ジョブ型とかメンバーシップ型とか。で、女性はどうなるの? #シリーズ〈女性の働き方〉No.1
欧米の言葉がこの国に持ち込まれると、その時から、ぼんやりとしていたものがわかったような気分になる。
創り出された言葉もまた同じ。
その新しい言葉が指す全体が、すっかりわかったような気分になる。
ジョブ型とメンバーシップ型の違い
この国では今、ジョブ型が増えはじめている。
最初は主に女性が対象だったけれど、DX時代の到来に働く人の数が減ってきた。だから優秀な若手採用に向けてジョブ型を取り入れる企業が出てきた。
まだ新聞記事になるほど珍しいことでもあるけれど。
そのジョブ型が従来の日本の働き方と異なることは下の記事でも書いている。
そう、ジョブ型は欧米からやってきた。
その働き方は、処遇が職務と産業別に分かれる。
つまり、賃金体系が標準化されている。
ところが日本にはほとんど組合がない。あっても組合は企業の中にある。だから会社によって賃金が違う。
そう、日本の賃金体系は職能給や企業別の労働組合で決まる。
つまりこの国には企業内ルールがたくさんあって、社会に賃金体系の標準化がない。
そう、欧米と日本ではこれほどベースが違う。
働く実感
そのベースが異なるジョブ型が日本に入ると何が起こるのか、気になる。
このことを研究しているのは雇う側。
けれど雇われる側は?
知っているだろうか?
そこが気になる。
そうしたら先日気になる記事を目にした。
日本の外資企業で働かれるちゃわんさんのジョブ型に関する下の記事だ。
彼女はジョブ型にモヤモヤを感じられている。
それは徹底された職務型の抱える問題。
働き方が分離されていることで仕事の効率化は進むけれど、やがて仕事に飽きてしまうという悩みと、一度職務に振り分けられるとジェネラリストへの転換が厳しいという悩み。
とはいえ、すでにメンバーシップ型には限界が訪れ、ここから先、日本は世界標準のジョブ型へと移行していく。
インタビュー
そのちゃわんさんに、先日、勇気を出してお願いをしてみた。わたしが現在活動している音声配信アプリのStand.fmにおいでいただけないだろうかというお願いだ。
記事を読ませていただいて、ちゃわんさんも働き方にモヤモヤを抱えていらっしゃるのではと感じて、であればおしゃべりがしてみたいと思ったのだ。
わたしはこれまで、外資で働く人と話したこともあるし、そうした方の話も幾度となく聞いてきた。
けれどどなたかに、わたしが抱えるモヤモヤについて直接お尋ねしたことはない。
わたしは研究や図書からジョブ型の知識を得た。ただそこに書かれていない女性の話が気になって仕方がないのだ。
そんなことをどなたかに聞いてみたくてうずうずとしていた。
もちろん、お聞きした話は、ここnoteでもまた引き続き考えていくことになると思う。
そんな図々しいお願いを快諾してくださったちゃわんさんには感謝しかない。
保護する
この国では産む性である女性は保護しなければという考えを持つ人がいる。
その保護という言葉に視点を置きながら、ここからシリーズとして女性の働き方について考えてみたい。
職務と産業別で賃金体系が標準化されている欧米。だからこそ同一労働同一賃金がフィットすることはわかりやすい。
けれど、賃金体験がバラバラなこの国に、これから細切れにジョブ型が入り込む。
そんな社会をちょっと想像してみてほしい。
一体どのようにしてこの国は、メンバーシップ型にジョブ型をはめこんでいくのだろう。
しかも、大きな声ではいえないけれど、日本のメンバーシップ型にどれほどの女性がカウントされているだろう。
メンバーシップとは、新卒一括採用された人が社内で教育を受けながらスペシャリストやジェネラリストへと育っていく働き方だ。
そうした人材になるという将来が約束されているからこそ、若い間は働く人の賃金は先送りされて安い。そう、働く人と雇う側との信頼関係があるからこその先送り賃金なのだ。そうして子供が育つ頃に必要になる賃金が支払われる。だから会社に人生を捧げて同じ会社で働き続けるという仕組みなのだ。
忘れてならないのは、その型に女性はわずかしかカウントされていない。
なにしろそのメンバーシップには、女性を保護するというベースがある。
おわりに
ドイツやシンガポールにお住まいの方とこれまでStand.fmでお話を聞かせていただいた。そして今度は外資で働かれる方だ。
図書や研究から知識を得ることはありがたいけれど、それではどうにもピンとこないことがある。
そこに住む人や、そこで働く人の声は力強い。人の日常や暮らしがスーと見えてくる。それが第一次情報のありがたさだと思う。
次回につづく。
※最後までお読みいただきありがとうございました。
※スタエフでもお話しています。
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