ファンレター、出してますか?
…正直、あんま出したことある人、少ないと思うんですよね。作家さんにファンレター。
昔お葉書の時代、よく人気マンガ作家さんのウチにどさっとダンボールでファンレターが届く、そんな描写がありました。今はどうなんでしょう。ほとんどがメールだと思いますが…。
当方の個人的な事情から言うと、去年の10月から、「声を出して笑ったマンガには必ずファンレターを出す」ことに決めています。
きっかけは去年の夏、介護の描き下ろし単行本を描いているとき。内容が地味だしムツカシイし、場面もずっと介護施設の中。どうしたら面白くなるかなあ…と思って、参考にしたのが『アル中病棟』(吾妻ひでお・イーストプレス)。入院中にアルコールの害について学ぶこのマンガが、とてもいいお手本になったのです。吹き出しを縦長にするとか、カメラを引いて全身を入れるとか、狭い場面でも飽きないようにいろいろマネしました。
もう一つ参考にしたのがちばてつや先生『蛍三七子』。ちょうど描き下ろしとページが同じくらいの120枚で、ちば先生ならこれだけ描くぞと自分に言い聞かせていました。
こうやって書いたのが当方の『拘縮を予防・改善する介護技術』(中方法規出版)という本です。
描いている途中何度もその2冊に励まされ、描き終った時(去年の9月)「本が刷り上がったら両先生に送らせていただこう」と思いました。もちろん面識なんぞないですw(出版社のパーティーで一方的に遠目に見たことはある)が、感謝を伝えたくて。
…が、ご存じのとおり吾妻ひでお先生は去年10月、お亡くなりになりました。まだ本が刷り上がっておらず、ファンレターも出せないままでした。
やむなくファン葬に行きましたが、棺に布団はかけられないってこのことだなあと。
なーんで、一通くらいファンレター出さなかったかなあと思いまして…いつでも出せると思ったら大間違いですね。
考えて見れば吾妻先生だけではない。当方の兄弟子が谷口ジロー先生のアシスタントになったときどうして会わせてくれと言わなかったか、『神々の頂』何度も読んだのに、もう会えなくなってしまって。ミーハーでもいいじゃないか、と後悔が募ります。会おうと思えば、言おうと思えば伝えられることがいっぱいあったのになあ、と。
以降、オモシロかったら絶対にファンレター出すぞと決めています。
で、去年の10月から半年、11人の漫画家さんにファンレターを出しました。
これがお忙しいでしょうに、8割はお返事が来るのです。
しかもそのほとんどが、当方が出した文章より長い返事がくるのです。
こちらが勝手にだしたものですので、もちろん返事など期待していないのですが、それにしても驚異的な返信率だと思います。…もしかして作家さんっていまファンレターもらってないのでしょうか?いや、当方も一応プロなのでメールで感想いただくと興奮して返事を出しますwが…これは当方が売れていないヒマ人だからだと思っていたのですが、けっこう売れている作家さんでもお返事を下さるのです。
もっと気軽に出しときゃよかったとホントに思います。なにをびびっていたのだかw
このnoteでもそうで、面白いと思ったらコメントしています。
そのおかげでマンガ家と知り合えたり未発表マンガを掘り起こしてくれたり、タダでいいことがたくさん起こっています。
…ファンレター出して損した試しがないです。
ああ、もっとはやくこのことに気づいていれば…と、勿体ないですねえw
お粗末さまでした<(_ _)>
たくさんのサポートを戴いており、イラストももう一通り送ったような気がするので…どんなお礼がいいですかねえ?考え中(._.)