「あなたは誰なのか」を開示せよ。就活の先にあるもの。#アンコンシャス・バイアス
近頃、動いてみて起こりはじめた変化に驚いている。
昨年はじめた一人企画、女性の目線で見た「女性の働き方と生き方」に関する記事を、2022年10月2日から本格的に書きはじめている。
すると記事を読んで下さる方が増え、マガジンで紹介して下さる方や、引用して下さる方が増えてきた。
ありがたい。
記事の紹介
そんな中、きょうはyahoiさんがわたしの書いたジョブ型の記事を紹介しつつ素敵な記事を書いて下さった。
長く米国にお住まいのyahoiさんにとっては、恐らくジョブ型という言葉は耳慣れないはず。なにしろこれは日本の研究者の造語なのだから。
けれど欧米の働き方をジョブ型とすることで、日本の働き方の特殊性が面白いほど浮かび上がる。これはとても便利な言葉だと思う。
そのyahoiさん、お嬢さんの職歴をジョブ型を通して書いて下さった。
今日はその一部、日米の就活の違いが興味深いので、ここでご紹介させて頂きたい。
日米の就活の違い
yahoiさんのお嬢さんはテキスタイルデザイナー。
初職で日本企業を目指されていたものの結局日本の企業では働かれていない。それはお嬢さんが日米の就活の違いにショックをうけられたから。
その違いを2点、ここで書かせて頂くと、
①新卒・既卒
まず、米国の履歴書は顔写真なしで年齢や性別や人種は尋ねてはいけないというルールがある。日本企業に憧れて就職を希望されていたお嬢さん、NYで開かれた日本企業のジョブフェアに顔写真付きの履歴書を持参された。けれど、そこで新採用に際しては新卒かどうかが大切と日本企業の担当者に説かれて酷く驚かれたという。
②ポートフォリオ
さらに、日本企業は新卒一括採用。ゆえに持参されたポートフォリオに日本企業の担当者がまったく関心を向けられなかったという。そこにも驚かれている。そりゃそうだ。きっと一体何のために大学まで行って学んだ?!という疑問がぬぐえなかったに違いない。
そうしてお嬢さんは、日本と米国との働き方の違いに失望され、米国企業に就職されたのだという。
雇用の機会の平等とは
内閣府のホームページに記載されているが、2018年10月、経団連は今後「採用選考に関する指針」を策定しない方針を明らかにしたとある。
こうしたことから、日本の新卒一括採用という形は、企業と国とで作り上げてきた形だということがわかる。
わたしは1980年代後半、大手総合商社で短期間働いていたが、当時から欧米にある日本の子会社はその国のルールで人を採用をしていた。
それは日本の大企業の大半が、欧米の採用時のルールを当時から知っていて、それが世界標準ルールであることも知っていたということ。
ところが日本では、今でも若者が就活の際特別な写真を撮る。それほど就活では写真が重要視されるということ。
企業がそれを求めるから、皆がそうするから、誰もがそれを疑問に思わない。
そのことが疑問でもある。
欧米には、人が生まれつき持つ属性である顔写真や年齢や性別を企業側が求めてはならないというルールがある。そのルールのベースには雇用の機会は等しくあるべきという思いがある。
企業へ入る、その入り口でアンコンシャス・バイアスが発動する可能性の高い要素を企業側が自ら取り除く、それは実にフェアなルールだ。
そのことを、そろそろわたしたちは考えなければと思う。
おわりに
日本でも、今、大手企業が一部ジョブ型を導入しはじめている。新卒一括採用が崩れジョブ型が導入されるようになると、企業はデザイナーであればポートフォリオをチェックするだろうし、新人でも給与格差が開いてくるだろう。
けれど現在の日本の就活のルールは世界標準からはほど遠い。
そんなことを今日はyahoiさんの記事を読ませて頂いて思った。
次回はyahoiさんのこの記事で、もう一つのテーマについてもお話ししてみたい。
yahoiさん、素敵な記事とご紹介ありがとうございました。
※最後までお読みいただきありがとうございました。
※スタエフでもお話ししています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?