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192冊目:御手洗家、炎上する/藤沢もやし

こんばんは、Umenogummiです。


今日はひそかな復讐の炎を燃やす、こちらのサスペンスマンガです。


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御手洗家、炎上する/藤沢もやし 作



家事代行の仕事をする山内しずかは、主婦モデルの仕事をしている御手洗真希子の家に派遣されます。丁寧な仕事をこなし、真希子に正式に採用されたしずかでしたが、実は彼女には大きな秘密が隠されていました。


しずかこと村田杏子(あんず)は、13年前杏子の母の不始末で起こったとされる火事で、両親は離婚。杏子と妹の柚子を連れて家を出た母と入れ替わるように、母と親しかった杏子の同級生の母親・渡真希子が2人の子を連れて内科医をしている父と再婚します。

やがてもともと体の弱かった母は、過労で倒れ、ストレスから娘たちを忘れてしまうという記憶喪失に。思い出のものを見せたりすると記憶が戻ることがあると医師に言われた杏子は、母のために村田しずかと名乗り真希子の家の家政婦として潜入しました。

また、杏子は、当時貧しかった真希子が母のしぐさや持ち物を真似ていたこと、火事が起こった日に不敵に笑った真希子を見たことから、火事は母が起こしたものではなく、真希子が起こしたものだと考えます。その証拠をつかむため、また奪われたものを取り返すため、真希子がいない自宅で火事につながる証拠品や、母の思い出の品を探します。


しかし家は実は無人ではなく、真希子の息子で商社勤めをしていると語られていた長男・希一が引きこもっていました。杏子は始め、家にいるのは子どものころ要領の悪かった同級生の次男・真二だと思っていましたが、ふとしたことがきっかけで、引きこもっているのが子どものころ憧れていた希一であると気が付きます。希一もまた、静かと名乗る家政婦が杏子であることに気が付きます。

始めは相容れない2人でしたが、母親を憎む希一は次第に杏子に協力していくようになります。一方柚子も真二と偶然再会し、そして自分なりに母親と杏子を助けようと杏子には内緒で真二から情報を引き出そうとします。そして柚子は、自分たちを捨てた父親と再会します。



とにかくいつ正体がばれるのかとハラハラしますね。ハラハラしながらも、解決への糸口が少しずつ見えてきて…。サスペンスのこういったところが好きです。


しかし、真希子の憎たらしさと言ったら…! かつて貧しい暮らしをしていた自分を恥じてなのか何なのか、自分は人のものをとったのに、人には「うちのものを盗ったらしょうちしない」と言いやがります。おまいう。

杏子はやく何とかしてくれー!と思ってしまいますが、焦りは厳禁ですね。真希子もなかなか狡猾で、杏子は慎重に事を運んでいることがうかがえます。そして、父親も腹立つ。13年間娘たちを放っておいただけのことはあります。


サスペンスって終わりが気になって仕方がないですよね。でもその過程もまた楽しめるから大好きです。

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