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「したいこと」を我慢するより、等身大の熱意の強さを持ちたい~熱中の夢から覚めるための処方箋~

ものすごく、オタク気質だ。好奇心が有り余っていて、なんでも熱中してしまう。

ゲーム実況、VTuber、飲酒、USJのキャストさん、ライブ参戦、動画作成。
いろんなことにハマり、沼から抜け出せずに引き込まれることは何度もあった。

最近は、もっぱらゲーム実況を見ることにハマっている。
何をしていても、推しの配信が気になる。暇さえあれば動画を見たくなる。
そして一度見始めると夜遅くまで見たり、もっとその人のことが知りたくなって時間が経ってしまう。

時間がいくらあっても足りないので、人生で「暇だ」と思ったことは一度もない。
そんな仲間は結構いるんじゃないかと思う。

休職中、自分の幸せを心に溜め込むためにしたいことを色々やってみた。
体がだるくて動けないので、1日中とは言わず数日間推しの動画を見ていることもあった。
そんな時間はとても楽しかったし、色んな素敵な活動者さんに出会えたことは心から感謝しているが、夜に感じる虚無感がしんどくてたまらなかった。

“今日も私は何もできなかった“

自分を制御しきれない。
自分の健康よりも、大好きな読書や人と話すことよりも、推しへの興味の方が数十倍高くなってしまう。
他にすべきこと・したいことが沢山あるのに。
自分をマイナス評価して、否定した。

こんな傾向を私は「熱中の夢から醒められない」と呼んで、毛嫌いした。

どう熱中の夢を「制御するのか」。自分を「律する」のか。「我慢する」のか。
幼い頃から自分のしたいことをする時間がなかった私には、したいことをバランスよくする方法なんて、簡単には思いつけなかった。

3ヶ月ほど向き合ったり、向き合わなかったりした。
正直、とても苦しんだ。
結果、一つの暫定の結論が出た。

したいことを「我慢」せず、その熱意の火力を自分全体に合わせよう。

好きでいることは悪いことではないし、素敵なことだと理解している。
だから、見る時間を我慢するより、熱意を自分の生き方に沿わせることにした。

それは、熱意の理由を知り、沢山ある自分のしたいことに体力や精神力をバランスよく分散させることだ。

自分のゲーム実況への熱意の高さは①手軽に自分の楽しみや刺激を補填できることがとても大きい。
楽しみ=「なんでも楽しむ」をモットーに生きているため、楽しみは人生に不可欠だ
手軽=スマホを見るだけなので、疲労していても楽しめる
刺激=HSS型HSPの特性のひとつ。常に新しい刺激を求めている。

そして、②簡単に現実逃避ができるということも一つだ。
心配性なため、現実から離れたくなる。
何かに打ち込んでいると一時的に不安から逃れられるため、習慣になってしまった。

最後に、③自分の琴線に触れるような行動や言動に簡単に出会えるという側面は、私にとってとても重要だ。
例えばゲーム実況者であれば、視聴者や一緒に遊んでいる人を楽しませようとする姿勢や、配信者らとの調和をとる様子、個の才能に心を奪われてしまう。
そういう言動や行動、さりげない気遣いなどに触れるのが大好きでたまらず、簡単に人間のそういう一面に触れられる動画をもっと見ていたくなる。

これらのファクターと、自分の他にしたいことや好きなこと(読書や勉強、人と話したり自分と向き合ったりすること)を照らし合わせてみて、やっと気づいた。

私には、自分の楽しみを確保することや自分と向き合わない時間が大切で、自分の心動かされる人々に出会うことが必要不可欠な幸せなんだ。
そしてそれらは、ゲーム実況の視聴以外の行動でも十分に得ることができる幸せだと。

3つの熱意の理由の共通のキーワードは「手軽さ」だ。
手軽だからこそ、うつで休職した自分の体力や精神力にはフィットした趣味だといえるだろう。
だから、体が疲れた時に1日中動画を見ることは悪いことではなかった。
むしろ手っ取り早い幸せの補填方法だと肯定していい行動だったのだと気づいた。

ただ、体力や精神力が少しずつ増えてきた今、ずっとそれに熱中する必要はない。
むしろ、他にしたいことがある自分を脳内から消している、自分の思いを否定することになってしまいしんどくなってしまう。

一つのガソリンタンクから複数のガスコンロに着火する時、一つの火力が強いとガソリンが足りず他のコンロの火をつけることができない。
幸せを感じる機会を得る手段は一つのコンロからだけではない。
自分のガソリンの量や減り具合を把握し、複数のコンロに火をつけられるようにすることが理想だ。

ガソリンの総量は自分の体力と精神力、コンロに対するガソリンの必要量は、その行動に必要な体力と精神力だ。
例えば、ゲーム実況の視聴にはガソリンが少なくても火はつけられるが、読書にはそれなりのガソリン量が必要だ。
自分の琴線に触れるような人と出会うとなると、もっと量が必要だろう。

熱中の理由を知ることで、今まで心を乗っ取られていた熱中を俯瞰して観察することができた。
さらに、熱中は自分を幸せにする手段の一つで、手段は沢山ある。
その沢山を経験することが、さらなる幸せの足掛かりになると気づいた。

ここまで考えないと自分の手綱を握れないというのは、なかなか自分は手強いなという気持ちもある。
でも理論的に考えることによって、今まで否定していた自分の行動を受け入れられるし、これからの行動指針にもなる。

まだまだ熱中することが怖い自分がいる。
でも、ここまで考え抜けた自分は強いとも思える。

自分の気分は自分で決められる。
そう思って、私らしく、理屈っぽく生きていきたいと思う。


お読みくださりありがとうございます。
今回書いたことが、読んでくださった1人にでも参考になれば嬉しいです。
熱中の理由の①と②は、ゲーム実況だけではなく、多くの趣味にも共通しているのではないでしょうか。
参考になったという方がいらっしゃるのなら、こんな生き方をしている人が世の中に一人でもいると知れて励みになります。
周りにこういう考え方の人を見つけたことがないもので。

そして今回も、素敵なイラストをヘッダーにお借りしています。ありがとうございます。