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短歌

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ウメガカが詠んだ短歌です。
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短歌まとめ(2023年10月)

自選短歌5首 「人生をやり直せるなら何したい?」 「わたしでっかいねこになりたい」 きみ自炊できないんでしょ探偵には助手がいないと困るって言え バキバキのチョコをくるんでパイを焼く明日はましな人生になれ 解熱剤くんと鎮痛剤くんとすっかり友になってしまった トリック・オア・トリート! これは仮装です、「まともな人」の仮装なんです そのほか10月に詠んだ短歌 幾千の夢から覚めてもまた会おう忘れないからきみの本名 推し方も誰を推すかも私が決める誰の指図も受けないから

短歌(ハロウィン2023編)

トリック・オア・トリート! これは仮装です、「まともな人」の仮装なんです 「まともな人」って何なんだろうねという歌です。いい年をした大人が仮装をするの、昔は多分「まともなこと」ではなかったはずなんだけど、ハロウィンの一般化に伴ってむしろ仮装をする方が普通みたいな感じになっているので毎年なんとなく戸惑います。そわそわすると言った方がいいかもしれません。楽しい祭りだな〜ハッピーだな〜と思うんだけど、同時に、社会の価値観の変化が急激すぎて脳の内側が痒くなるみたいな……。 こうい

短歌(かなしみの体調不良編)

夏頃からいろいろな症状でいろいろな病院のお世話になっていたのですが、最近健康に戻ってきたので、ついに体調不良の歌を詠み納めしました。 というわけで、今週は病気の時に詠んでいた歌のまとめです。 この記事は「年内はもう病気の歌は詠まないぞ~~(固い決意)」という祈りを込めて投稿しています。再発はもうこりごりです。フラグとか言わないでください。そんな感じでよろしくお願いします。 新型コロナ編 最初はね「貧血だ」って思ったの薄紫の爪をさすって 熱が出て喉が掠れて関節が痛んで異

短歌(秋を告げるナナカマド編)

こんばんは。朝夕の冷え込みが厳しくなり、秋も深まる時期ですね。 突然ですが、この記事を読んでいるあなたはナナカマドをご存知でしょうか。 先日、X(旧:Twitter)にて「#フォロワーから五音もらって短歌を詠む」タグをつけてお題を募集したところ、フォロワーのはちすさんからこんな返信をいただきました。 お題をいただき――そこで一瞬焦る私。 ("秋なので!?" ナナカマドって秋の風物詩だっけ!?!?) はい。みんな大好きナナカマド博士ですね(絶対違う) 実は私は秋のナナカマ

推し短歌【記事まとめ】

推しについて詠むのが楽しくて、思いの外たくさん記事を書いたので、インデックス用の記事を作ることにしました。 見出しの下の埋め込みリンクから、各記事に飛ぶことができます。 推し短歌(月曜日編) なぜか月曜日の歌をよく詠みます。月曜日は詩的になる日なのかもしれないです。 推し短歌(フリーズこと梅ヶ香夕吾という男編) 私のハンドルネームの由来になった、とある推しの話です。おすすめの記事です。 推し短歌(推し活したいけど促されたくはないな編) 推し活へのお気持ちを詠みま

推し短歌(触れられそうで触れられない暖かみ編)

ずぶ濡れのわたしの前に現れた明(あか)いたき火のようなあなただ 心がしんどいときに優しくしてくれた人(や推し)って、土砂降りの雨に降られた後に出会った小さなたき火みたいだなと思って詠んだ歌です。あと、どっちかというと距離感近めの推しのイメージかもしれない。 病んでるときって、優しくされてもその優しさを受け止められなかったり、自分も優しくしたいのに、どうしても優しくできなかったりすることがありますよね。小さなたき火のように燃えているあなたが優しくて暖かいから、もっともっとと手

推し短歌(行き場のない感情編)

①この世には君と僕しかいないって思った夜も電車に乗った 推し活をしている時って推しと目が合うだけで「この世には推しと私の二人っきりしかいないのでは?」などと思ってしまうことがあるのですが、それ程までにきらめいていた瞬間の後も、人生は続いてしまうものです。 非日常が終わっちゃった後は普段乗らない夜行バスから降りて、地元の電車を乗り継いで日常に帰っていきます。自分にとっては多分「(地元の)電車に乗る」というワンクッションがある意味大事なんだろうなと思っていて、異界からの帰還手続

推し短歌(近所の鯉編)

貪欲に喰らい尽くせよドブの鯉  川のすべてはお前のものだ この世で一番推せる生き物について詠みました。近所の鯉です。写真も私が撮りました。 この鯉については以前書いた、下記の記事でも触れています。 正直ちょっと怖いくらい貪欲です。こいつらネズミ程度なら食えるんじゃないか? と思うくらい口を大きく開けて、川を流れてくるものには何でも食らいついています。面白いくらいいつでも何でもよく食べるので、近所の人も毎日パンやら湿気ったスナック菓子やらを与えています。そのせいかいつも肥

推し短歌(推し活したいけど促されたくはないな編)

推し方も誰を推すかも私が決める誰の指図も受けないからね 推しがいる人生ってすごく楽しくて充実感があるので、推しはいるに越したことがないし、推し活もできればしたほうがいい。誰もが誰かを推している「推し活ブーム」の中で、推しの存在は推している側のアイデンティティにさえなっている。 けど、個人的には、推し本人ならともかく外野に「さあ推し活してください!」ってされるとなんか冷めちゃうとこあるよな、と思って詠んだ歌です。 推しに「推して♡」って言われたら「全力で推す〜〜〜!!!!!」

推し短歌(フリーズこと梅ヶ香夕吾という男編)

幾千の夢から覚めてもまた会おう忘れないからきみの本名 本名で付き合ってきた親友が夢を叶えて芸名の方で有名になり、たくさんの人にたくさんの夢を見せている。いつか、もしその夢が終わってしまったとしても、きみの人生は終わらないのだから、ここにきみの戻れる居場所を残しておくよ。 というエモい歌かと思いきや、私の推しの梅ヶ香夕吾(注:2014年にフリュー株式会社から発売された3DSゲーム『ハマトラ Look at Smoking World』に登場するキャラクター)について詠んだ歌

短歌まとめ(2023年9月)

自選短歌5首 あの人は生きていますかそうですか死んだらどうかまた教えてね 金持ちの膝でくつろぐ長毛の猫になりたい(週3くらいで) 推しを推すとき現実は透明だのに朝焼けの色でおしまい この世には君と僕しかいないって思った夜も電車に乗った さぞ貴き星堕ちぬめり月曜のトレンドワードに見えし「推しの死」 そのほか9月に詠んだ短歌 踊り場で束の間ねこを想うとき(しぬ)と(じさつ)は息をひそめる 黒髪は勇気のあかし闇よりいでて闇に染まらぬ信念の色 好きなのはブルーライト