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琴線に触れた理由:映画「Codaあいのうた」レビュー&感想

はじめに

こんにちは、Umiです。
快晴の下、本日は映画「Codaあいのうた」を見てきました。
結論からいうと、おすすめのすめです。
今すぐチケットとってGoしてもらいたいぐらいおすすめです。
良いなと感じる映画のベースライン「笑いあり、涙あり、感動あり」を超えて、この映画には「含蓄」がありました。

この含蓄により誘発される余韻がすごい。。。
最後のエンドロールで主役のルビーの歌が流れるのですが、その言葉一つひとつがこれまでのフィルムのシーンを顧みさせ、映画を最大限に楽しむことが出来た気がします。うーん、簡単にいうと、コスパ最高!笑
では、今日もゆるく感想を書いていくとします。

あらすじ

豊かな自然に恵まれた海の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聴こえる。陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択するルビー。すると、顧問の先生がルビーの歌の才能に気づき、都会の名門音楽大学の受験を強く勧める。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対。悩んだルビーは夢よりも家族の助けを続けることを選ぶと決めるが、思いがけない方法で娘の才能に気づいた父は、意外な決意をし・・・。

https://gaga.ne.jp/coda/

PG12

映画を見る時、映倫の映画区分のマークが出てくると思いますが、この映画PG12だったんですよね。見る前の印象から家族愛溢れる、ハートフルな映画で「G」を想像してたのですが、「PG12」の理由がわかりました。

映画内で遍満している表現は確かにPG12「小学生には助言、指導が必要」に能うものでした。性的表現、差別的表現がもりもりで、それなしには成り立たない内容です。ということでPG12は納得。ただし、大人(「言葉と行動に責任と分別がつく人」とここでは定義)は杓子定規なしで楽しめる作品ではないかと思います。
ただ、日本語字幕で「健聴者」「聾唖者」という表現が使われていた部分について、適切な表現かの判断ができない部分がありました。わかりやすい表現ではあるものの、当事者への配慮的なものは考慮した結果なのか、、、と。昔「どんぐりの家」というろう学校を舞台にした漫画を読んでいた頃の記憶ですが、「健常者」とか「障害者」とかっていう表現方法には配慮が必要であることを先生に厳しく言われていた覚えがあるので、少し違和感を感じた次第です。
同じように思っている人がいないかと探してみたところ、当事者の方が語ってくださっているYoutubeがありました!こちらで、共有させていただきます。最初の方少しネタバレがあるので、バレしたくない方は9:00以降を再生いただければと思います。

私なりの感想

ここがよかった①:家族の思いが琴線に触れる

あらすじにあるように、この作品は主人公の高校生ルビーが、耳が聞こえない両親、兄との手話コミュニケーションを発露にストーリーが展開しており、あくまで人の営みという日常を切り取り続けた作品に思いました。その中で、ルビーの進路(岐路)に家族全員が思い悩むような感じです。よくありそうな話に聞こえますよね。そんなロッシ家の日常がなぜ琴線に触れたのか。と考えましたが、琴線に至った理由は、作品と自分との「近さ」ではないかと思いました。「よくありそうな話」は、「私にもありえた話」、または「あった話」のように思えるのです。特に、ルビーと自分が重なる瞬間があり、家族と触れ合うシーンなんかは、夢中に見入る反面、あの時私を包んだ悲母の言葉や、優しい父の振る舞いや行動を想起させ、その意味を顧みさせてくれました。あの時、あの瞬間、慈しみや愛情をどれほど心を込めて注いでくれていたのだろうか。一方で寂しさを秘めていたのだろうか。抱いたことを後悔しなかっただろうか。と、考えると今でも目元が潤みます。Codaであろうとなかろうと、両親に思うところはあります。ゆえに、ロッシ家の日常はそんな思いに届く熱情を感じとるにたる、魂のコミュニケーションを映し出してくれたと思いました。「魂」とかいうと、暑苦しさを感じますが、この作品はちょうどいい距離感で迫ってきてくれたのもよかったです。

ここがよかった②:それぞれの世界

この作品はCoda(Children of Deaf Adult/s:聴覚に障がいがある親をもつ聞こえる子供を指す言葉)として生きる主人公のルビーを通して「音が聞こえない」世界が垣間見える瞬間がいくつもあり、Codaの生き方というのがメインテーマとなっています。が、そこにフォーカスしたところで浮き彫りになってくるのは「音が聞こえない」世界に生きる、両親、兄たちの世界観です。
音が聞こえなかったとしても、お父さんはお父さん、お母さんはお母さん、お兄ちゃんはお兄ちゃん。という、それぞれの生き方が作品の中で示されているように思いました。それが、ルビーと家族の掛け合いに止まらず、仕事や生活にクローズアップし自然に描いているのがとても絶妙でよかったです。

ここがよかった③:主人公ルビーの歌唱シーン

ルビーの歌唱シーンがいくつもあるのですが、特に「Both sides Now」を歌うシーンがじわりとこみ上げてくるものがありました。そういうシーンなのです。。。
これは、しばらくSpotifyでワンリピ確定です。

さいごに

本作品は本年度のアカデミー賞(作品賞、脚色賞、助演男優賞:ルビーの父役のトロイ・コッツァー)にノミネートされているということですが、「推したい!」と思える作品でした。全部見てない内からいうのもあれですがね。。。

また、オスカー女優マーリー・マトリンのオンライン“手話”インタビューがとてもよかったのでこちらで共有!マーリーさんの微笑みが温かい。。。

今日も思うままに書いてしまいましたが、激アツな部分は是非劇場でとの思いで、ネタバレしないように気をつけたつもりです。
含んでしまってたらホントごめんなさい。

最後まで、拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。
映画鑑賞、楽しんで!

では、また!


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