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いったい何が起こったんだ?と思ったクラファン最後の日

わたしの活動は、実に地味な活動だ。誰も振り向かない古くて新しい問題を、これは本当は大問題なんですよとコツコツnoteに書いてきた。

やっとのことでクラウドファンディングを立ち上げて、そこからせっせとメディアリリースもした。メディア側に見えるように動けば、この大問題を取り上げてもらえると思い込んでいた。笑っちゃう。誰も取り上げてはくれなかった。幼かった。古くて新しい問題は、そうして社会の下の方に沈んでいるのだった。分かっちゃいたんだけれどね。でも自分のことって、人はなかなか分からないもの。

途中、お世話になったメディア側の人にお会いした。その方と話していてようやく分かった。メディアはセンセーショナルな事件を探している。メディアとはそんな仕事だ。古くて新しい問題はスポットライトにはふさわしくない。そのことを分かりやすく教えてもらった。そして応援していると言ってもらった。

ここから、わたしの活動は草の根だと自覚した。あはは、おめでたい奴だ。世の中ってものがちっともわかっていない。メディア側へ向かっていた世間知らずな目線を、ここでわたしは完全に目の高さまで引っ張り落とせた。

これがよかった。

よし、ここからやってやるぞ、と思ったところから、世の中が初めて見えてきた。そこからひたすら走り続けた。

走りながら、わたしの人生で欠けていた大切な要素を身につけた。お願いだけを繰り返すという初めての経験。直ぐにできたようでも、腹の中までそれができるようになるのにちょっとだけ時間がかかった。

気分を切り替える速さのスピードも恐ろしく上がった。これはそもそも早いタイプだと思うけれど、より早くなった。

苦手な人も減らせた。信頼できる人ととはより濃く、やや苦手な人とは程よい距離を保ちつつも、何かの折にひょいとそこを飛び越えて、やっぱいい人じゃんと思えたりした。

誰もが忙しく、誰もが働いていて、誰もが自分のことで精一杯の世の中に、そんなジタバタを繰り返しながらコアの仲間ができてきた。奇跡だった。

人の中に居続けた日々だった。

それから、だれだ?人のことをここまで考えられる人は!と驚くことがどんどん増えた。まるでわたしの心の中まで覗いているような励ましの声が届いた。それ以上頑張らなくてもいいけれど、でもがんばってねってことだなと可笑しくなった。わかったよ。

そして、残り4日になって、風が吹き始めた。コアの仲間以外に、外から恐ろしい勢いで応援して下さる人たちが駆けつけて下さった。

風が吹いたどころじゃなくて嵐になった。

あなたが諦めちゃダメなんだ。あなたが最後まで走り続けたら、きっとみんな助けるから、と励まされた。

そうか、わかったと動き出して、みごとに声が出なくなった。ずっとstand.fmでliveで話し続けた。もう、こいつ煩い奴だと思われる怖さなど、とうに超えられた。

行くしかなかった。

そして最終日、もう意味がわからなくなった。

Xで応援や拡散をしている人がいる、お礼しなきゃと動いていると、スタエフでも応援と拡散が始まったという。追いきれない。言ってくれなきゃわからない。誰だ!わたしの知らないところでわたしのことを応援してくれている神は!と思いながらもちっとも追いつけない。

ご支援をした方のコメントに、このnoteの人のコメントもどんどん増えてきた。なんてこった。

インスタで拡散が始まっているよと教えてくれた人がいた。わたしは生憎インスタはやっていない。見えない世界での拡散が始まった。Facebookで拡散したよという声も聞こえてきた。追いきれない。なんてこった。

何もできないわたしはひたすらスタエフでliveを立ち上げた。日頃はリスナーは二桁だというのに三桁になっている。なんてこった。嵐だ。

知っている人も、知らない人も、どんどん上がってもらって話をした。誰もが応援してくれている。話しやすい。

わたしのテーマはマスメディアじゃなくてよかったんだ。本当にそれでよかったんだと分かった。

わたしたちは既に個人メディアで動いている。個人が集まればプチマスメディアにだって近づける。だって、これほど遠い人にまで声が届き始めたのだから。個人だって集まればこれほど強い。

