見出し画像

夜明けの祈り~モロッコ、彼女たちの朝~


女性に生まれてよかったって思っているし、何度生まれ変わっても女性がいいわ!って思ってしまうくらい私は女性という性を愛してやまない。

156か国中120位。
これは今年発表された男女格差指数


日本はアジアの中でも韓国よりも、中国よりも順位が低い。

世界を知らないというのは恐ろしいことで
世界は私が思っている以上に女性に優しいらしい。

とはいえ、そんな数字を見ても、あまり気持ちに変わりはなく
日本は女性にとって住みにくい場所かもしれないけれど

私はやっぱり「おんな」がいい。
やわらかな体、毎月訪れる月経も、月のサイクルにあわせた気持ちの浮き沈みも、すべて愛おしい。なにより、産みだし、育む、包み込む母性を実感できていて、それがとても楽しいし、幸せだ。

日本120位、モロッコ144位

日本とモロッコはたった24位しか違わない。
たった24位しか違わないのに
もし私がモロッコに生まれていたとしたら
「もう女性はこりごり・・・」って思ったかもしれない
「女性という性が好き」なんて言っていられなかったかもしれない


わたしの女性性がぐらぐら揺れる映画を見た。

「モロッコ、彼女たちの朝」

この映画は、望まぬ妊娠をした未婚女性が、夫を事故で亡くした寡婦に助けられ出産に至るまでの物語。

画像2

モロッコといったら、地中海を望み、ヨーロッパからの観光客も多い
アフリカの中では豊かな国というイメージがあったけどそれは私の勝手な空想・・・現実は・・・
イスラム教の戒律によりシングルマザーはタブー
未婚女性の性交渉と妊娠は厳しく罰せられるが、女性だけが罪に問われ、男性は不問…

妊婦の身体はただでさえ重たいけれど、その重さ以上に重たい問題を抱えた妊婦サミア

夫を不慮の事故で亡くした寡婦のアブラは、頑なに閉ざしている。まるで水分がまったくないひび割れた大地のよう

息が詰まるような二人の重さが映画が進んでいくうちに変わってゆく
若い妊婦サミアの存在が
女性ということを忘れ働き続けていたアブラに潤いを与える

感じないようにしていた感情
感じないようにしていた感覚

パンをこねる指先にも愛をゆきわたらせる・・・
よろこびの中歌って踊る

画像3


世界中の女性が幸せになるにはいったいどうしたら良いのだろう

この世界には女性に生まれてしまったことを
嘆き悲しんでいる女性がたくさんいる。

赤ちゃんを産んだサミアの苦しみが
痛くてしかたなかった。

どうして女性だけがこんな思いをしなくちゃいけないのかって
悲しくてくやしかった。



画像3


日本では「モロッコ、彼女たちの朝」という題名だけど
エンドロールでこの作品が「ADAM」(アダム)という作品だったことが分かった。

楽園を追われたのはイブだけじゃなかったはず。

この映画を撮ったマリヤム・トゥザニ監督はモロッコ、カサブランカ生まれの女性。
彼女が生み出した作品からのメッセージが世界中に届くことを祈った。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?