『もし神々が人を授業で学んだら?』1-4次元目【人はなぜ神を否定する?】
神ィ「ってそんなことより、なんで人間は『神が世界を作った説』をデフォで否定してるわけ!?」
先生「ふふ、神々としては納得いかないですよね?」
神ィ「いかないいかない」
先生「まず人間は今、『物質界は素粒子で出来ている』というところまでは究明できたのです」
カミキ「なるほどね。お弁当はお米とかお魚で出来てるよってことまでは分かったと」
先生「でも、その素粒子がなぜ出来たかについては解がありません。そして地球上では、このように信じられています。『何もなかった空間に爆発が起きて突如、物質界が表れた(なお、神は無関係)』と」
カミキ「いやいやいや『何もなかった空間に爆発が起きる』って、ほぼ超常現象を認めておきながら、どうして俺らの存在だけはかたくなに否定する!?」
神ィ「第一、朝、爆発が起きて急にお弁当が出来てたら普通におかしいでしょ。そんなの、子どもだって分かるよね?」
カミキ「てか、人間って子どもとおんなじなんじゃね?
ほら、お母さんが早起きしてお弁当作ってるとか、あんま思ってないじゃん、子どもは」
神ィ「まぁ確かに。子どもからしたら『あ、なんか知らんけどお弁当在る~』って感じだよね」
神太郎「なんか知らんけどお弁当在ったら、神ワザw」
カミキ「や、だから『神ワザ』じゃなくて、実際に俺らがウンショウンショして作ったんだよ物質界を! 母親がお弁当作ってるのとおんなじだよ! ふしぎでもなんでもないだろそんなのはよ〜。なんでわざわざ不自然な方を信じ込んじゃうんだよ〜。複雑な方がホントっぽいと思ってんのか??」
神ィ「分かった。『お母さんが作った』って認めちゃうと、なんか恥ずかしい感じするんじゃん?」
カミキ「え? あー、思春期的な? 『お母さんの手作りじゃないやい、お店で買ったんだい』的な?」
神太郎「ぶほw 人類青いな。だから地球も青いのかw」
カミキ「誰がうまいことを言えとw」
先生「でも確かに『宇宙は神が作った』と言うと恥ずかしいというのは的を射た推察ですね。私も以前、人間をやっていた頃そのような発言をしたら『なんだこの人』という目で見られた悲しい経験がありまして…」
カミキ「そうなんだ」
神ィ「あれじゃない? 人類って自意識過剰なんじゃない? 人からどう思われるか気にしすぎて、ファッションセンスめちゃくちゃになってる中学生みたいな?」
カミキ「あー、後から考えると黒歴史的な?」
神ィ「そうそう、なんでそんなガラでもないのに卒業文集に『将来の夢→クラブ系パリピ(天下統一チョリース卍)』って書いちゃったんだろう、あー恥ずかしい過去消し去りたい!みたいな」
カミキ「昔の人は天動説を信じてたらしいよありえないね〜って言いながら、いやお前もなwって神からツッコミ入れられてるっていう…」
神ィ「別に、お母さんの手作りでも、ぜんぜん恥ずかしくないじゃんね?」
カミキ「マジ人類青いな。青春時代だなw」
神太郎「あ、僕のネタ、パクリましたね?」
カミキ「あ゛~!?」
神ィ「まぁまぁ落ち着いて」
先生「ともあれ今の人類は、母親がお弁当を作ったのは理解できても、神が物質界を作ったというのは受け入れがたいみたいです。どうやら人間には『目に見えるもの』『観測できるもの』しか信じられない、という性質が在るようで…」
カミキ「そーか分かった! お弁当を家に忘れちゃったパターンだ! 家に忘れたはずなのに、体育の時間が終わって引き出し見たら、なぜかお弁当入ってる~。なぜだろ〜的な」
神ィ「あ~、ほんとはお母さんが学校に持ってきて、こっそり引き出しに入れてくれただけなのに?」
カミキ「そうそう、なのになんで弁当が在る? あ、もしかして爆発が起きてここにお弁当生まれちゃった?みたいな」
神太郎「出たw 必殺バクハツww」
カミキ「いや、言うて俺らが作ってるしw」
神ィ「ま、だから人類って今、中学生くらいってこと? なら、お母さんが学校までお弁当持ってきてくれたなんて、想像できたとしても恥ずくて絶対認めたくないっていうか」
カミキ「お母さんがお弁当作って持ってきてくれたって言うより爆発してそこに生まれたんだー!って言い張った方がモテるんだろうな」
先生「はい、というわけで人間界へ生まれ立つ際は、そういった点に注意してくださいね、という授業でした」
神ィ「てか、うちら、人間として生まれたら、そんな考え持っちゃうの?」
先生「いま当たり前のように分かってることも、神としての記憶を消して人間界に転生すると皆さん、ひとつ残らずやらかします。例外は一部の聖人くらいです」
カミキ「いやいや、俺は絶対ダイジョーブだから」
神ィ「だよねー。映画を見てたら、その映画が現実だと思いこんじゃうとか絶対ありえないって」
先生「みんな出発する前はそう言います。でも向こうついた途端、十中八九そうなります。そればかりか、テレビゲームなどに入れ込んでる人を見つけちゃ『おい、お前、現実とバーチャルの区別はつけろよ』なんて言ったりします」
カミキ「いやいや、まずはお前が現実を思い出せよ的な?」
神ィ「じゃ、あたしも『神はいない』とか思っちゃうの?」
神太郎「それは、ありえないですよ」
神ィ「え、なんで?」
神太郎「…おネギあります」
カミキ・神ィ「だから紛らわしい寝ごと言うなって!!」
(キーンコーンカーンコーン)
先生「では本日はここまで。次回は『人間界の"幻想"を活用して楽しく生きる方法』ですからね〜」
(※1次元目・おしまい)
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