宇海

宇海(うみ)です。音楽のこと、絵のこと、生活で感じたこと、創作、いろいろ載せます、たぶ…

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宇海(うみ)です。音楽のこと、絵のこと、生活で感じたこと、創作、いろいろ載せます、たぶん。

最近の記事

運命の赤い糸 一生を共にするパートナーとの出会いを「運命」と呼ぶのなら、「友情の青い糸」とか「家族の黄色い糸」とか「社員の白い糸」とかも存在するのだろうか。 …ということが、たまに頭によぎる。 最初に考えたのは一年ほど前だっただろうか、運命の話をどこかで聞いた時だったと思う、たぶん。正直、全く覚えていない。 考えてもすぐに、「どうでもいい」「なんであれ、必要なつながりを大切にすることに変わりはないだろう」と割り切って、別の思考に移る。 そもそも、運命とはすべての出会

    • 電撃

       NOMELON NOLEMONのデビュー曲であり、決意表明の曲、「INAZMA」  僕が思うノーメロに軸になる3曲のうちの3つ目。  この曲を知ったのは、YOASOBIのANNXで紹介されたときだった。放送で聴けなかったけど、その後調べてノーメロとツミキ氏を知って、大好きになった。  聴く者の目を覚ますような、まさに電撃を聴く者に与えるようなイントロ。最初からトップスピードで、思いをぶつけてくる曲。  たぶん、僕にとってはそれが気持ちよかった。  世の中に疑問を投げかけ

      • 共存

         NOMELON NOLEMON 2nd アルバム「ルール」の表題曲「ルール」  僕が思うノーメロの軸になる3曲のうちの2つ目。  一番強いメッセージは、『あたしはあたしらしく生きる』という歌詞があるように、周りに押しつぶされずに生きようということ。決まりが次第に増えて、決まりに縛られる世の中でも、強く生きようと言ってくれている気がする。  「ルールは守るものではなく 造るもの」(ルール・LINERNOTES)  それは、進みたい道を進んで成し遂げたいことを成す為に、信念

        • 前奏

           NOMELON NOLEMON 1st アルバム「POP」の1曲目「cocoon」  「私たちが考えるPOPはこれだ」「今後生み出していく音楽はこれだ」という、ユニットの方向性を示す作品の、イントロを担う曲。 そして、僕が思うノーメロの軸になる3曲のうちの1つ。  cocoonを日本語訳すると「繭」。その名の通り、聴く人を優しく包み込む曲。イントロからアウトロの直前まで、ゆったりとした流れに乗せて、ボーカルの透き通るような優しい声が響く。聴く人が、曲が寄り添ってくれてい

          おもい

          徐々に記憶が消えていく。美しい走馬灯は人生の引退パレードだったらしく、記憶は私より先に雲の上に消えようとしている。残っているのは、感情のようなあやふやなもの。 天国へ行けるものだと思っていたら、一向に景色が変わらない。見慣れた景色を少し高いところから見下ろしている状況が、思いの外長く続いている。体は土に還ったにも関わらず、未だに現世にいる奇妙な状況に、私は戸惑っていた。 街中を飛び回って、心(心は消える気配がなかった)を落ち着かせる。 彼を見つけた時、すぐに憑いた。意志とは別

          記憶

           私は、まるでカメラマンのよう。ずっと大切な人を見ていたい。笑顔も、泣き顔も、怒った顔も、ご機嫌で歩く姿も、静かに寝る姿も、あなたの全部を記録したい。あなたを誰よりも熟知した、専属カメラマン。  毎日がたくさんの感情で溢れていて、揺れ動く感情は本人にしかわからない。  出来事を感情が彩って、記憶として残る。同じ出来事を体感しても、それに肉付けされる感情は人それぞれ。だから、同じ一瞬でも、その人だけが見た景色になるから、記憶は宝物。そんな宝物も、いつか忘れてしまうのかもしれな

          「さよなら」

           目の前で君が消えた。まるで、美少女が歌うアルバムのファーストトラックの歌詞にあるように、独りで世界に溶けていった。その瞬間を、ただ目撃することしかできなかった。  僕に止めさせなかったのに、最後まで泣いていたのはなぜなのか。最後、口が動いたように見えたけど、何と言ったのか。今となってはわかる術もない、謎になってしまった。残された手紙を読んでもわからなかった。  『今の幸せがいつか終わって、違う生活になることが嫌であれば、幸せな状態で人生を終わらせてしまえばいい。最高潮で時が

          「さよなら」

          カーテンコールはいらない

           悪いことは重なるもの。  別れ話を受け入れた帰り道、雨の中、電車に乗れず、傘もなく歩いていた。いつもとは違って、両肩が濡れている感覚が空しい。  道端では、数日前にあなたが見つけた黄色いチューリップが散っていた。 教えてくれたはずの花言葉は、何一つ覚えていない。  幸せの逃げ様は、花の散り方に似ている。  花びらが一枚ずつ落ちていくように、別れる予感が近づいてきた。  あなたは、花がいつか枯れることを、初めからちゃんとわかっていたのだろう。「ずっと」を言葉の通りに信じた僕は

