宇海

宇海(うみ)です。音楽のこと、絵のこと、生活で感じたこと、創作、いろいろ載せます、たぶ…

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宇海(うみ)です。音楽のこと、絵のこと、生活で感じたこと、創作、いろいろ載せます、たぶん。

記事一覧

運命の赤い糸 一生を共にするパートナーとの出会いを「運命」と呼ぶのなら、「友情の青い糸」とか「家族の黄色い糸」とか「社員の白い糸」とかも存在するのだろうか。 ……

宇海
2週間前
1

電撃

 NOMELON NOLEMONのデビュー曲であり、決意表明の曲、「INAZMA」  僕が思うノーメロに軸になる3曲のうちの3つ目。  この曲を知ったのは、YOASOBIのANNXで紹介された…

宇海
1か月前
1

共存

 NOMELON NOLEMON 2nd アルバム「ルール」の表題曲「ルール」  僕が思うノーメロの軸になる3曲のうちの2つ目。  一番強いメッセージは、『あたしはあたしらしく生きる…

宇海
1か月前
2

前奏

 NOMELON NOLEMON 1st アルバム「POP」の1曲目「cocoon」  「私たちが考えるPOPはこれだ」「今後生み出していく音楽はこれだ」という、ユニットの方向性を示す作品の、…

宇海
1か月前
2

おもい

徐々に記憶が消えていく。美しい走馬灯は人生の引退パレードだったらしく、記憶は私より先に雲の上に消えようとしている。残っているのは、感情のようなあやふやなもの。 …

宇海
1か月前
1

記憶

 私は、まるでカメラマンのよう。ずっと大切な人を見ていたい。笑顔も、泣き顔も、怒った顔も、ご機嫌で歩く姿も、静かに寝る姿も、あなたの全部を記録したい。あなたを誰…

宇海
2か月前
1

「さよなら」

 目の前で君が消えた。まるで、美少女が歌うアルバムのファーストトラックの歌詞にあるように、独りで世界に溶けていった。その瞬間を、ただ目撃することしかできなかった…

宇海
2か月前
1

カーテンコールはいらない

 悪いことは重なるもの。  別れ話を受け入れた帰り道、雨の中、電車に乗れず、傘もなく歩いていた。いつもとは違って、両肩が濡れている感覚が空しい。  道端では、数日…

宇海
2か月前
3

傾いた天秤

 恋愛関係に愛情の天秤があるのなら、それは釣り合っているべきだ。  ただ、曖昧な関係のままでは絶対に釣り合わないことも知っていた。  「わざわざ付き合わなくても…

宇海
2か月前
1

溺愛

いつ反故になるかもわからない約束 それらの言霊に呪われている 二人で見る世界に縛られている 互いの存在が見え隠れする世界で、もがいていたい 心酔してしまいたい …

宇海
2か月前
1

虹がかかる

 親に頼み込んで、離れ離れになる前の最後の思い出作りの卒業旅行までしたのに、その痕跡はお揃いで買ったキーホルダーと、スマートフォンから現像した写真だけ。  誰か…

宇海
2か月前
1

水彩/雨音/六月/永久花

笑った瞬間で止まった君の隣で、今日が始まった。 北上する一つ目の巨鳥は、平和な街に影を落とす。 小説から取り出した栞の花は机上で可憐に咲いた。 ずっと減ることの…

宇海
3か月前
7

Musica

 音楽は宗教と同じだと、たびたび思う。  歌う人、作曲する人、ユニット、グループ、いろんな形で届けられる音楽。その中には、音楽を届ける人によって異なる想いが込め…

宇海
3か月前
1

花に他人が賭ける言葉

「そうさ僕らは 世界に一つだけの花」とは素晴らしい表現で、人それぞれの個性に全く同じものなどなく、それぞれが一つ一つ自立していることがよく表されていると思う。そ…

