9月8日 巡礼38日目ネグレイラ〜olveiroa
Proper
<概要>
ネグレイラからolveiroaまでの33kmを歩き切る。高低差もそこそこあり、これが自分の体力的な限界と実感する。アルベルゲに入ってアムダンはオーストラリアの女の子と出会ってよく喋っている。アクセントが似ているので喋りやすいそうだ。リバプール訛りと似ている!?最早その会話は英語じゃないように聞こえる。
<覚えた英語、スペイン語>
proper(キチンとした)
アスタルエゴ(I see)
Hick off (しゃっくり)
<本文>
いま、ボクのショートパンツの右脚ヒザ上の裏側に黒いパッチが付いている。昨晩アイロン式のパッチを付けたのだ。それが今、剥がれてきて恐らくもうすぐ全部取れることになる。昨日の苦労は水の泡…そもそもそんな穴が空く必要はなかった。洗濯していたら糸がほつれたのを発見、ハサミで切ろうとして生地自体を切ってしまった。でも3mmほど。目立たないし放っておいても良かったのだけれど裂けてきたら嫌だなあと思い、近所のチナのバザールでパッチを買ってアイロンで付けた。きっちり付かないので入念にやったらそこは上手くいったのだが、横に大きな穴が空いてしまった。直径6cmほどか。大きく切ったパッチをアイロンする。今回は腕も上がっていて上手く出来たのだけれど、なにせ元々の製品がイマイチだった様で、翌日そこそこ歩いた後に取れかかっているのだ……あっ取れた…
ふとイングリッシュガールに見られたくないな、と思った。冷笑されるかもしくは真顔でスルーされるのを想像した。初めて彼女に会ったのはブルゴスの次のアルベルゲだった。ボクは昼間に入って部屋で寝ていたら、部屋に流暢な英語の団体が入ってきて「そんなに大きな声で騒いだらホラ、寝ている人が起きちゃうじゃない」というハッキリした声。ボクのことかな?と目を開けたら彼女と目があって…空白の時間があって、横に目をやるとアメリカの色男の彼がいたので挨拶する。彼はハンサムで背も高くて歩くのも早い。歳は30代前半といったところか。色んな女の子がドキドキ話しかけているのを見てきた。初めて話した時、かれはマメが出来てその対処をしていた。ボクのクスリを貸そうかとかのやり取りをしたので、会うたびにお互い「ハイ!マイフレンド」というようになっていた。ちょこちょこ見たり聞いた感じだと、彼が猛烈にアプローチして彼女が自分のペースに合わせて付合わせて、といったとか言わないとか。まあ二人ともハッピーそうで何より。
アムダンにその見られたくないキモチを話したら分かる分かるという。嬉しいねえ。彼は彼女のことを proper と表現した。そう、キチンとしている感じなのだ。ボクらがテキーラ飲んで騒いでるときも横でブラックティーを飲みながらカードをやっていた。別に悪くはない。ただ苦手だ。後ろから見られたくない。だから彼女が昨日休憩中のボクらを抜いていったときは安堵した。
一方アムダンはこの話があったからだろうか?いや、そのずっと前からか。オナラやゲップ、しゃっくり、つばも吐きまくる笑。彼は基本的に礼儀正しいひとで、初めてあった人との応対とかアルベルゲの人との対応とか、とても品行方正だ。なのでボクから見るとそれはギャップにみえて混乱する。けれどもこの付き合いにおいてはむしろ親しい間柄だからいいよね風にみえる、それならそれで光栄だ。巡礼ではトイレも青空で済ませる人をよく見る、環境上仕方ない。また欧米人でタンを吐く人が多い話をしていたら、彼らはうがいが出来ないから仕方ないと聞いた。その話をしていたら、うがいも出来ないし鼻もかめない日本人に出会った。それも20年以上の付き合いがあったのに最近知った。こんまり先生じゃなくてうがい先生になって世界中行脚してやろうか笑。
誰が何が出来る出来ないを把握するのすら大変だから、どこまでが礼儀でどこからが親しい間では許されることで…とかはもっと難しい。ハラスメントの話みたいに受け手が不快に感じたら、というのは乱暴な気がする。やり取りしているというより近くにいるだけなので、もう少し寛大でいいと思う。でも二人でいると気になってくる。まあどこかで本人に聞いてみよう。なんでもフランクに話せる間柄が大事だな、って思う。
今は大自然が全てを包み込む、そんな感じである。
(写真は食糧庫。この辺りの何処にでもある。ネズミに食われないような造りになっている)
山道の歩き方
最後に教わった歩き方のレクチャーを簡単にまとめておこう。
アップ →簡単。前屈みに歩く
ダウン→基本バウンスしながら歩く
スティーピーなダウン→重心を下げてスルスルと歩く
バウンス歩きは大好きだ。色んな筋肉少しずつ使うからほぐれるし、何よりリズミカルで少し楽しくなる。お試しください。
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