omit3(パワーコード)
3rdを含まないコードを属にパワーコードと読んだりします。ギターをやっている人には馴染み深いコードなので、こちらも表記法を決めておきましょう。
3rdに何もないので、空白を表す○を3rdの位置に書きます。つまりこんな感じです。
Ⅶ以外をdimにする
次に、5thを変化させるものについてです。これらも3rd変化系と同じくコード線の中央付近に何かを付け足して書きます。但し基本的に3rdの変化記号よりも外側に書かれるものということにしておきます。
まず、Ⅶ以外のコードをdimにする方法です。これは「6」や「9」のような記号をコード線の下方に書きます。
ここで、元のトライアドがMajなのかminなのかによって「6」と「9」のどちらを書くかが変わります。元がMajなら「6」、minなら「9」を書くことにしました。
また、「6」のような記号を書いたものについては、「6」のループしていない部分をコード線と交差させるようにして書きます。
つまりこういうこと。
ここで記号を2種類に分けたのは、minをdimにする場合5thをdimにするだけなので音の差が少ないのに対してMajをdimにする場合は5thがdimになるだけでなく、3rdもminに変化するため変化の度合いが大きくなることを明示したい、という考えがあるためです。
Majをdimにする場合は記号がコード線と交差するので、見た目の厳つさ?も増える、というわけです。
Ⅶのdimについてはのちに説明する7thの辺りでちょっと厄介なことになるのですが、一旦後回し。
aug
続いて、augの書き方です。これはさっきと逆で「6」「9」のような記号をコード線の上方に書きます。
「6」と「9」のどちらを用いるかの条件はdimの時と同じです。元がMajのコードよりもminのコードをaugにした時の方が変化が大きいため、記号とコード線が交差するようになっています。
実際の表記はこちら。
7thの書き方
さて、ここまでが3和音の話でした。続いて音楽理論の比較的最初の方に登場する4和音、7thの話をしていきます。
なお、7thに関してはTwitterで軽く紹介していたもののルールが複雑になりすぎており一貫性がなくなっていたため色々改定をしていますのでご了承ください。
ダイアトニックセブンス
まずはダイアトニックスケール上で作られる7thについてです。7thや6thについては基本的にコード線の終端付近に記号を付けることとします。
ダイアトニックセブンスはコード線の終端にループがあるかどうかで書き方が変化します。まず、ループがない場合はコード線の終端に下向きの小さな縦線を接するように書きます。
このように。
コード線の終端にループがある場合はそのループを塗りつぶします。つまりこういうことです。
7thのM/m切替
7thは長短の区別があり、これにより△7と7が区別されています。これらも書けるようにしておきます。
こちらもコード線の終端にループがあるかないかで書き方が変わります。まずコード線の終端にループがない場合は小さな縦線を下ではなく上に付けます。
こういうことです。
コード線の終端にループがある場合は、ループを塗りつぶした上でループの外側に短い縦線を書きます。
3rdの変化と組み合わせる場合、7thの長短のデフォルトは3rd変化前のものと一致するものとします。
Ⅶの7thについて
Ⅶの7thを作る場合はメジャーコードのⅦを7th化の規則に従ってⅦ7を作ります。この時、7thは短7度を使用します。つまりこういうことです。
6thの書き方
次に、6thについてです。こちらはトライアドに長6度の音が付加されることで作られる4和音です。7thと同時に鳴ることはまずないので、こちらもコード線の終端付近に記号を付加するものとします。
こちらもコード線の終端にループがあるかないかにより書き方が変わります。まずコード線の終端にループがない場合は、短い縦線を下に2本書きます。
コード線の終端にループがある場合は、ループを塗りつぶさずに、ループの外側に2本線を書きます。こんな具合に。
因みに一応短6度を用いた♭6thみたいなものも作ることはできます。コード線の終端にループがなければ上に2本の縦線、ループがあればループの外側に2本線をそれぞれ反対の位置に書きます。不協和音になるので基本使うことはないです。
dim7
dimに更に短3度上の音を重ねたdim7は、「6」や「9」の記号を塗りつぶします。
aug7, aug△7, aug+P8
aug7やaug△7は今までの組み合わせです。
また、コード上は区別することはありませんが、augに更に長3度上のP8を重ねた和音についても、dimとの互換性を保つために定義しています。これは「6」や「9」をdim7の時と同じように塗りつぶします。
m7♭5(♭5th, ♯5th)
Ⅶ以外のm7♭5については「m7の5度が変化している」と解釈します。
ここで、5thの変化はコード線の中央外側に書く、という規則があるので、5thを半音上げたり下げたりした場合の書き方についても決めておきましょう。
まず、♭5thはコード線中央上部に「∨」のような記号を書きます。こんな感じです。
また、今回はまだ使いませんが、一応♯5thの記号についても決めておきます。トライアドだとただのaugになってしまうので、今はまだ「こんなものもあるんだな」程度に捉えていただければと思います。
さっきと逆で、♯5thにする場合は「∧」のような記号をコード線の中央上方に書きます。
おわりに
今回はここまでにしましょう。ちょっと長くなってしまいましたが、これで大抵の4和音は表現できるようになったかと思います。
次回はノンダイアトニックスケール(Cメジャーキーにおける黒鍵の音)の音をルートに用いたコードの書き方と、テンションコードやオンコードなどの書き方について説明していきたいと思います。
それでは次回もお楽しみに。海茶でした。
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