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隣の芝生 Part 2

前回の記事で書いた、友人宅で衝撃を受けた話の続編。

友達のお家に遊びに行った時、友達のお母さんがお昼ご飯を用意してくれていた。

そのご飯がとにかく衝撃だった。



まず、ご飯を食べ始める前の段階から、何だかおかしいぞという予感はあった。

友達と最寄り駅で合流してお家に向かう途中、お母さんから「生クリームを買ってきて」というお使いを頼まれていたのだ。

生クリーム・・・??何に使うんだ、それ・・??

自分の家では冷蔵庫に入った生クリームを見たことがなかったので、その時点で「あ、食文化違うかも」という心構えはできていた。


ご飯の時間になって、食卓にナイフが並んでいることも衝撃だった。


我が家では、和食だろうが洋食だろうが何でもお箸を使って食べるので、そもそもナイフが家になかった。

日常のご飯でナイフを使うというのが、まず衝撃。


そして出てきたご飯もびっくり。

綺麗な器で出されたのは、「キッシュ」なる食べ物だった。

キッシュって何さ。初耳。


パイ生地の香ばしい匂いと、よくわからないカラフルな中の具が、何ともウェスタンな感じでおしゃれ。

これにナイフを使うのね、と納得しながら、一口食べてみると、美味しさで感動して「美味しい!!」と叫んでしまった。


そのあとはデザートが出てきた。

デザートは、お母さまお手製のスコーン。

スコーンは、まだ名前は聞いたことがある。

でも、それ以上でも以下でもなかった。

「スコーンは横に切って食べるんだって」お母さんにそう教えてもらいながら、

またまたナイフを使って、ポロポロこぼしながらスコーンを口に運んだ。


「美味しい!!!」

また叫んでしまった。

生クリームつけて食べるともっと美味しいよ、と言われ、生クリームはこのために買ったのか、という答え合わせができた。


ミーハーな私は、自分の家に帰って母に言った。


「うちでもキッシュ作ってよ!」

反応は当然、こうだった。

「キッシュって何???」


そりゃそうですよね。

ということで、家の近くのキッシュが食べられるお店に母を連れて行き、キッシュの美味しさをプレゼンした。

思惑通り母のこの言葉を引き出した。

「これおいしいね。家でも作れそう。」


それ以降、私の好物のスタメンにはキッシュが仲間入り。母の得意料理のレパートリーも増えた。


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