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男性の応援が嬉しいわけ。「主婦年金」と「主婦のパート」2つの主婦問題。


女性の働き方をここnoteで語ると、よくお叱りを受けてきた。わたしは主婦で、主婦には甘えているというスティグマが貼りついていて、だから生意気だと思われるのだろう。

では、主婦の問題はいったい誰が考えればいいのだろう。


そうしたら先日、お2人の男性から応援メッセージが届いた。



主婦はくたくた

この社会では主婦年金が問題だと語られる。けれどいつまで経っても主婦のパートは問題にならない。これではまるで主婦問題は一つしかないようだ。


この国では、被扶養者である主婦に国が年金を、企業が配偶者手当を出してきた。それと引き換えに、主婦は企業から最低賃金で使われてきた。

そう、主婦年金主婦のパートはセットだったのだ。

主婦問題は一つではないということ。

2つあるのだ。



ところが主婦年金のみが悪で、主婦には厚生年金を納めよと誰もがいいはじめた(詳しい内容はこちらをお読みください)。


それでは主婦はくたくただ。

働いても働いても稼げないのだから。

もうくたくただ。



応援メッセージ

そんな配信にメッセージが届いた。

聞けば聞くほど理不尽ですね… こんな仕組みにしといて子供産んで下さいて…

みやたてい@Kindleベストセラー作家さん Stand.fmより


と、現在育児に真正面から取り組んでおられるみやたていさんがStand.fmでコメントを下さった。


それから、HIROYUKIさんは、妻がパートで働いている。口にはしないけれど妻も思うことがあるのかもしれないとStand.fmにコメントを下さった。


お二人は、驚くほどフラットな視点で記事をお読みいただき、そして2つの主婦問題をごく自然に捉えてくださった。

わたしを面白がってからかわれてきたのは男性だったけれど、近頃は男性の声も届きはじめている。それは感じている。

主婦のパートは社会の隅っこの、どうでもいい瑣末な問題だと捨て置かれる運命にある。そこにコメントをくださった。それが嬉しい。



女の問題は男の問題

そもそも女の問題は男の問題でもある。ドイツでもシンガポールでも、夫は定時に仕事を終えて家に帰ると聞く。日本がアジアだから長時間労働があたりまえというわけではない。

この長時間労働を支えてきたのは日本のたちだ。そしてこのスタイルを受け入れてきたのはたちでもあったのだ。


けれど、この働き方と暮らし方を強く望んだのは企業だったはず。だから妻には国が年金を、企業が配偶者手当を出してきた。そして企業は妻たちを昭和20年代から最低賃金で働かせてきた。

妻は優遇されてきたといわれるけれど、国も企業もパートで働く主婦から多くのものを奪ってきた。賃金だけでなく、働く喜びも、働く意欲も、そして労働者としての誇りさえも奪い続けてきた。それが最低賃金で働き続けるという身分に閉じ込められた主婦の問題。

国と企業を支えてきたのは夫婦でも、妻のみが甘えているといわれる。

けれど、その妻たちは最低賃金企業を支えてきたのだ。どんなに働いても妻は家にはわずかな賃金しか持ち帰れない。

けれど考えてみてほしい。女の問題は男の問題でもあるということなのだ。

そしてわたしたちは貧しくなった。



欧米社会のように女性が働けたなら

日本の女性は貧しくなった。気の毒だといわれる。それなのに主婦のパートはなくならない。「あなたが嫌なら他にいくらでも働き手はいるんですよ」といわれる。ハローワークとて同じ。だから仕方なく皆最低賃金のパートで働く。


それはこの国独自の働き方なのだ。働き方を属性で分ける国など先進国には無い。男か女か、既婚か未婚か、夫がいるかいないか、それは単なる属性に過ぎない。あなたにはお子さんがいますよね、なんて評価をされても、それは男性の子どもでもあるのだ。

賃金とは仕事に対して支払われる対価であってほしい。


そして単純に主婦が短時間労働者として働けたなら、妻だけでなく、夫も世帯も楽になるということ。

学び直しを!なんていわれても今の大卒者の多くが40歳代まで奨学金の返済に追われる。もしも妻が稼げたら、夫婦交代で学び直しだって夢ではない。

だからこのままでは出産はペナルティになるのだ。

もしも主婦の労働が短時間労働なら、たとえ離婚しても、夫が病気になっても、夫が死んでも、妻は子どもを育てていける、誇り高く生きていける。

それさえ望めない妻の問題は夫の問題でもあるということ。夫婦は子どもを産むことが楽しい未来に思えなくなる。



おわりに

大きな声や、勢いのある流れに人は巻き込まれやすい。

「主婦の年金問題は深刻です。無くして行かなければいけません」と専門家の深刻そうな声がする。けれどこの年金ができた1986年から財源の危うさを危惧する人はいたけれど、そこから30数年後の今、主婦は稼げず、夫も、世帯も貧しくなってしまっている。

妻の問題は夫の問題。そしてちっぽけな問題と捨て置かれる主婦のパートを問題にしたくない人は山ほどいる。女性は使い捨て出来る便利な社会になってしまっている。たとえ今は正社員でも、ふとしたことで女性はパート化する。働く人にとってこれは実に怖い仕組みだと思う。

こうした問題を共に考えて下さった皆様には感謝しかない。


※最後までお読みくださりありがとうございました。



※スタエフでもお話しています。



※こんな嬉しいお知らせをいただきました。


ありがとうございました✨

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