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源氏物語を4コマで読む ざっくり2頭身源氏『まろ、ん?』小泉吉宏

本を読むってどういうことか、まだ考えている。
というのはだ、積読本の話になったときのこと。「いつか源氏物語を」と言う友人に、源氏物語めっちゃおもしろいって!と電話越しにツバとばし。何読んだの?って問われ、ウッと詰まった。

○○訳源氏物語なんて、一冊も読んでない。でも、知ってる。
生霊が女に取り憑くとことか、幼子を拉致して自分好みの女に仕立てるとことか、一匹の猫によって裏切りへと発展していくとことか。読むとはなしにシーンの断片を拾い集めて、それで全体像を見えている気がしている。(源氏物語好きだとかいってるけど、宇治十帖はほとんどわかんないし)

うーん。「頭から最後まで目を通す」だけが「読む」じゃなくていいんじゃないかね。「印象的なシーンだけつまみ食いする」ってのも、十分に「読む」だと思うんだけどな。

あ。わかった。ハイライト視聴でもよくない?ってことだ。去年のラグビーワールドカップの日本の試合、見た。YouTubeで。もう対戦相手の国名さえ覚えてないけど、何かはフルで、何かはダイジェスト版で見た。スポーツの試合って物語のようなものだと思うけど、名シーンだけ見るのも省エネなりに面白い。
もちろん、その1球から、試合全体の攻勢とかそのシーズン全体のチームの立ち位置とか選手の来歴とか、そういう背景までアクセスできたらいくらでも深く楽しめるんだろう。けど、まずはハイライト、でもいいんじゃないか、とさ、思ってさ。

私が源氏物語のつまみ食いしたのはこの本でした。


『ブッタとシッタカブッタ』の小泉吉宏さんによる、4コマ版源氏物語。
見開き2ページ8コマで、1エピソード完結。×54帖分。状況設定も、セリフもけっこう書き込みがあって、これで十分よくわかる。
長い漫画読むのに慣れてる人は『あさきゆめみし』でもいいんだろうけど、私は一冊完結のこっちが好み。

絵もさ、光源氏、2頭身だしね。照れずに読めるよね。ここでの呼び名は「まろ」、顔は栗。(頭中将、柏木あたりはなぜか豆)。この顔で「しちゃった♪」とか言ってるとまあ憎めない。
女たちもたっくさん出てくるけど、描きわけがけっこう特徴的だから覚えやすい。弘徽殿女御の悪役っぷりとか、登場した1コマだけでもう忘れない。(見返しのとこに、顔&名前一覧もあるから確認しながら読めるし)


源氏物語は変奏が多いから、元ネタに詳しくなると楽しめるものが一気に増えそうでね。
私がいまいちばん読みたいのは、角田光代訳、ではなくて、アーサー・ウェイリーもどし訳。いまから100年前に古語から英語に翻訳されたものを、近年日本語に復元。すると、シャイニング・プリンス・ゲンジがパレスのなかで、ブルーウェイブダンスを踊り、カーテンのむこうにいるレディたちのシルクスカートの衣擦れを聞くという…。ルー大柴源氏!
http://sayusha.com/catalog/p9784865281637


うめざわ
ヱヴァンゲリヲン新劇場版序・破・Qを見た。んんんんん????な、なんの話なんだ…? やっぱりアニメ版を見ないとわからないんですかね…

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