          カーテンコールはいらない

          傾いた天秤

           恋愛関係に愛情の天秤があるのなら、それは釣り合っているべきだ。  ただ、曖昧な関係のままでは絶対に釣り合わないことも知っていた。  「わざわざ付き合わなくてもいいよ~」  そう言い放ったら、友達の目には戸惑いの色が浮かんだ。当然の反応だから驚かなかったが、わかってくれる人がいない事実を改めて突き付けられ、少なからず傷ついた。  ただ、理解できない人が普通だと思う一方、私が間違っているとは思っていない。お互いが必要としていれば、付き合うなんて幻想は必要ないだろう。わざわざ関

          傾いた天秤

          溺愛

          いつ反故になるかもわからない約束 それらの言霊に呪われている 二人で見る世界に縛られている 互いの存在が見え隠れする世界で、もがいていたい 心酔してしまいたい 独りの夜に燃え上がる恋心 眠れずに想いを馳せる、幸福と贅沢 この熱に浮かされていたい 熱が温もりに変わっても隣にいたい さめないで さめないで さめないで 共依存で夜に潜る どうやっても一つになれないから 二人は二人のままだから こうやってずっと、呪い続ける (NOMELON NOLEM

          虹がかかる

           親に頼み込んで、離れ離れになる前の最後の思い出作りの卒業旅行までしたのに、その痕跡はお揃いで買ったキーホルダーと、スマートフォンから現像した写真だけ。  誰かの為に時間が止まることなど無く、ただ淡々と秒針は回り続ける。そして、記憶は劣化していく。感動したはずなのに思い出せなくなったり、忘れたいことをはっきり憶えていたり。  秒針の音が残酷に思えた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  久しぶり、元気にしていますか。  〇〇との時間は楽しい時間ばかりでした

          虹がかかる

          水彩/雨音/六月/永久花

          笑った瞬間で止まった君の隣で、今日が始まった。 北上する一つ目の巨鳥は、平和な街に影を落とす。 小説から取り出した栞の花は机上で可憐に咲いた。 ずっと減ることのない君の分の朝食はインテリア。 窓の外の景色は、梅雨の雨によって霞んで消えた。 連弾しながら見た二人での未来は、闇に包まれた。 君と別れる決意は無く、形式的な言葉で嘘をつく。 私が捧げるはずだった花束は、帰路の水溜りの中。 傘の中の嗚咽は夕立の雨音によってかき消された。 触れた肌の温度を思い出す。温か

          水彩/雨音/六月/永久花

          Musica

           音楽は宗教と同じだと、たびたび思う。  歌う人、作曲する人、ユニット、グループ、いろんな形で届けられる音楽。その中には、音楽を届ける人によって異なる想いが込められている。同じようでも、表現や説得力が少しずつ違う。  想いを言葉として表現して、音に乗せて届けるのが音楽。音だけでも、陽気さやきれいな風景、または不穏さを表現するのが音楽。  それぞれの音楽が届けてくれるものに共感した人、表現されたものの正しさを信じた人が集まる。そして、鳴り続ける限り、ずっと着いていく。音を鳴ら

          花に他人が賭ける言葉

          「そうさ僕らは 世界に一つだけの花」とは素晴らしい表現で、人それぞれの個性に全く同じものなどなく、それぞれが一つ一つ自立していることがよく表されていると思う。それぞれの個性が、それぞれの色で、この世という花畑に咲いている。  一方で、他の人のように輝けるとは限らないという、世界の厳しさも孕んでいると思う。  花が美しければ周りに人が集まってくるし、醜ければ人は寄ってこない。ここで言う「美しい」とか「醜い」は容姿だけじゃない。容姿も声も目つきも性格も考え方も生き方も、その他の

          花に他人が賭ける言葉

          天秤

           前々から「天秤のような人間になりたい」と思っている。裁きを下す天秤ではなくて、釣り合いを取るための天秤。対立する二つのものがあれば、その間に入って仲裁する役割を担いたい。たぶん、それが似合ってる。  一方の言い分がわかって、もう一方の言いたいこともわかる、なんてことはざらにある。どっちかに偏ることが少ないからこそ、間に入れる気がする。組織に対立やすれ違いはつきものだから、その対処をうまくできる人間になりたいと思うし、きっとなれる。

          老い

           祖父母に感じる老いが濃くなってきた。  実家に帰る度に、老いたなと思う。いつからこんなに弱々しくなったのかと思う。背中も丸くなった。車の運転も危なくなった。力もなくなってきた。ちゃんと自覚して、孫に頼むようになったり、免許返納を決めたりしているだけ、うちの祖父母はえらいと思う。  自覚しているからこそ、「もう歳だから」と、少し寂しそうに言う。孫に渡すお小遣いも増えた。  お兄さん夫婦が亡くなったことが影響してるんだろうなと想像している。それまで元気だと思っていた人が、急に居