嵐がおこった。


そして、わたしのクラファンのサムネを表紙にクラファンについてこんな記事を書かれている方がいた。

『群衆(クラウド)』と『資金調達(ファンディング)』から成る言葉でインターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する事
◯メリット
『手軽さ』『拡散性の高さ』
『テストマーケティングに使える』
『作りての顔が見え、双方向のコミニュケーションに繋がる』
◯デメリット
『実施方式により資金調達できない』
『リターンが提供されない可能性』
◯起案者
『アイディア』『想い』
『こんなモノやサービスを作りたい』
『世の中の問題をこう解決したい』
◯支援者
『応援したい』『試してみたい』
◯問題点
『社会課題が顕在化』しているのに
『見ないふり』『後生に先送り』『責任逃れ』
『自分の利益優先』他
◯解決策
『良識のある支援者を募る』
『知ってもらう』
→『課題解決できる雰囲気の醸成』
【『やりたい事』『想い』を小さい事から何度でも繰り返せる方々が増えたら日本はより良くなりますかね】


実に見事にクラファンを表現された記事だ。


インターネットを介して不特定多数のる群衆(クラウド)から少額ずつ資金を調達(ファンディング)するのがクラファン。

このクラファンの途中、わたしはに関心のある方とお会いしてお話しをした。その時思ったのだ。今では株は世界中の人たちが普通に認めている蓄財の手段の一つ。

けれど、渋沢栄一氏は、自分の儲けのための株は一株も持たなかったといわれている。氏はその会社が社会にとって本当に必要だと思ったなら、その会社の株をかったという。

クラファンとどこか似ている。

そもそも株式とは、危機管理で生まれているはずだ。遠い昔の記憶だけれど、16世紀イギリスで船を使った貿易で嵐などの船事故が起こると、運んでいた商品が海に沈んでしまう。そこで一社では追いきれないリスクを分散するために株式を発行してリスク管理を始めたはず。

クラウドファンディングはどこかこの仕組みと似ている。わたしの場合は「女性の働き方を変えたい」という考え方をクラファンで表明した。古くて新しい問題をこのままにしたくはないのです、誰かわたしの声を聴いて下さいと。

それに対して、いいじゃないかとご支援が集まり始めた。商品のない情報をベースにした企業だってリアルにある。そんな企業とて上場していたりする。売れない情報と決めつけないでほしい。この情報は社会の下に沈めたままじゃいけないと大真面目に思っている。悪くないねその考え、という渋沢氏のような人々にわたしは少しずつご支援いただいたのだと思っている。

わたしは今回、キャンプファイヤーという日本で最大のクラファンでチャレンジをした。見て下さる方も多いけれど、競争相手もそりゃ多い。それでも、最後は「ビジネス・起業」の分野でトップでゴールした。支援者181名、101%達成。達成と未達成ではやっぱり意味が違った。達成した先には未来が開けていた。頑張るぞ。

それにしても、一体何が始まったのか、最後まで追うことが出来なかった。実は今もまだ追い切れていない。先ほどの記事で書かれていたように、わたしは今回、

◯問題点
『社会課題が顕在化』しているのに
『見ないふり』『後生に先送り』『責任逃れ』
『自分の利益優先』他

という点に共感したという声を驚くほど沢山いただいた。そんな人たちが、

◯支援者
『応援したい』『試してみたい』

と駆けつけて下さった。

知らない人がどんどん増えて、そして、

◯解決策
『良識のある支援者を募る』
『知ってもらう』

という当初の目標の一つが達成した。

もちろん、もう一つの目標は資金調達だった。活動には費用が必要だ。手弁当で稼げない女性の問題を女性たちで考え続けるにはきつすぎる。ここで頂いたエネルギーをガソリンに変えて、古くて新しい問題を社会の表に引っ張り出してやるぞとわたしは今燃えている。

何事もやってみなければわからない。

きっとこれは宿命なのだ。わたしはこの問題をもう10数年抱えて動いている。そしてようやく活動資金が集まった。

クラファンは、群衆の中の良識ある支援者にその思いが届いた時から小さな資金が集まり始める。不特定多数の方々だ。義理で渋々という関係ではない人たちの心が動いた善意の支援だ。マスメディアにはふさわしくないといわれた草の根活動にはぴったりのチャレンジだったのだった。

おもしろき30日だった。

ご支援や応援をしてくださった皆様、本当にありがとうございました。


※スタエフでもお話ししています。

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