見出し画像

ハーフバースデーまでの育児は地獄か天国か?

 エン様(赤ちゃんのあだな)がハーフバースデーを迎えた。めでたい! そしてママもハーフバースデー! まじでお疲れ、私と画面の前のママさん!

 写真共有アプリにハーフバースデーの写真をあげたら、じじばばからエン様おめでとう、とコメントがついた。実母だけ、

「よくここまで無事にエン様のお世話を頑張りました」

 と、私にコメントをくれた。母のしんどさを知るのは母のみ。


 生後6か月を迎え、育児がだいぶ楽になった。エン様は夜1,2回起きる程度になり、おむつ替えの頻度は下がり、哺乳瓶を自分で持つようになり、離乳食をバクバク食べ、泣くことが減り、ごきげんでいられる時間が長くなった。個人差があるのでまだ大変な人もいるし、うちも大変な日はあるが、当社比でだいぶ楽になった。

 育児が楽になると同時に、出産からの半年間、大変なことやつらいことがたくさんあったはずなのに、忘れ始めている。私の性格的に、ポジティブなことばかり記録していて、ネガティブなことを書き残していない。でも事実を忘れるのもなんか違うよな~と、もやもやしていた。

 そこでママ友さんに意見を求めると、出るわ出るわ。やっぱりしんどいこと、たくさんあった。

 ということで、ママ友さんたちから募った産後半年の恨みつらみを整理してみた。こんな感じじゃなかろうか。

産後半年にやられる苦難

 身体のしんどさとメンタルのしんどさ、そこに細切れ睡眠がボディブローのように加わって、三つ巴となり産後の母親のHPを削っていく。それではそれぞれ見ていきましょう。

●身体系

-分娩ダメージ系

 後陣痛、あったわ。完全に忘れてた。ロキソニン飲みまくってた。4時間空けないといけないけど、4時間待ちきれない時もあった。痛かった……。

 会陰の痛みは産後しばらくのお付き合い。なんせ裂けたり切ったりしますからね。これも痛かった……。痛いって口に出してなくても、痛いんですよ。周囲の皆さん、わかってる?

 尾てい骨の痛み。これは私はなかったのだけど、出産のときにいきみすぎたり、赤ちゃんが大きかったりして骨にダメージがいくのかもしれない。人によっては骨折すると聞く。なんで赤ちゃん出すのに骨折せなあかんの。

 史上最強の筋肉痛。いきむ時に今まで使ったことのないあちこちに力が入り、出産の翌朝は前代未聞の筋肉痛だった。腕、肩、背中、足までガッチガチの激痛。サロンパス貼ってた(赤ちゃんは抱っこされるとサロンパス臭がして多分嫌だったと思う)。

 帝王切開の傷。個人的には、一番しんどい分娩方法は帝王切開だと思っている。だって切腹したあとすぐに育児が始まるとか、まじで無理ゲーじゃない?! 抜いたてのお腹に赤ちゃん乗せて授乳するとか、完ミだとしても、おむつ替えたりなんやらお世話するの、想像を絶する……。帝王切開の方、本当にお疲れさまでした。

 排尿障害。麻酔の影響などでガチの排尿障害になった方もいらっしゃった。そこまでじゃなくても「なんか出しにくい、終わらせにくい」感じはあった人が多いのでは。気持ち悪い。

 痔、便秘はなる人多いよね。私も便秘薬ユーザーだった。悪露もあるし、おしもは出血まみれ。

 骨盤ガタガタ感、あれは体験しないとわからない。「こうなるのか!」という逆に清々しい感じのガタガタ感。歩きにくいったらありゃしない。

 あと、産後のむくみ。出産で身体が大量の水分を失い、補おうと身体に水分をため込む。文字通り「ぞうさんの足」になる。顔もむくむくで気持ち悪い。

-おっぱい系

 頻回授乳。混合だとしても3時間おき1日8回、完母の場合は泣いたらくわえさせるので1時間おきのことも。……意味わからんよね。しかも赤ちゃんも飲むの上手じゃないからすごく時間がかかって、1回の授乳+おむつ替えが1時間仕事。だから授乳と授乳の間は実質最大2時間。休みなしの24時間勤務。意味わからん。よくやってた。えらすぎる。

 胸の張り。きつい人は服が触れるだけで激痛らしい……。まな板の私ですら、うわうわうわ、張ってきた! という感覚はあって、搾乳することもあった。一番やばかったのが、お宮参りで着物を着て前の授乳から10時間空いた時。爆発するかと思った。

 乳首の出血、血豆。私は初めての授乳の翌日に血豆ができた。こんなところに血豆ができるなんて! 痛い、いたい。馬油とピュアレーンを塗りたくっていた。

 乳腺炎、乳腺が詰まり、何故かインフルエンザのような症状が出るという怖い病気。産後のしんどい状況の中、38~40℃が出るとか、考えるだけでも恐ろしい……。しかもおっぱい激痛なんでしょ、怖すぎる。

