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45冊目:毎日やらかしてます。アスペルガーで漫画家で/沖田×華

こんばんは、Umenogummiです。

今日はコミックエッセイを紹介します。

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毎日やらかしてます。 アスペルガーで漫画家で/沖田×華(おきたばっか) 作


「透明なゆりかご」の著者で、アスペルガー症候群をもつ沖田×華氏の日常を描いた作品です。

表題には「アスペルガー」とありますが、著者は「注意欠陥/多動性障害」「学習障害」も持っており、この本は「アスペルガー編」「注意欠陥/多動性障害編」「学習障害編」とチャプターが分かれています。

アスペルガーは、知能や肉体には異常は見られないものの、コミュニケーション能力や共感力が乏しく、また、言葉の裏を読むことができず額面通りに受け取ってしまい、人間関係でトラブルが生じやすいことが多いようです。
作中で沖田氏はダメ男に惚れてしまった友人をの目を覚まさせるために、そのダメ男と一夜を共にしてしまい、友人の友人たちから罵詈雑言を浴びせられるという事件を起こしています。(本人は何が悪いのかわかっていない)
またこだわりが強く、沖田氏は青が好きということですが、どの青でもよいわけではなくサファイアブルー(道路にある看板の色など)が好きなのだとか。

注意欠陥/多動性障害は、注意力の欠如と多動性、衝動性があるそうです。
作中で著者はお鍋に火をかけたまま、外出したりしていました。
特に生理中はひどくなるようで、買い物をして商品を忘れたりしているようです。
精神科医のゆうきゆう氏によると、後天的にも脳に強い障害を受けた場合にもなる可能性があり、「誰にでも症状が現れる可能性がある」とのこと。

学習障害は「勉強ができない」わけではなく、「学習上必要な能力に何らかの障害がある」もの(ゆうきゆう氏)
作中で沖田氏のエピソードとして、
二けた以上の数字が苦手で、レジのバイトを3日でクビになったり、液晶でない電話で家にかけたところ、16回かけてもすぐに切られてつながらず、ようやくつながったときに「今初めてかかってきた」といわれ衝撃を受けたりという話が掲載されていました。
また、漫画家になってから漢字も苦手だということに気づいたそうで、「蜃気楼家族」というマンガで「悪」という字を100か所以上間違えていたということもあったそうです。(ちなみに中「華」料理者の娘で、自身のPNである×「華」という字も6ずっと間違えていた)

同じ症状を持っていてもやはりそこは人間、人が変われば症状も十人十色だそう。

沖田氏はあとがきで、こう記しています。

いつか発達障害が普通に社会に溶け込める日を願わずにはいられません。

「発達障害」があることで、苦しんだり悩んだりしたことがあるのでしょう。「ダイバーシティ」や「多様性」が叫ばれる現代で、「健常者」と「障害者」と簡単に線引きするのはどうなのかなとか、考えてしまいますね。

人づきあいはまずは相手をよく知ることから始まると思いますので、発達障害とは何ぞや?と思ったら、まずはとっかかりにこのエッセイを読んでみてはいかがでしょうか。

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