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2022年度の高等学校はどうなる

今回は高等学校での教育が今年度からどうなるのかって言うお話しです。
2022年度が始まりました。3月31日にはSNS上で退職の報告や移動の報告であふれていましたが、4月1日からは多くの方が、新たな道を歩まれていると思います。きっと近いうちにそれぞれの新しいご活躍が報告されて来ると思います。楽しみですね。
さて、今年度から始まる高等学校学習指導要領の改訂によって、高等学校の教育はこれから大きく変わるはずです。理屈の上ではそうなるのですが、そう上手く事は運ぶのでしょうか?その前に、そもそも高等学校は変われるのかという事についても触れてみようと思います。

高等学校はこれまでと変わらずに昭和の教育のままで良いと思っていないか?

学習指導要領の改訂は10年に一度の大きな節目です。今回の改訂はこれからの日本の将来がかかっている大きな転換点と位置づけられる内容です。しかし高校現場では特段大きな変化は感じられないように思えます。この春からは多くの教科で新しい科目に改変された授業が行われるはずなのですが、一体どうしたことでしょう?学習指導要領が変わってもこれまでと同じ内容、同じ教え方、同じテストを行うつもりなのでしょうか?教師だけでは無く保護者や社会全体が旧態依然の教育のままで良いと言っているかのようです。

カリキュラムが変わっても大学入試が変わらなきゃ何も変わらない

学習指導要領が発表され、教師も当然それを読むと思っていませんか?恐らく小学校では8〜9割の先生が読み、中学では5〜6割になり、高校では2〜3割の先生しか読まないのが実態では無いでしょうか?上に行くほど読まない実態があります。教師以外の方からすれば、「えっ?読まなくても授業が出来るの?」と思われる方も多いと思いますが、まっ、できます。それは経験だったり、年齢が上がれば高校入試、大学入試に向けて取り組めば授業は出来るからです。
カリキュラムが変わろうと教科書が変わろうと、その先にある受験が変わらなければ変われないのが学校なんです。
現在出されている学習指導要領では、育成すべき資質・能力を3つの柱として掲げています。知識・技能に加え、思考力・判断力・表現力と人間性にも触れています。教師には、これまでのように、教えるだけでは無く、主体的に学ぶ力を育て、社会でも力強く生きていく力を身につける教育を行いなさいと示されています。教え方も変えなさいとまで言っています。この理念は立派なモノで今の日本に足りないもの、今の教育に欠けているものを言い当てていると思います。これが出来なきゃ日本は終わってしまうと危機感に満ちています。
ところが教師だけでは無く、社会全体は目の前の入試に目を奪われてしまう。どうしてでしょう。

大学入試が変わっては困るという社会の要請?

では入試が変われば学校や社会は変わるのか?という視点で見てみましょう。実際、大学入学共通テストは変わり始めています。暗記だけでは解けない設問が年々増えています。とても良いことだと思います。これからの教育を変えていこうという意図が明確で評価できます。
ところが、一方でこの入試の変化は酷評されています。理由は色々付けられていますが、結局、暗記だけで乗り切れない入試は「学力が測れない」ということらしいです。暗記した知識量が学力なのか?と思いますが、これまでそうやって築いてきたモノがある人達にとっては、入試の改変はこの上ない迷惑なモノであるようです。大学入試は以前のままで変わって欲しくないという人達の願いとは裏腹に、新しい価値観に基づいた作問が増えています。現在進行形でこのせめぎ合いは続いていますが、暗記に頼ってきた勢力は今後数年で一気に衰退していくことでしょう。早々に自分が変わるべきです。変化に負けてしまうことは目に見えていることです。

高等学校が変化の時にさしかかっていることは明白です。しかし、大きな変化を求めないという人達も相当数存在します。教育が何のためにあるのか、教育を受けたことを何に役立てるのか、など、教育と社会の結びつきは重視されなければなりません。これまでのように大学入試がゴールで、大学時代は大いに遊び、社会人になったら新たに社会人教育をし直さないと使えないでは無く、中高から大学、そして社会人まで一本筋の通った教育が行われることが正しいのでしょう。(当たり前ですね)
以前は社会に出たら遊べないので学生のうちに遊んでおけなどと勝手なことを大人は言っていましたが、その結果が、現在の日本の衰退に結びついている事実をしっかりと受け止める必要があります。今の大学生の多くは真面目に学びに取り組んでいます。彼らのこれからに期待したいものです。

新しい価値観を持った若者に大いに期待し、そこに関わる自分の責任をしっかり自覚して教育に当たります。読んで下さりありがとうございました。

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