香港の教育制度ってどんな感じ?
大学の授業で香港の教育視察のプログラムがあるのですが、そのためには選考に受からなければなりません。
その選考のための第一課題として、山田美香さんの『公教育と子どもの生活をつなぐ香港・台湾の教育改革』(2011)という本の第2章香港の教育制度と教育政策を要約、疑問点、考察を提出しなければならないのです!
私は前回のプログラムへも参加しているので、対象としては優先度が下がるらしく、参加できない確率の方が高いのですが、粘って粘って頑張ろうと思います!
ということでポイントまとめ開始!
【はじめに】
香港というのは、イギリス統治下(1842-1941,1945-1997)、日本占領期(1941-1945)、中国返還後(1997-)という時代区分がなされます。
こういう関係もあって、イギリス学制(6・5・2制)を取っていましたが、のちに日本や台湾などと同じように6・3・3・4制をとるようになりました。
1980年代の香港は、各種学校の試験が多数あり、競争社会となっていました。大学に入ることのできる枠も少なく、エリート教育を行っていました。
しかし、2009-2010年度から6・3・3・4制が導入され、高校は義務教育と規定されていないものの、授業料無償化によって実質18歳までの教育を保障しています。
では、なぜエリート教育からすべての子どもへの教育へ方向転換がなされたのでしょうか。どのような過程を経て中学三年、高校2年の中等教育へ移行していったのでしょうか。その過程における議論を本章では見ていきます。
【学校制度の構造的変化】
1978年から中学3年までが義務教育になり、中学5年まで行くものが多くなっていく。これは高校入試がないからである。しかし、中等教育は学年が上がるにつれてクラスが少なくなる半ピラミッド式の人数編成になっている。
現在は過渡期であるため、学年の人数の平均化が図られつつも、高校3年生のクラスが少なかったりなかったりすることがあるらしい。
【小学】
1955年から政府は小学校全入の取り組みを行っていった。1960年代は小学校入学後に退学する児童も見られたため、学区を施行したり、小学教育のために必要な社会政策を施行した。しかし、多くの低収入の保護者は、官立小学の授業料免除、学齢児童の入学の計画を知らなかった。
学校は官立、資助、私立がある。官立の運営は香港の教育局によって行われる。資助の運営は理事会が行うが、大部分の資金援助を政府によって行われているため、補助金の用途について縛りがある。私立学校は学校運営団体が経営しており、児童生徒の授業料によって負担されている。
【全日制小学】
小学校は午前校、午後校、全日制があった。時代を追うにつれて、全日制に変えていこうという働きかけがなされ、現在ではそうなっている。しかし、施行当時は、児童の学習時間学業の負担の増大や、教師の授業準備の負担の増大が叫ばれた。
【小学生の一日】
大体日本の学校と変わらない印象を受けた。特筆すべき点としては35分授業が8時間あるという授業構成や、有償・無償のクラブ活動、登校は保護者、祖父母かフィリピン人メイドとともに行うというところである。
【小学入学】
小学校に入学するためには2つの方法がある。①自行分配学位②統一派位である。
自行分配学位は小学校が入学者を決める方法である。このとき、保護者の出身校、兄弟が通っているなどのかかわりが深い人物には加算され、入りやすくなる。
日本ではなじみの薄い選抜方法(どこかの大学への皮肉ではない)であるが、結構東南アジアでは普通にやられていたりするので日本が特殊な可能性があるかも。タイのチュラロンコン大学附属中学校やルアムルディインターナショナルスクールも割と有終の学校であるのだが、教師の子どもや関係者の子どもは選抜試験を受けずに無条件で入学できる。うーん、日本の学校もあっていいのかもね。学校に貢献している人間を優遇するって悪いことでもない気がするけど…。
統一派位は志望校を第三希望まで記入し大型電算機によって振り分けてもらう方法である。
と今回はこの辺で。そのまま書いているので著作権に触れたらどうしようって思っているけど、やばそうなときは教えてほしい。あくまで自分のためのまとめなので非公開設定にします。
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