星空とは何か?亡くなった人はどこへ逝くのか?なぜ夜空に星が輝くのか?

星空がきれいな季節になりました。
さて、どうして夜空に星が輝いているのでしょう。

「おじいちゃんは亡くなって星になった」
みたいな言い方を耳にしたことは誰でもあると思います。

これは比喩的な意味であって、本当に星になると思っている方は、そうそういないでしょう。
僕もやがて自分が土星になるとは思ってはいないです。
思ってはいないのですが、こうも思います。

亡くなった人って、きっとあの星のようなものだろう、と。

星は遠くから僕たちを見守っているだけです。
その存在を示す光を仰ぎ見ることで、ぼくたちの心が動かされることはありますが、星はいつでも無言です。

星は遙かなる暗黒に輝くがゆえに美しく、同時に孤独です。

夜空の星は地上の苦楽とは無縁の世界に生きています。
いわゆる俗世のよしなしごとから超越した位置にいます。
お金や人間関係の苦労に惑わされることもない、未来や過去に思いを馳せて、不安に陥ることもないでしょう。

しかし同時に、地上のよしなしごとを、ただ一天から見つめることしかできないとも言えます。
それは永遠の平穏であり、安らかな眠り。

それが死ではないでしょうか。

すべてから解放された存在、それが夜空に輝く星です。
つまり星とは死者です。

ひるがえって星空とは死者の世界を僕らに予言してくれているのではないでしょうか。

生きていると色々とうまくいかないことに遭遇します。
どうしてもっと理想通りにいかないのだということが山のように起こります。
そんなとき人生に嫌気がさしたり、恨みがましく天を睨め付けてしまうこともあるかもしれません。
どうしてこんな目に遭わせるのだなどと悪態をついたり。

しかし星は黙って光り輝いたままです。
なぜか?

地上の全てが豊かさであることを知っているからでしょう。
どんな苦しみであれ、それは地上にしかない恵みであると知っているのでしょう。
星は地上に関与できず、孤高ゆえに苦しむことすらできないためです。

星とは、家にこもって延々とNetflixを見ているようなものでしょう。
いつでも自分は観客であって参加者ではない。
画面の向こう側の生きた住人ではない。
次元の外から、ただ眺めるだけです。
それは圧倒的に安全です。
しかし、いつしか観客であることに飽きてしまうのかもしれない。
どんな危険や絶望があるとしても、星はやがて画面の向こう側へ自ら主人公として参加することを願うのでしょう。
こうして宇宙は輪廻して地上に舞い戻るのです。

危険ありがとう。
絶望ありがとう。
そう思いながら地上に舞い降りてくるのでしょう。
ぼくらが何度でもスーパーマリオに挑戦するように。
マリオの死が永遠の終わりではないと知っているからこそ、ぼくらが何度でもクッパに立ち向かっていけるように。

ぼくらが夜空の星に希望を感じるのと同じように、
星もまたぼくらの七転八倒に心を奮い立てているのです。

ぼくらはやがて光に戻ります。
そこには永遠の安息があります。
それはすでに約束されているのです。

ならば今の生を精一杯謳歌しない手はないですよね。

世界の愛を信じて、今をたゆたえばいい。
やがて時が来て、かぐや姫のように星に返ったとき、
もっと愛に生きればよかったと悔やまぬように。
どんな目にあっても豊かさでしかないのだから
限られた命の時間を楽しめばいい。

この世に受けた生とは、
きっと自分なる星が
人になった夢を見ている一瞬の奇跡なのかもしれません。

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