息子の卒業
高校1年の秋、学校で突然咳が出て止まらなくなった息子。病院をはしごしたのちに分かったのは、人間関係のストレスが身体に現れたということ。その後も頭痛や喉の詰まりなどに苦しみ、学校に行くのがしんどくなって…
そんな日々、毎日のように担任の先生はわたしに電話をくれました。息子はもちろん、わたしのことも気づかうお電話です。
「お忙しいのにいつもすみません…」と謝ると、「いいえ〜、これがわたしの仕事ですから〜」と明るく軽く言い放つ先生。だからなんにも気にせず頼ってくれればいいんだよ、と。それがどんなに嬉しくて心強かったか。そんな先生だから安心して、電話口で泣き崩れることもできたのです。
1年近く苦しんだのち、息子はだんだん学校生活を楽しめるようなっていきました。
そして迎えた卒業式。
先生、
息子がこうして卒業できるのも、今日わたしたち親子が笑って生きていられるのだって、あのとき先生がいてくださったおかげです。大げさではなく、ほんとうに。あのときのわたしたち、危うかったから。
巣立つ息子よ、
あなたはきっと、これからも大丈夫。困ったら人を頼ることを知ってるから。
もうすぐ春が来る。
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