 母乳拒否。赤ちゃんが飲んでくれないこと。悲しかったー。泣いた。

 より月齢が進んでくると、噛まれるらしい。そりゃあ何でも噛んでるもんな。エン様は今日、紙食べてた。紙を噛みちぎるような力で乳首噛まれたらたまったもんじゃないわ。

-赤ちゃんにやられる系

 意味不明のギャン泣き。最初の方はなんで泣いてるのかわからないし、赤ちゃんがどんどん変化していくので泣く理由も変わるし、全然理由がわからない。AI泣き声分析に何度助けられたことか……。

 外出先でのおむつ漏れ、吐き戻し。離乳食が始まるまでのゆるゆるうんちがとめどなく漏れる。毎日オキシ漬けをした期間もあった。それを外でやられると絶望。最悪、ベビーカーやチャイルドシートも犠牲になる。洗うのめちゃくちゃ大変。

-抱っこ系

 肩こり。授乳や抱っこで今まで使わなかった筋肉を使う。また赤ちゃんのお世話や遊ぶ時も少し前屈姿勢になるので、肩にくる。

 腰痛。骨盤ガタガタな状態で赤ちゃん抱っこするので、ひずみがひどい。腰がパンパンに張ってくる。エン様は既に9kgの重量級ベビーなので、肩も腰もやばい。

-その他

 抜け毛、まじでびっくりする量の抜け毛。ゴソォ、と抜ける。排水溝が真っ黒で心配になる。同様に、切れ毛も多い。前はこんな髪の毛の断片見なかったのに、という断片が床に落ちている。悲しくなる。

●メンタル系

 赤ちゃんを出したことで身体がぶっ壊れて、ホルモンもぶっ壊れて、メンタルが暴走状態。毎日、嬉しくても悲しくても大号泣してた。そして、小さな小さな些細なことが気になって、感情が大爆発する。里帰り先で両親とケンカしたとか、夫とケンカしたとかいう話が後を絶えない。産褥婦は一触即発状態と、周囲が理解しておくべき。

 身体も精神もボロボロのまま、育児が休みなく始まる。しかし、初めてのことで何が正解かわからない。授乳量、これで合ってる? 沐浴はこんな感じでいいの? 肌が荒れちゃったけどどうしたら? なんで泣いてるの? 正解が分からない不安。そもそも正解なんてないのだけど、それでも正解を求めてしまう。

 新生児はあまりにかよわくて、寝ている時に息しているか気になってしまう。SIDSも怖い。赤ちゃん死んでないか、不安。

 その後、ワンオペ育児に慣れた頃、1日の終わりに「今日何してたっけ……」と思い始める。To Do はいっぱいあるのに、産前のようにこなせない。赤ちゃんと出かけようと思ったのにタイミングを逃して行けなかった、ということもよくある。やれるはずのことができないとわかると、自己肯定感が下がる。人間を育てるほど付加価値高い仕事はないのに、ね。

●細切れ睡眠

 出産日から常に、産後半年経とうが容赦ない、細切れ睡眠。これが諸悪の根源。身体のダメージも回復しないし、メンタルも落ちる。悪化すると、赤ちゃん寝てるのに自分は寝られなくなったりする。意味が分からんすぎてつらい。寝たい。1分1秒でも寝たい。夜通し寝られるのはいつなのか、待ち望むばかり。



 はてさて、こうして産後半年のつらいことを振り返ると

 地獄やん(‘・_・`)

 全身が痛くて、メンタルぶっ壊れ、細切れ睡眠が煽りをかけてくる。人によっては夫や家族とうまくいかなかったり、近所迷惑を気にしたりして心労が増える。産後はやはり地獄なのか……?

 体感として地獄だったかというと、そうではなかった。赤ちゃんが笑う瞬間は、天国のような幸せに包まれた。

 赤ちゃんは日に日に、可愛さが増してくる。最初は新生児微笑しかしなかったのが、少しずつ社会的微笑が出てきて、笑顔が大きくなって、声をあげて笑うようになる。「嬉しい時や楽しい時は笑うんだよ」と教えてないのに赤ちゃんが笑うの、ほんとすごいと思う。

 産前は穏やかに平凡な日々を過ごしていたのが、産後は基本しんどいけど、瞬間的に今まで味わったことのないような幸せがある感じ。

なんとなくこんなイメージ

 確実に言えるのは、私たちは新しい世界に踏み入れて、わけもわからずなんとか半年間、一見地獄とも思えるような日々を赤ちゃんを育てながら乗り越えたということだ。いくら労ってもあまりあるくらい、頑張ったよ。
 でも周りは皆赤ちゃんのハーフバースデーで頭がいっぱいだから、せめてママ同士で労おう。

「よくここまで無事に赤ちゃんのお世話を頑張りました」



 そういえば、産後2ヶ月の時点でも似たような記事を書いていました。よろしければこちらもどうぞ。

 この記事がおもしろかったよ、共感したよという方は♡押して行ってくださると喜びます! 最後までお読みいただきありがとうございました。
 
《終わり》

この記事が参加している募集

#子どもに教えられたこと

33,015件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?