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そうは言っても古本は好きです。

「検印紙」…知らないだろうなwお若い方は。

昔はこういうのが巻末に貼ってあったんですよ、著者が認可したちゃんとした本ですよ、って意味で。で、これが「印税」の語源なんですが。

パソコンの変換候補にないんだものw「検印紙」。今登録しましたよ。

昨日書いた「十分の一 払いたい」を読んでくれた方がた、ありがとうございます。いつもと変わったことを書いたせいか、新しいお客様も多かったです。嬉しいこと。

で、誤解なきよう急いで書くのですが、そうは言っても古本は好きです。いや大好きといってもヨイ。愛しているといって差し支えない。

コメント欄にもいただきましたが、問題視しているのは「古本を買っても著者がもうからないシステム」で、古本自体は大好きなのです。古本屋に「当店は1割高いですがその分著者にお金を送ります」って書いてあったらゼッタイそこに通います。

むしろ古本屋がなかったら絶対に会えなかった本(当方の本棚の6割はそうですが)の存在や、ただ捨てられるより再利用すべきだとか、古本屋を応援したい理由は枚挙にいとまがありませんが。

というか当方むかし、古本屋で働いてましたからねw否定できるはずがない。あ、新古書店(パソコンの奴シンコショテンは変換するのかよ)じゃないですよ、昔ながらの、街の古本屋さんです。

古本屋の思い出やマンガにどう役立ったか、同僚に編集者や世界的ピアニストがいたとか(しかもそいつらが全員貧乏だったとか)、そんな話をしていたらマガジン一本分になってしまうので…今日は当方が古書店員だった証拠に、古本の中からでてきた「なんだこれ?」シリーズをサクッとご紹介しますね。

手始めはこちら、しおりです。

これ、なぜか店長は「捨てろ」というんですが、けっこうおもしろいのがあるので当方「捨てるならくれ」といって取っときました。なんでも取っとくモンですよ、ほらネタになるw。

しおりは岩波新書に限ります。この本の部位名称や、記号の名前なんてなかなかまとまった資料がなくて…これはお手軽でよい。本職の編集者でもないと勉強しませんからね(…たまに本で飯食ってる人でも知らない人がいますけどw)。

同じ岩波新書のしおりでは、このシリーズもいい↓。

語源・マメ知識シリーズですね。

ただ辞書的に解説するのではなく、さすが岩波、文学作品や歴史と絡めて解説自体が一つのコラムになっているという。ユニコーンを表す「ウニコール」が薬の名前(ゲームでおなじみの「ユニコーンの角」です)になり、のちに「そんなもんあるわけないだろ」「ニセモノ」の代名詞になっていったなんて、面白いですね。当方ネタに困るとよくこのしおりを筮竹のように両手でいじくりますw。

しおり以外にも、いろいろ挟まっている。

右は正誤表、あるいは単位の解説ですね。これもあるとないとじゃ大違い。時代物を読んでて「あとほんの十町」とかね、つい読み飛ばすんですけど、660メートルってイメージした方がやっぱり楽しいです。一晩で四十里走る忍者とか、そんな馬鹿なってわかるものw。

左はというと、なんか私立大学図書館協会とかいうのがつくったしおりのようですが、裏を見ると…↓

実にハイセンスですねwなんでこのコマ選んだんだ。

大学でもマンガの価値を認められてきた時期なのでしょうか、時代を感じます。でもね、これはいただけませんよ↓

大学の本を売るなよ、早稲田の学生w

…たまに古本に大学の蔵書印とか、図書館の印とかありますけど。売りますけども、やめなさい、といいたいw、食うに困ってるってほどじゃないでしょう、大学生。タバコ銭のために本を売るのは卑しいことです。

お次は変わった原稿用紙↓

…ん、真ん中の区切りもないし、20×20の400で原稿用紙ではありそうですが、果たして縦に使うのか横に使うのかもわかりません。で、よく見てみると…

朝鮮、とか、ソウレン、とかいう文字が見えますね…。やっぱり外国の原稿用紙だったようです。古本屋は東京の荒川区にあった(申し遅れましたが今はもうありません、潰れましたw)のですが、荒川区は韓国系の人々が多く住んでおられます。

しかしなんでこんなサラの原稿用紙が古本からでてくるのかサッパリわかりません。

わからないと言えばこれが極め付け↓

試験問題ですw

演劇の試験でしょう「次の場面を言葉を使わないで演じなさい」だそうです。何の本から出てきたのか忘れてしまったのですが、きっと演劇や映画関係の本だったのでしょう。

しかし試験問題ごと売り飛ばしてどうするw

この本の持ち主が試験に挑戦したのか、問題を本に挟んだまま「もういいんだ…」と売ってしまったのか、ついマンガ脳が想像してしまいます。

まだまだあるのですが、ま、この辺にしときます(撮影が手間だw)

かように古本には夢が挟まっているもので、買うときから読むとき、売る仕事ですらこんなに楽しいのですから…やっぱり当方、古本が大好きです。

気持ちよく大っぴらに古本を楽しめるように。出版だとか権利だとかのエラい人、システムのほう何とかしてください<(_ _)>

おそまつさまでした。

(追記)
昨日サポートした作家さんからお礼のメッセージをいただきましたm(_ _)mずっとファンだったのですが直接言葉をもらったのは初めて。嬉しい(^^)これだけでもサポートした甲斐があるってモノでしょうね。スクリーンショット撮って宝物にしますw

たくさんのサポートを戴いており、イラストももう一通り送ったような気がするので…どんなお礼がいいですかねえ?考え中(._.)