宇海
4か月前
2

天秤

 前々から「天秤のような人間になりたい」と思っている。裁きを下す天秤ではなくて、釣り合いを取るための天秤。対立する二つのものがあれば、その間に入って仲裁する役割…

宇海
4か月前

老い

 祖父母に感じる老いが濃くなってきた。  実家に帰る度に、老いたなと思う。いつからこんなに弱々しくなったのかと思う。背中も丸くなった。車の運転も危なくなった。力…

宇海
4か月前
2

運命の赤い糸

一生を共にするパートナーとの出会いを「運命」と呼ぶのなら、「友情の青い糸」とか「家族の黄色い糸」とか「社員の白い糸」とかも存在するのだろうか。

…ということが、たまに頭によぎる。

最初に考えたのは一年ほど前だっただろうか、運命の話をどこかで聞いた時だったと思う、たぶん。正直、全く覚えていない。

考えてもすぐに、「どうでもいい」「なんであれ、必要なつながりを大切にすることに変わ

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電撃

 NOMELON NOLEMONのデビュー曲であり、決意表明の曲、「INAZMA」

 僕が思うノーメロに軸になる3曲のうちの3つ目。

 この曲を知ったのは、YOASOBIのANNXで紹介されたときだった。放送で聴けなかったけど、その後調べてノーメロとツミキ氏を知って、大好きになった。
 聴く者の目を覚ますような、まさに電撃を聴く者に与えるようなイントロ。最初からトップスピードで、思いをぶつけて

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共存

 NOMELON NOLEMON 2nd アルバム「ルール」の表題曲「ルール」

 僕が思うノーメロの軸になる3曲のうちの2つ目。

 一番強いメッセージは、『あたしはあたしらしく生きる』という歌詞があるように、周りに押しつぶされずに生きようということ。決まりが次第に増えて、決まりに縛られる世の中でも、強く生きようと言ってくれている気がする。
 「ルールは守るものではなく 造るもの」(ルール・LI

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前奏

 NOMELON NOLEMON 1st アルバム「POP」の1曲目「cocoon」

 「私たちが考えるPOPはこれだ」「今後生み出していく音楽はこれだ」という、ユニットの方向性を示す作品の、イントロを担う曲。
そして、僕が思うノーメロの軸になる3曲のうちの1つ。

 cocoonを日本語訳すると「繭」。その名の通り、聴く人を優しく包み込む曲。イントロからアウトロの直前まで、ゆったりとした流れに

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おもい

徐々に記憶が消えていく。美しい走馬灯は人生の引退パレードだったらしく、記憶は私より先に雲の上に消えようとしている。残っているのは、感情のようなあやふやなもの。
天国へ行けるものだと思っていたら、一向に景色が変わらない。見慣れた景色を少し高いところから見下ろしている状況が、思いの外長く続いている。体は土に還ったにも関わらず、未だに現世にいる奇妙な状況に、私は戸惑っていた。
街中を飛び回って、心(心は

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記憶

 私は、まるでカメラマンのよう。ずっと大切な人を見ていたい。笑顔も、泣き顔も、怒った顔も、ご機嫌で歩く姿も、静かに寝る姿も、あなたの全部を記録したい。あなたを誰よりも熟知した、専属カメラマン。

 毎日がたくさんの感情で溢れていて、揺れ動く感情は本人にしかわからない。
 出来事を感情が彩って、記憶として残る。同じ出来事を体感しても、それに肉付けされる感情は人それぞれ。だから、同じ一瞬でも、その人だ

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「さよなら」

 目の前で君が消えた。まるで、美少女が歌うアルバムのファーストトラックの歌詞にあるように、独りで世界に溶けていった。その瞬間を、ただ目撃することしかできなかった。
 僕に止めさせなかったのに、最後まで泣いていたのはなぜなのか。最後、口が動いたように見えたけど、何と言ったのか。今となってはわかる術もない、謎になってしまった。残された手紙を読んでもわからなかった。
 『今の幸せがいつか終わって、違う生

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カーテンコールはいらない

 悪いことは重なるもの。
 別れ話を受け入れた帰り道、雨の中、電車に乗れず、傘もなく歩いていた。いつもとは違って、両肩が濡れている感覚が空しい。
 道端では、数日前にあなたが見つけた黄色いチューリップが散っていた。 教えてくれたはずの花言葉は、何一つ覚えていない。
 幸せの逃げ様は、花の散り方に似ている。
 花びらが一枚ずつ落ちていくように、別れる予感が近づいてきた。
 あなたは、花がいつか枯れる

