バス

子供の頃から、移動手段は電車が前提という価値観で育った。

地元が電車社会だったということと、実家が電車のハブ駅だったので、バスに乗る必要がなかったという理由がある。

バスに乗る機会と言えば、おばあちゃん家に行く時くらい。


当然、通っていた中学にも電車を使っていて、
バスで学校に通っている同級生には少し憧れがありつつ、

度々遅延があったり、座席に座れないくらい混んでいたりするバス通学は大変だろうなと感じていた。


中2の就業体験の時、勤務後に部活に行く必要がある機会があり、初めてバスで学校に向かった。

普段バスに乗る機会がない私は、バスの中でどうやって両替をするのかわからず、友達にガラケーのメールを使って必死に両替の方法を聞いた。

無事に両替は出来たものの、終点のバス停で降りるのに、バスの停車ボタンを押してしまい、何だか恥ずかしい気持ちになった。

世間知らずの中学生。

そうやって一つずつ、社会を知っていくのである。

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