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大量の文房具、変な筆箱


中学生の女の子あるあるだと思う。

文房具を集めるのが趣味だった。


少ないお小遣いの範囲で、新しい文房具を見つけては買って使うの繰り返しで、
筆箱の中にはピンクのペンだけでも、数種類の、少しずつ違う色合いのペンが入っていた。

全部ピンクなんやったら一本でええやん、と今となっては思うけれど、ちゃんと使い分けていたのだ。

このペンは、赤シートで隠す文字を書く時用。

このペンは、ノートにアンダーラインを引く時用。

このペンは、詰め替えが出来る多色ペンなので止むを得ずついてきたやつ。


そんな感じで毎日私の筆箱はパンパンだった。


そのくせ、それぞれ用途が分かれているので、一本でも忘れたり、失くしたりすると授業を受けるのに支障が出る(ということになっていた)。

毎日、学校と家でペンを出しては入れ、出しては入れしていた。


文房具だけではない。

私は、筆箱にもすごいこだわりがあった。

それだけ多くのペンを格納することの出来る筆箱を探すのが一苦労だったということと、

このnoteでも何度も書いた通り、中学生の頃の自分は人と違わなくてはいけないという使命感に突き動かされていた人間だったので、

誰も持っていない筆箱を持たなければならない、そう思っていたのだ。


大容量筆箱シリーズの第一弾は、大きくイギリス国旗のユニオンジャックが書かれた、布製の筆箱。

これは普通にPLAZAで見つけて購入したものだった。

中3でイギリスに短期留学した私。

ユニオンジャックを見るとテンションが上がるので、一目惚れして買った。

当然、バーーンとユニオンジャックが描かれているので、机の上に置いておくとものすごく目立つ。

すぐに周りの友達にも、「これはあの子の筆箱」と覚えてもらうことができて、満足だった。

でも、布製なので、汚くなってしまって買い換えることにした。



大容量筆箱、第二弾は、ダイソーの文房具ケース。

プラスチック製の箱で、仕切り板と、取っ手がついている、こういうやつ。


そう、この辺りから、私は「筆箱」というジャンルから筆箱を選ぶという概念を失いはじめていた。


どうしてこれにしたかというと、

・仕切りがあって便利そうだから

・取っ手がついていて持ち運びやすそうだから

・プラスチックで透明なので何が入っているか分かり易いから


この3点だったと思う。


でも、プラスチック製だと、落とした時にフチが欠けてしまったり、ヒビが入ったりする。

それに何より、でかくて邪魔。

そういうわけで買い替えた。


大容量筆箱シリーズ、第三弾は、保冷バッグ。

イメージとしてはこんな感じだけど、こんなお洒落なやつじゃなくて、ディズニーキャラクターがあしらわれたピンクのやつだった。



プラスチックが嵩張って仕方なかったので、形が変わりやすいカバン型のものを探していた時に見つけたのが保冷バッグだった。

取っ手も長いので、授業中は机の横にかけておくことができる。

でも、開け口がマジックテープになっていて、授業中に開け閉めするたびに、「ビリビリビリッ」という騒音が教室に響く。

そしてそもそも、保冷機能、要らん。


それで買い換えることにした。



年齢を重ねるにつれて、持ち運ぶ文房具の量は減り、筆箱もシンプルなものを選ぶようになった。


今なんて、基本的にはフリクションのボールペン一本。

塾でバイトをするときも、これに赤ペンと蛍光ペンを一本ずつ携帯するだけで十分だ。


あんなに大量の文房具、絶対に要らなかった。


だけど、ああやって自分の持ち物にこだわりを持つという行為、

そして、元々そのために作られたわけではない品物を活用して筆箱にするという頭の柔軟性、

この2点を知らず知らずのうちに鍛え上げていたのだろうと思う。

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