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傾いた天秤

 恋愛関係に愛情の天秤があるのなら、それは釣り合っているべきだ。
 ただ、曖昧な関係のままでは絶対に釣り合わないことも知っていた。

 「わざわざ付き合わなくてもいいよ~」
 そう言い放ったら、友達の目には戸惑いの色が浮かんだ。当然の反応だから驚かなかったが、わかってくれる人がいない事実を改めて突き付けられ、少なからず傷ついた。
 ただ、理解できない人が普通だと思う一方、私が間違っているとは思って

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溺愛

いつ反故になるかもわからない約束

それらの言霊に呪われている

二人で見る世界に縛られている

互いの存在が見え隠れする世界で、もがいていたい

心酔してしまいたい

独りの夜に燃え上がる恋心

眠れずに想いを馳せる、幸福と贅沢

この熱に浮かされていたい

熱が温もりに変わっても隣にいたい

さめないで

さめないで

さめないで

共依存で夜に潜る

どうやっても一つになれないから

二人は

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虹がかかる

 親に頼み込んで、離れ離れになる前の最後の思い出作りの卒業旅行までしたのに、その痕跡はお揃いで買ったキーホルダーと、スマートフォンから現像した写真だけ。
 誰かの為に時間が止まることなど無く、ただ淡々と秒針は回り続ける。そして、記憶は劣化していく。感動したはずなのに思い出せなくなったり、忘れたいことをはっきり憶えていたり。
 秒針の音が残酷に思えた。

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水彩/雨音/六月/永久花

水彩/雨音/六月/永久花

笑った瞬間で止まった君の隣で、今日が始まった。

北上する一つ目の巨鳥は、平和な街に影を落とす。

小説から取り出した栞の花は机上で可憐に咲いた。

ずっと減ることのない君の分の朝食はインテリア。

窓の外の景色は、梅雨の雨によって霞んで消えた。

連弾しながら見た二人での未来は、闇に包まれた。

君と別れる決意は無く、形式的な言葉で嘘をつく。

私が捧げるはずだった花束は、帰路の水溜りの中。

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Musica

 音楽は宗教と同じだと、たびたび思う。

 歌う人、作曲する人、ユニット、グループ、いろんな形で届けられる音楽。その中には、音楽を届ける人によって異なる想いが込められている。同じようでも、表現や説得力が少しずつ違う。
 想いを言葉として表現して、音に乗せて届けるのが音楽。音だけでも、陽気さやきれいな風景、または不穏さを表現するのが音楽。
 それぞれの音楽が届けてくれるものに共感した人、表現されたも

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花に他人が賭ける言葉

「そうさ僕らは 世界に一つだけの花」とは素晴らしい表現で、人それぞれの個性に全く同じものなどなく、それぞれが一つ一つ自立していることがよく表されていると思う。それぞれの個性が、それぞれの色で、この世という花畑に咲いている。

 一方で、他の人のように輝けるとは限らないという、世界の厳しさも孕んでいると思う。
 花が美しければ周りに人が集まってくるし、醜ければ人は寄ってこない。ここで言う「美しい」と

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天秤

 前々から「天秤のような人間になりたい」と思っている。裁きを下す天秤ではなくて、釣り合いを取るための天秤。対立する二つのものがあれば、その間に入って仲裁する役割を担いたい。たぶん、それが似合ってる。
 一方の言い分がわかって、もう一方の言いたいこともわかる、なんてことはざらにある。どっちかに偏ることが少ないからこそ、間に入れる気がする。組織に対立やすれ違いはつきものだから、その対処をうまくできる人

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老い

 祖父母に感じる老いが濃くなってきた。
 実家に帰る度に、老いたなと思う。いつからこんなに弱々しくなったのかと思う。背中も丸くなった。車の運転も危なくなった。力もなくなってきた。ちゃんと自覚して、孫に頼むようになったり、免許返納を決めたりしているだけ、うちの祖父母はえらいと思う。
 自覚しているからこそ、「もう歳だから」と、少し寂しそうに言う。孫に渡すお小遣いも増えた。
 お兄さん夫婦が亡くなった

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