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集中力と孤独の敵は時間泥棒の……

 今日は、昨年末から見学や体験に行っていた就労移行支援施設を決めたので、予約をとって「認定調査」に行ってきた。自治体の福祉サービスを受けるときに、必要な書類を記入するほかに、担当者からの聞き取り調査が行われるのだ。
 申請者の障害の程度を把握するため、さまざまな質問がされた。
「買い物は、買い忘れや買いすぎをせずに行えますか?」
「悲しくて大声で泣いてしまうことはありますか?」など。

 そんな質問をされるなかで、気付いたことがあった。今日はそれを書いていこう。


自分の行動を振り返ってみると……

集中力が続く? 続かない?

 質問の中に、こんなものもあった。

「集中力が続かないことはありますか?」

 ふだん、「全然集中が続かない」と感じているのだが、よくよく自分の行動を思い返してみると、夢中になって集中しているときは、2時間くらいは軽く通して集中できる。「全然続かない」というほどではない。

 じゃあ、なんで「全然集中が続かない」と感じてしまうのだろう?

日中なにしてる?

 さらに聞き取りは続いて、今度は施設利用前の日常生活について話すことになった。

「起きてから午前中の時間は、何をしていますか?」
(SNSとかゲームとかしているな……)「読書や趣味の小説を書いたりしています」

「昼食から夜までの午後の時間は、何をしていますか?」
(SNSとかゲームとか (略))「読書や趣味の (略)」

「夕食から寝るまでの時間は、何をしていますか?」
(SNSとか (略))「読書や (略)」

 担当者さんがタイムライン式の書類に書き込むのを眺めながら数えてみると、私は一日に10時間以上「読書や趣味の小説を書いている」ことになってしまった。
 そんなことはまったくないのに、である。

 たしかに、最近は小説よりもゲームにうつつをぬかしている。かといって、毎日10時間ゲームをしているかというと、そんなこともない。
 じゃあ何をして……SNS、お前か!!!!!!!!!

SNS、お前だったのか

最近のSNS関連のできごとといえば

 帰り道、SNSに時間を吸われているかもしれない、という観点で思い返してみると、思い当たるふしはつい昨晩にもあった。

 昨晩、寝る前に少し時間があったので、ゲームをしようと思い立った。
「でもちょっとその前に、SNS見ちゃお」
 ……これがいけなかった。うっかり2時間もやってしまって、ゲームはできなかったし少し就寝時刻が後ろにずれた。

 また、最初にひっかかった集中力についても、探せば原因は掘り当たるものだ。

 私は二画面でPCを使っているのだが、スペース的には1.5画面くらいで事足りる。余った半分の画面に、SNSのウィンドウを開けているのだ。小説を書きつつもSNSが気になって、チラチラ見てしまう。そんなことをしていれば、集中が細切れになったなと感じるのは当然のことだ。サルでもわかる話だった。

「孤独の強度」

 ところで、私の好きな小説に伊藤計劃の『harmony/』がある。ミァハという登場人物のセリフに出てくる言葉で、カッコイイのがあることをふと思い出した。

「孤独の強度」

 文明の発達した未来の世界で、あえて紙の本を読む理由について訊ねられたミァハが、紙の本を読むことがもっとも孤独の強度が高いのだ、と、そんなことを答えるのだ。
 孤独に思考を先鋭化させることを選んだミァハの進む道は、穏やかなものではないのだが、それはさておき。

 私は本来、読書、紙の本を読むことが好きだ。孤独への耐性が、生まれつき低いわけではないということだろう。
 今はSNSに惑わされて孤独の強度が低い生活を送っているが、振り回されて時間を無駄にするくらいなら、孤独の強度を上げて、やりたいことに時間を使う方が健康的な気がする。まずはスマホの機能で、一定時間SNSをやったら強制終了されるように設定するところからだ。

 ……という記事を書きながら、耳は作業通話につながっているので、SNSと孤独の間の適切な距離をつかめるまで、道のりは長そうだ。

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