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君の名前で僕を呼んで

5月も半ばになり、去年の5月に観た「君の名前で僕を呼んで」を思い出していた。

イタリアを舞台にしたひと夏の恋愛の物語で、同性愛を描いているからもしかしたら苦手な人もいるのかもしれない。でも、そんなこと気にならないぐらい美しい映画なのでまだ観ていない人はぜひ観てほしい。

まず、舞台となる街がとても美しい。豊かな自然、古いけれど手入れされた邸宅、水面にキラキラと反射する太陽。初恋の甘酸っぱさが画面いっぱいから伝わってくる。もはやファンタジーのようにも思えるぐらい、風景が素晴らしい。(この映画を観てから将来行きたい国リストにイタリアが追加された)

主人公は17歳のエリオ。夏休みに避暑地で24歳のオリヴァーに出会い、共に時間を過ごすうちに自分の中に芽生えた恋愛感情に気づく。夏休みという制限された時間の中で、歳の差もある青年2人がはかなくも激しい恋に落ちるのをみていると、こちらも胸が苦しくなるようだった。

私はもともと同性愛にあまり抵抗がない。というか映画でも小説でも恋愛モノが好きなのだ。BLはれっきとした恋愛モノだし、だいたい恋愛に当事者の性別は関係ないのだ。ただ好きになる人が異性か同性かだけの違いだけ。

この映画はそれを綺麗に表したようなストーリーだった。1人の人間が1人の人間に出会い、恋に落ちる。その感情に性別はたぶん関係ないのだと思う。

こういった恋愛の最大の障壁は親であることが多いと思うのだけど、この映画では違う。一言も2人の関係を問いただすようなことはしない。

これは多分だけど、エリオの父も若い頃に同じような経験をしたのだろう。
「お前たちが羨ましいよ」と言った父の顔はとても優しく、懐かしむような顔をしていた。

あまり書くとネタバレになってしまうからこの辺でやめておくけれど、切なくて甘酸っぱい気持ちを家の中で味わうにはぴったりの映画なのでぜひおうち時間にどうぞ。

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