香港の教育制度ってどんな感じ?②

山田美香さんの『公教育と子どもの生活をつなぐ香港・台湾の教育改革』(2011)という本の第2章香港の教育制度と教育政策をざっくり自分のためにまとめていきますノート②!!

こちらの本です!アフェリエイトではないので、全然クリックしなくていいですよ(笑)

早速まとめていきます。ざっくり。

【英語教育の微調整】

英語教育を重視する台湾では、英文中学への進学が重視されてきました。

英文中学は英語ですべての授業を学ぶ学校です。中分中学は、中国語で学ぶ学校です。

イギリス統治下では、英語を学んでイギリスの大学に…のほうがいいのかもしれませんし、香港の言葉は広東語ですから普通話を勉強して中国の大学に入るのも何だかんだいっしょなのかもしれませんよね。

高等教育に自国の言語でアクセスできるのはアジアではでは中国と日本ぐらい、なんて言われているのを聞いたことがある方もいるかもしれません。

英文中学は作られる数が決められてしまったため、英文中学はエリートの証になります。

そんな中で中文中学の中でも成績のいいクラスは教授言語を英語にすることができるようになりました。また、英文中学の中でも、授業についていけない子どもたちに中国語で授業をするようになってきました。

しかしこの対応は、英文クラスは頭がよく、中分クラスは頭が悪いという印象を与えるという問題が指摘されています。

しかし、英語編重の動きは変わらないそうです。

【中学進学】

中学進学はもとは小学五年の後期ー小学6年生の成績によって学区内の子どもを5組に分け、1組から順に学校を振り分けていくという方法であった。

現在は自行分配と統一分配で行われている。

自行分配では、筆記試験を行わない学業成績、面接、課外活動などで決まる。日本でいう推薦入試のようなものである。

統一分配ではまた電算機が登場し分配される。

また、学業成績は教科によって異なるウェートがかけられる。中英数のウェートが最も高い。

【一条龍、小中連携】

日本でも小学校と中学校を接続し、いわゆる「中1ギャップ」を解消しようという試みである小中一貫校「義務教育学校」が存在しますが、香港にも小中連携が存在し、それを「一条龍」といいます。目的も、中学校進学時の適応困難を減らすため、とあるので日本とほぼ同じであると考えられます。

香港の一条龍は

         小学校1校    小学校数校

中学校1校      ①        ②

中学校数校      ③        ④

という4パターンがあります。これはどちらからでも手続きを踏めば解消することができます。

実際、一条龍は役目を果たしているのか?という点では疑問が残ります。

これは、連携している小学校から連携している中学校への進学率がそれほど高いわけではないということから分かります。

実際、頭のいい子どもたちは自行分配でさらに上のレベルの学校へ行き、残った学力の低い子どもたちの受け皿として連携中学校を利用している小学校もあります。

日本の大学附属とおんなじイメージですね。入っちゃえばこの大学までストレートで行けますよ~。でも頭のいい子たちはどんどん上のレベルに抜けていきますよ~。ありがちだなぁ。指定校推薦と混ざったようなものを感じます。

しかし、戦わせ続けなくていいという利点もあります。以下孫引きです。

「彼らに読書の楽しみを養成し、人とモノに関わる態度を養成し、遊戯の中から楽しんで学習させる。幼稚園から小学、中学、大学まで行けば、個人の学習記録を連携学校に提出し、先生も児童生徒の良い点、悪い点、学習の困難、家庭の問題などの学習に対する影響をすぎに理解でき、評価、指導もできる。」

一条龍はこういう風になるのが理想だったけど、そうならないことも多かったってことですね。


というところで今回はここまで。失礼いたします。

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